J インタビューvol.41

通算10枚目となるアルバム『eternal flames』を提げて行われた「- Live On Instinct -」。ファイナル赤坂LITZ公演と最新ロングインタビューで構成されたライヴ&ドキュメント映像作品「CRAZY CRAZY V -The eternal flames-」がリリースされる。様々な節目の中で迎えた昨年の情熱が、余すことなく封じ込められている映像作品となり、それに込めた想いをJ自身に語ってもらった。

—「CRAZY CRAZY V -The eternal flames-」を観させていただくと、改めて昨年の濃密さや高い熱量が伺えますが、同じ年の時間軸には、LUNASEA25周年ツアーとLUNATIC FEST.が動いていたということからも、Jさん自身としても充実した年となったのでは?

J:結果的にね。本当に色んな節目が重なったし、俺自身に多くのことを問い掛けてくれた1年だったのかなって。LUNA SEAの25周年のタイミングに、すごいバンド達が俺たちの為にLUNATIC FEST.で集まってくれてさ。みんなも知っての通り、その25年間には一言では片付けられないドラマがあって、俺たちが歩んできた道に対する情熱みたいなものが、あの2日間にはギュウギュウに詰まってたと思うんだ。

—終幕を乗り越え、REBOOTを経て手にした景色は、メンバー5人がLUNA SEAに対して偽りのない情熱を燃やし続けてきたからだと思います。

J:そうだよね。もちろん、バンド自体が良い時も悪い時もあったわけでさ。そういう色んな時間を経て、嘘がない生き方をしてきた5人だからこそ、立たなくてはいけないあの場所が存在してくれたと思うんだ。25周年のツアーでも、常に満杯になった全国各地の会場で、みんながまた新しい刺激を与えてくれて、それを感じながらソロのレコーディングにも向かえたしね。当然、LUNA SEAと俺のソロは違う音楽なんだけど、LUNA SEAに立つべき場所があるように、そのメンバーの俺自身にも、10枚目のアルバムが向かう先に、強い音や響きがある場所が存在してると思ったんだよね。

—その場所が、まさに「CRAZY CRAZY V -The eternal flames-」へ収められていますよね。

J:そうだと思う。いちロッカーとしても、いちベーシストとしてもね。そんなことを考えさせてくれるタイミングが重なったっていうのは、不思議な1年間だったと思う。これまで「LUNA SEAとソロの違いは?」ってよく訊かれて、俺もそれに対していろいろ説明をしてきてたんだけど、明確に解ったことがあったんだ。それは全く”別”ではないんだってこと。

—区別することが、かえって嘘になる?

J:隔てることは全く必要ないんだってことだね。LUNE SEAでは、いちベーシストやコンポーザーとして走り続けている100%の俺がいる。ソロでは、ガキの頃から撃ち抜かれたサウンドやルーツをガソリンにして、走り続けている100%の俺がいる。それだけなんだ。それが自然であることをより理解した年だった。でも敢えて意地悪に言うんであれば、それぞれに浮き彫りなってくるものは、当然違いはあるよね(笑)。

—(笑)。それぞれに求める刺激や生み出される熱に違いがあるように、音を表現して浮き彫りになるものが同じだと、それもまた不自然になるからですよね。

J:どっちが良い・悪いの話じゃないし、どこまで両方を高ぶらせるかだからね。特にLUNA SEAは、5人のぶつかり合いで生まれるサウンドで、俺たち自身が想像もしないものを生み出すパワーがあることを楽しんでるはずだからね。そういう自由の中で、2つの翼を持ってやれていることは、すごく幸せなヤツなんだと思うよ。ただ、バンドでもソロでも、その中でやれているからには前提が変わってくるよね。

—その”前提”というのは?

J:ソロがただのエゴの為ではないってことだね。自分の世界を表現する為のソロ活動なわけじゃない?そこで得てきたものがバンドに戻ってきたときに、有効ではなかったりタフになってなかったりしたら、バンド自体の速度が変わってくるわけだから。そこには、課されてるものがあるし、あって欲しいしね。

—その前提がないと、LUNA SEAでもソロでも”立つべき場所”に立つ資格がないことを理解しているからなんでしょうね。

J:「なにそれ?」っていう状態じゃ、LUNA SEAもソロも成立しないと思うよ。

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