佐藤 タイジ(シアターブルック)×和田 唱(TRICERATOPS)インタビュー vol.37

メジャー・デビュー20周年を迎え、全曲太陽光エネルギーだけでレコーディングされた「LOVE CHANGES THE WORLD」をリリースし、現在全国ツアー中のシアターブルック。そして、「野球・ソフトボールを競技復活を目指す」PR映像テーマソングとして話題の「Shout!」をリリースし、“SHOUT TO THE STARLIGHT TOUR”を終えたばかりのTRICERATOPS。
この2バンドが、来年2月にライブを行うことが決定し、その記念的なイベントを前に、シアターブルックから佐藤 タイジ、TRICERATOPSから和田 唱を迎えた対談が実現した。
お互いの出会いから現在に至るまで、そしてイベントタイトルが、この対談中に決定した瞬間までを4週連続でお届けする。

 

ー最初はレーベルメイトととしての出会いが始まりになりますか?

和田 唱(以下、和田):そうです。最初からこのビジュアルだったし、”この人がシアターブルック”というイメージと共に、レーベルの先輩として飛び込んで来ましたよね。

佐藤 タイジ(以下、タイジ):今とあんま変わってないからね。何年くらいだっけ?

和田:97年ですね。シアターは95年?

ーデビューで見ると2年違いですか?

タイジ:そうそう。年齢だと唱はまだ若いもんね?

和田:でも40歳になりました(笑)。まだ当時は21歳くらいだから、あれから倍近く生きてきたことになるのか。

ー2人が出会って、それこそ来年で20周年になるんじゃないですか?

タイジ:だいたいそうやな。

和田:それまでって、学校の先輩とかはいましたけど、デビューしてから初めての先輩の1人で、すごいエネルギッシュで怖い感じ(笑)。こっちは、デビューしたてでオドオドしてましたからね。

タイジ:イヤイヤイヤ(笑)。最初、(当時の)ディレクターも一緒だったよね?

和田:そうです。共通のディレクターさんだったから、何かとすれ違うことも多かったですよね。

ー打ち合わせとかの場面で挨拶程度のような?

和田:でも「どうも!」って感じで済ませてはくれないから、「あ〜いた!あの人」ってビビってました (笑)。言うことが豪快だった印象が強くて、何かのイベントで一緒になったときに「いやぁ、前にこの会場でライブ演ったんだけど、○○してからステージに行ったんだよ」って。

タイジ:嘘だぁ(爆笑)。

和田:ホント!会う度に、そういうロックンロールなエピソードをかましてくれるわけですよ。俺が思い描いていた、海外のロックスターのイメージをそのまま体現してる人が、こんな近くにいるんだと思ったのが、当時のタイジさんのイメージ(笑)。

ー(笑)。その今と変わらないイメージのタイジさんは、当時のTRICERATOPSへはどういった印象だったんですか?

タイジ:かわいいのが来たなっていう(笑)。

和田:この人に比べれば、かわいいもんだったと思いますよ。

タイジ:まぁ、ディレクターが一緒だったから、気にしてましたよね。真面目に音楽をしていることが伝わって来てたし、絶対に人に好かれるキャラクターだってわかるわけじゃない?だから、当時の俺は楽屋を盛り上げようとしてたんでしょうね。唱に嫌われたくなくて、そういうオモロイことを言ったんだろうね。

和田 唱と俺はあからさまに陽(タイジ)

ー(笑)。お互いのイメージについてはお話いただいた通りですが、音楽についてはいかがですか?

和田:まず、「シアターが好きだ!」って公言する人が、周りにたくさんいました。例えば、当時数回通ったボイトレの先生の部屋に”シアターブルック”って書いてあるボックスが置いてあって、「好きなんですか?」って聞いたら「好きなのよ〜」って。音楽業界の人にも人気があって、オシャレなイメージがありましたね。

タイジ:オシャレ推ししてたな。当時のレーベルはそうだったのかもね。そういう和田 唱も、当時から大概オシャレやん。しかも、今の方がオシャレ度が上がってる気がするよね。TRICERATOPSは、踊れるロックで行こうとしてるのがわかったから、グルーヴをちゃんと捉えているんだなっていうイメージ。ディレクターが同じだったというのもあるけど、どっかに似たようなセンスと素養があるだろうなっていうのが、後からでも理解できるよね。

和田:今の方が、確かにそう思いますね。

タイジ:シアターブルックとTRICERATOPSの交わってるところが、当時の90年代よりも見えるようになってる。結局、陰と陽があるとするならば、和田 唱と俺はあからさまに陽なんだよね。

和田:あぁ、言われます。

タイジ:音楽に対して難しく考えずに、陽気に取り組むことがお互いのバンドサウンドにも影響していて、ここに来て当時よりもよりシンパシーを持ててることに繋がってるからね。

ーこうやって、同じ時間を過ごすようになったのは、最近になってからですか?

和田:先輩・後輩のエピック時代から、こうやって頻繁にお会いするまで割とブランクがあるんですよ。それ以降は、よく会ってますよね?

タイジ:ここ4、5年はそうだよね。やっぱ、震災以降じゃない?

和田:下北(3.11復興支援ライブ「LIVE FOR NIPPON Vol.11」)ですね。

タイジ:和田 唱に対しては、エピックの後輩というよりも、ミュージシャンの仲間同士として、今は一緒にやれることがたくさんあるぞってなれてるな。

ー当時としては、ここまで距離が縮むことを予想できなかったんですか?

タイジ:やっぱ、逆にエピック同士で近かった分、どっかで”ライバル”みたいな意識もお互いにあっただろうし、90年代の半ばのバンドマン同士って、そんなに仲良くなかったよ(笑)。

和田:今とは違いますね。当時の僕らも、今に比べたら人見知りで。今でこそ、コラボとかセッションをしてますけど、そんなのなかったですよ。

タイジ:そもそもない。マナーとして、”ロックバンド同士はピリピリしてるもんだ”っていう。

和田:フェスの雰囲気も全然違う。当時のお客さんは、僕らに興味のない人はおもいっきりシカトでしたからね(笑)。

タイジ:そうそう、冷たい(笑)。

和田:最近は、フェス自体を楽しもうとしてくれている人が多いから、温かい雰囲気になるし、今の方がフェスはいいですよ(笑)。そのくらい、昔はフェスがイヤでしたね。

タイジ:「アンタらを観に来てんじゃないから」っていうのが、あからさまだったからね。

ー(笑)。最近は、随分とピースフルなフェスが増えましたよね。中津川 THE SOLAR BUDOKANを主催しているタイジさんにズバリ伺いたいんですけど、皆勤賞でもある和田 唱・TRICERATOPSの魅力はなんでしょう?

タイジ:やっぱね、”暗くない”ってところなんですよ。もちろんね、唱にも俺にもあるんだけど、その部分で突破しようとしなくて、明るい部分で突破しようとしているところが好きだからさ。

ー端的に言うと、タイジさんと和田さんは”似た者同士”なんでしょうね。

タイジ:そういうトコあるっす。そこにミュージシャンとして腕も耳あって、信頼ができるよね。

和田:僕らも、例えば「戦争反対」とかのマイナスのパワーを売りにするのではなくて、「ソーラーエネルギー賛成」っていう、ポジティブなプラスのパワーを打ち出すことがタイジさんらしいし、共感するんですよね。「反対、反対…」っていうパワーを使うと、結果として引き起こしてしまうと思うし、そうじゃない「賛成」のパワーを使った方が、よっぽどみんなの気持ちを一つにできると思うんですよ。”太陽”と”佐藤タイジ”がすごくリンクしているし。

タイジ:だから、そこに唱がいることが自然なんだよね。

ー因みに、お互いで影響を受けたりしますか?

和田:まずステージを観ていても、エネルギーがすごいですよね。僕もそれなりに頑張るんですけど、タイジさんのギターの高音の行き方が違います(笑)。

ーチョーキングにまで滲み出てしまっていると(笑)。

和田:それを観たあとのステージは、僕も高音に行きたくなるし、前回の2マン(THE SOLAR BUDOKAN 2014 IN SHIBUYA Vol.1)以降に「レスポールいいな」って、実際に使ってます。

タイジ:唱はSG使ってたもんね。あのアンプも良いんだよな(笑)。

ー折角、前回の2マンのお話が出たので触れたいのですが、近年は頻繁に交流されていたにも関わらず、これが初だったのは驚きですね。

タイジ:確かにね。同じレーベルメイトだったこともあるのに、やってないわ。

ー前回では、「SUNSHINE OF YOUR LOVE」や「I shall be released」のカバーをお互いでされていましたが、2マンならではの楽しみとも呼べる「FEVER」 をタイジさんと共に演奏し、「もう一度世界を変えるのさ」をTRICERATOPSと共演するというのは、そういったカバーをすることとは違うのでしょうか?

タイジ:全然違うよね。カバーのときは、その楽曲に対して自分がどうできるかだけど、唱の書いた曲を俺と一緒に演奏するってなったら、もっと視野を広げている気がするよね。

和田:そうそう。タイジさんと一緒にやった「FEVER」がすごく良くて。それに馴染んじゃうと、自分たちのバージョンに戻ったときに、物足りない感じがしちゃうんですよね。そういう違う血が入ることで、それまでにない解釈ができたり、実際に取り入れられるしね。

タイジ:俺も唱がチョイスしてる楽器も機材良いなと思うし、だからこそ取り入れ合えたりできるんだろうから、お互いがすごく理解しやすいところにいるんだなと思うよ。

ー現段階(2015.12.03)で発表となっている、来年2月におこなわれる「シアターブルック×TRICERATOPS」ですが、前回の2マンでは”THE SOLAR BUDOKAN”の冠があったわけですが、今回は純粋な2マンということですか?

タイジ:より、音楽的なイベントになるだろうね。

ー因みに、このイベント・タイトルは決まっているのでしょうか?

タイジ:タイトルね(笑)。

和田:どうしましょう?僕らの陽の部分を感じさせるものにしたいですよね。

タイジ:そうやな。明るく陽気な” Yin Yang”の”Yang”の部分ね。

和田:日本語でも良いですよね。

タイジ:…(考え込むタイジ)。それで今、出てきたのがアニマルズの「朝日のあたる家」とか?

和田:…メチャメチャかっこいいじゃないですか!アットホームな感じも出てるし、クアトロ自体が「家」な雰囲気もあるし。

タイジ:これ、曲は暗いよね(笑)。

和田:うん(笑)。でも、この曲をカバーするとかも出来そうだし。僕が「日本語が良いんじゃないですか」の次の瞬間にパッと出てきて、先輩、すごいですね(笑)。

タイジ:(「朝日のあたる家」を聴きながら)これさ、お互いに日本語の歌詞をつけても良いんじゃない?

和田:良いですね。訳じゃなくて、解釈でつけても良いですよね。

タイジ:タイトル、これでいけるか?

和田:変に◯◯◯◯って英語のタイトルをつけるよりも、絶対にカッコイイと思う。

タイジ:じゃあ決定で!早いなぁ(笑)。

ー(笑)。でも、この2バンドをあらわした言葉で、且つ和田さんも触れられていた「日本語」であるという部分がさすがですよね。

和田:完璧ですよ!僕も、このくらいスパン!と出したいものですね(笑)。

ドラム2台、ベース2本、ギター2本、鍵盤で同時に(タイジ)

ータイトルが決まったところで、イベントの中身にも触れさせていただきたいのですが、3部構成まではアナウンスされていて”シアターブルック”” TRICERATOPS””セッション”というイメージまでは持てるのですが。

和田:そうですね。お互いの楽曲を全員で演奏をしたり、今話していた「朝日のあたる家」もそうだし、他のカバー曲があっても良いと思うし。

タイジ:それもいいね。何やる?

和田:前にPaul McCartney & Wingsの「Silly Love Songs」をタイジさんと2人だけでやったこともありますし、そういうポップソングを演奏するのも意外性があって良いと思う。

和田:カッコイイと思う!オープニングに演奏したいですね。

タイジ:あー、いいね!

和田:これをカバーしてる人なんて、中々いないですよ。

タイジ:これも決まりやな(笑)。

ーこれ、お互いのバンドのセットリスト、決まる前ですよね(笑)?

タイジ:いや、これが盛り上がらんと(笑)。

ーそれぞれの活動についても触れたいのですが、まずTRICERATOPSは「SONGS FOR THE STARLIGHT」「Shout!」のリリースに、年内で「SHOUT TO THE STARLIGHT TOUR」が終了となりますが?

和田:放っておくと、またツアーになっちゃうので(笑)。僕としてはなるべく新しい曲作りをしたいんですけど、タイジさんはレコーディングって好きですか?

タイジ:好きっすよ。

和田:僕もね、スタジオで新曲を構築しているのが好きなんですよ。もちろん、ライブも好きだしライブ中心の活動になってますけど、なるだけ来年はスタジオ作業もしたい願望はありますね。

ータイジさんも和田さんも、ほぼ全ての楽曲の作詞作曲を担当されていますが、和田さんは曲を作るときは篭って作業されることが多いですか?例えば「ツアー中のホテルで作れます」っていう方もいますし。

和田:僕はできないですね。ツアー中にそんな余裕がないですし、やったことないですよ(笑)。

タイジ:でもさ、曲の断片とかが出てきて、何ヶ月後とかに「Bメロはあれが合うな」みたいなのない?

和田:僕ね、断片を録音しているものはあるんですけど、それ自体がどこにあるのかがわからない。

タイジ:(爆笑)。

和田:だから、忘れるような曲は「大したことなかったんだ」ってことにして、ポジティブに考えてます(笑)。

ーそのポジティブさがあったからこそ、「Shout!」が誕生したとも言えますし。

和田:これも依頼されたときはツアー中で、時間なくて「シンプルにしよう!」と思って、コードは4つしか使ってないんです。でも、コードを制限すると良いですね。

タイジ:メロディーが勝手に展開してくれるよね。

和田:そうなんです。結果、同じグルーヴの中で行けてノリやすいんですよね。これからは、どんどんコードを少なくして行こうって思ってます。

タイジ:名曲って、大体がそういう作りになってるしね。

ー「もう一度世界を変えるのさ」も「Shout!」も然り、シンプルなコード進行と直ぐに覚えられて歌えるメロディーという部分は、ベクトルが同じなのかなという印象がありますね。

和田:そうかもしれないですね。

タイジ:結局さ、名曲ってみんなが歌えるからなのであって、ここに来てその大事さがわかってきたところがあるよね。

 

ー一方のタイジさんは、シアターブルック・デビュー20周年ツアーの真っ最中で、年末のディナーショーも挟みつつ。

タイジ:加山雄三さんのね。

和田:あぁ、そういうことか!最近のシアターはそっちもやるんだと思った(笑)。

タイジ:シアターはやんないよ(笑)。それで、この前THE King ALL STARSで「徹子の部屋」にも出て、加山さんもそうだけど黒柳徹子さんも元気でさ。

和田:同じ年のオノ・ヨーコさんも元気ですよね。その世代の方々って、添加物のない自然食で育ってるから、基礎体力があるみたいですよ。

タイジ:やっぱ食物って大事だよねって、すごい話になってきたな(笑)。

ーシアターブルックの話だったんですけど(笑)。

タイジ:そうや(笑)。3月までツアーが続くし、そろそろTHE SOLAR BUDOKANを出前せなアカンなと思ってるんよ。九州でも俺の地元の徳島でも、地方に出前したいんよね。

和田:地方に出前するのは良いですね!武道館でまたやりたいし。

ー観たいですね!音楽や社会への向き合い方、その軸となる”陽”の要素まで、共通項が多い2人だからこそ、その実現確度も高そうですし。

タイジ:さっきの話だけど、「曲の断片を忘れたり失くす、それは大したことないからや」っていう考え方、ものすごく賛成なんよ。だって、俺も一緒なんだよね(笑)。

和田:(笑)。クアトロの2マンも、こういう2人だから実現したんだと思いますよ。


取材:2015.12.03
インタビュー・テキスト:Atsushi Tsuji
撮影:Hiromi Morimoto

ライヴ

タイトル:シアターブルック×TRICERATOPS “朝日のあたる家”
公演日:2016/2/5(金) OPEN/18:15 START/19:00
会場:渋谷CLUB QUATTRO
出演:シアターブルック、TRICERATOPS
前売:¥5000-(別途ドリンク代必要)
2015/12/12(土)プレイガイド一斉発売
eプラス
ぴあ
ローソンチケット:Lコード 76364
お問い合わせ:HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999(平日12:00~19:00)

【アーティスト情報】
シアターブルック
Official WEBhttp://www.theatrebrook.com/
Official Twitterhttps://twitter.com/_theatrebrook_
佐藤 タイジ(Vo. G) http://www.taijinho.com

TRICERATOPS
Official WEBhttp://triceratops.net/
Official Twitterhttps://twitter.com/TRICERA_BAND
和田 唱(Vo. G)https://twitter.com/sho_wada