R2Y+J インタビューvol.45

2013年に結成された”R2Y+J(リリィ・ジョーカー)”。 A・O・I(Vocal & Guitar)が在籍していたSHAZNA、そしてLüna(Bass & Side Vocal)が在籍しているEins:Vierの名を遍く示していたならば、もしかしたらR2Y+Jは存在していなかったかもしれない。そう思わされる程の活動を3年もの間、あくまで自分たちのペース、世界観を乱さずに行ってきた。そんな彼らが、遂に1st full album「LIMIT CODE」をドロップする。彼らが拘ってきた楽曲、A・O・I / Lüna / T-Tの間に繋がれている、絶対的な”信頼”という絆。その全ての要素が、このアルバムに封じ込められている。R2Y+J結成からの全てを4パートに渡りお届けする。

—2人であのとき言ってたことをもう1回やろうよ

─今から3年前の2013年に、LünaさんA・O・Iさんと創作を開始されたとありますが、元々は以前のバンドで同じ事務所でしたし、接点はその頃からですか?

Lüna:そうです。同じ事務所にいたときに、当時のイベントなどの打ち上げで話をするようになって、音楽的な趣味とかも一緒で話が合ってバッチリみたいな(笑)。大きく括るとUKロックの音楽だったんですけど、会話で一番登場したのがPLACEBOでしたね。その頃は、僕がEins:VierでA・O・IくんはSHAZNAだったんですけど、2000年くらいの同じ時期に僕はEins:Vierが解散して、A・O・IくんはSHAZNAの活動がストップして、ちょうど2人ともフリーになったんです。実はそこで「だったら一緒に曲作りでもやってみようか?」って、スタジオに入っていたんです。

A・O・I:たまたま同じタイミングでしたね。

Lüna:2人きりでスタジオに篭ってやってたんですけど、色んなタイミングもあって、その時はうまく立ち上がらなかったんですけど、そういうことを経ているんです。

─全然知らなかったお話で驚きが大きいのですが、それは”ユニット”なのか”バンド”なのかといった形態よりも、まず音を出してみよう!みたいな?

Lüna:そう。ライブとかも決めていなかったし、終われば毎晩飲みに行こうみたいなね(笑)。

A・O・I:家が近かったんですよ。

Lüna:そうだったね。それで、立ち上がらなくなって会う機会も減って、お互いに音楽活動を続けていたのは知っていましたけど、かなりの月日が経っていました。で、あるときにA・O・Iくんがやってるバンドの主催イベントのお誘いを人づてにもらって。

A・O・I:当時、SHAZNAと並行してIZAMと人時くんをサポートにしていたalcali-5をやっていたんですけど、その主催イベントにLünaさんのバンド(unwas)を誘ってみようと思って。それが10年振り(笑)。

Lüna:「もちろん出るよ!」って。確か、渋谷La mamaだったんですけど、その日の打ち上げで楽しく飲んでて。ちょうど、そのとき出演したバンドはT-Tと組んでたんですけど、そのタイミングでギターを探してたんですよ。「これ、ダメ元でA・O・Iくんに手伝ってって頼んでみようか?」って。で、お願いしたら快く承諾してくれて。

A・O・I:「ライブが近々あるから、観に来て」ってお話をもらって、確か新宿MARSに行って。

T-T:僕はそのタイミングで、初めてA・O・Iさんとお会いして。

─もちろん、R2Y+Jではないにしろ、この3人での音出し自体はその時のバンドでもあったんですね。

Lüna:そうです。A・O・Iくんと音楽的な趣味が近いのは元から知っていたんで、バンドのサポートをしてもらうにはバッチリだったし。ただ、そのバンド自体はうまく行かなくなって、だったら「2人であのとき言ってたことをもう1回やろうよ」ってことを言ったのが、2013年。

─そのタイミングでは、まだT-Tさんを誘っていなかったんですか?

Lüna:2000年のときと一緒で、最初は「曲を作ってみよう」だったので。で、進めていくうちにA・O・Iくんも気に入ってくれてた、T-Tも仲間にしようということに。

─単純な質問なのですが、LünaさんもA・O・Iさんも、これまでの経歴から鑑みてもメインコンポーザー同士だと思うんです。その2人が生み出す楽曲には、お互いのどういったケミストリーを感じていらっしゃるのでしょうか?

A・O・I:というよりも、簡単に言えば原始的な方法ができることですね。原曲を僕が持ち込んで、リズム隊に関してはLünaさんが主体となって、上物に関しては僕が主体となって、スタジオでセッションしながら作るのが基本です。だから、デモ・テープをお互いに持ち寄って、曲作りをしていくスタイルを取っていないんですよ。それこそ、スタジオにあるホワイトボードにコードやメロディのアイディアがあったら書くだけで、リズムとかは書いていないし、ジャムりながらですね。

─なるほど。”バンドの基本”をやれる3人とも言えますよね。

A・O・I:そう。

Lüna:1個のきっかけがあったら、それにみんなでバッと広げていく感じ。それこそ、サビから始める曲もあれば、曲のオープニングだけのイメージから広げることもあるし、どれを掴んでいくかで全然違います。

T-T:僕なんかは、曲自体をスタジオの当日に聴くんで、そこに乗っかってリズムを入れていってますしね。

Lüna:そうやってると、”きた!”って閃きが舞い降りて(笑)、ドラム・パターンはこうしてっていう、1つのきっかけになったりね。

─その一瞬一瞬の反応で構築することは、始めたばかりのバンドでは大変なのかな?と思ってしまうのですが。

A・O・I:最初に考えていたコード進行でさえ変えますし、それこそ最初につけたメロディーも変えるんで、臨機応変に(笑)。みんなでやってて、光るものがあればそれを捕まえて作っていくし、煮詰まったら寝かしておく。

Lüna:実はA・O・Iくんが持ってきてくれる曲は、不思議なくらい自分の中にすっと入ってくるんですよ。「こんなんやりたくないな」っていうのが、今まで1つもなかった。色んなバラエティの曲を持ってきてくれるし、そのどれをも広げていきたくなるんです。そうしてると、最初の頃は僕からもネタを持っていっていたんですけど、もうお任せでいいかなって(笑)。だから、今は広げる方が楽しいですね。

─”表現者”という意味では、互いのエゴや顕示欲が出ていてもおかしくないのかなと思うんですけど、そこまでお互いがお互いを尊重できているのは何故なのでしょうか?

A・O・I:2000年当時、僕がLünaさんとやりたかった理由でもあるんですけど、ライブで弾いているLünaさんがカッコイイ。加えて、何を弾いてもLünaさんっていう芯がブレない。そのテイストが、自分の曲とマッチするイメージがあって。それを成立させるには、お互いのキャッチボールはありますけど、いかに”LünaさんがLünaさんとして向き合ってもらえるか”っていうのがありますね。もう1つは、Lünaさんが僕以上に俯瞰で全体を見れる人だというのがわかっているんです。曲自体もそうだし、アルバム・バンド全体まで、色んな角度から見たときに、納得できるポイントを見つけてくれるという信頼があるので、基本的に任せられるのがありますね。

─各メンバーが、バンドに対して真っ直ぐに向き合えば、良いものができるという確信があるからなんでしょうね。

A・O・I:そうですね。納得ができるカッコイイものをとにかく作りたい、良いものをみんなに聴かせたいっていう気持ちが強いんです。なので、もっとノリの良いアップ・テンポな曲やライブで盛り上がれる曲って、これまでのバンド経験を考えてもあったら楽だなとか思いますけど…多分、そのうちできると思います(笑)。

一同:(爆笑)。

A・O・I:みんなで”コールアンドレスポンス”できるとかね。煽れる曲とかって、嫌いじゃない筈なんですけどね(笑)、自然にできると思います。

Lüna:多分ね、無理やりそういう曲を作ると、ガッカリするパターンはよくあるので(笑)。各自違うかもしれないけど、そもそも僕の中で”盛り上げよう”というのがないんです。そういう要素があった方な人間ですけど、今は自分自身が盛り上がりたい要素の方が強いから。きっとその辺は、A・O・Iくんがやってくれるかな(笑)。もちろん、それに乗っかったりもするけど、自分から”来い来い!”って感じではないですね。

T-T:A・O・Iさんが言ったみたいに、今は盛り上げる曲という要素はないですけど、自分的にもライブで気持ち良く叩けて、それがお客さんにも伝わっていたら良いかなとは思いますけどね。もちろん、そういう曲もあったらあったで良いかもしれないですけど。

A・O・I:T-Tには煽ってもらいたいって思うんだけど。僕が歌いながら弾いているので、ライブ中は表現することで精一杯なんですよね。だからドラム・ソロじゃないですけど、ブリッジの部分でお客さんを煽るようなパフォーマンスをね。そういった意味では、本当だったら1番オーディエンスに近いところにいるかなと。僕がそういうことをしたりしても良いんだろうけど、突然それをやってしまうと、歌と曲があまりにも繋がってこないというか(笑)。

Lüna:お客さんを盛り上げることプラス、A・O・Iくんからの指令は、もっと自分をアピールして、3ピースの三角形で埋もれるなよっていう。

T-T:現在アピール中です(笑)。

Lüna:1ステージ、フルフェイスのヘルメットを被ってな(笑)。

─(笑)。それってアイコンタクトできてます?

Lüna:アイコンタクトがないです(笑)。頷きとか?

T-T:こっちからは見えてるんですよ(笑)。

A・O・I:目を合わせたくない(笑)?

T-T:いえいえ、合わせたいんですよ!元々は1st Maxi Single「LOST/SONIC WAVE/ANSWER」のジャケットで被ってたのが最初ですけど、初期の頃のライブはそのまま被ってたんです。

A・O・I:当初、スペイシーな感じを出したくて。”宇宙服を着る”っていうアイディアもあったりしましたし。T-Tくんに、バンドのアイコンじゃないですけど”被ったらカッコイイ”って盛り上がって。しかも「被っていても叩ける」と言っていただいたんで(笑)。実際にスタジオでやったら、カッコ良かったんですよ(笑)。

T-T:頭がグラン・グランでしたけどね(笑)。

A・O・I:「LOST」のミュージックビデオもT-Tくんをフィーチャーしていて、カッコ良くてうまいんです。

T-T:実は水も飲めないし、汗も拭けないんですけどね(笑)。

A・O・I:最近は被ってないよね?

T-T:今はサングラスで落ち着いてますね。このミュージックビデオを撮るとき、Lünaさんと一緒にヘルメットを買いに行ったんですけど、最初は透明だったんですよ。それをスプレーで黒く塗ってるんで、何も見えてないんです。

─“スペイシーさ”というアイディアの結晶ですよ(笑)。因みにR2Y+Jというバンド名自体や表記にも、そういった要素を含んでいるのでしょうか?

A・O・I:このアルファベットをチョイスした意味はあるんですけど、現状はシークレットです。まあ、字面としての” R2Y+J”って、単純にカッコイイなっていう。そこから、それをどういう風に読ませようかっていうのは後から付けました。

Lüna:1個だけ、A・O・Iくんと2000年くらいにやろうとしていたユニットの名前は、◯◯ジョーカーにしようと言っていたんです。”R2Y+J”を考えたときは、全く意識をしていなかったんですけど、最後がJになったとき“ジョーカーじゃん!”っていう。

─繋がりますね。3人で集まったタイミングで、その表記や読みが決まっていったと。

Lüna:それがですね、ある事情で主催イベントをやらなくてはいけなくなってしまって。

─1st LIVE「R2Y+J主催EVENT R2Y’s Park area 0.0〜破壊の迷宮〜」ですね。

A・O・I:そうです。2013年の春に「スタジオに入ってみよう」っていうところから始まったんですけど、その年の7月5日に、知り合いのイベントからお誘いがあったんですよ。最初は「試しにやってみようか?」っていう。そういうことがあると、バンド名も決めないといけないですし、制作スピードもアップするし(笑)。期限がないと、いつまでもやっちゃうしね (笑)。それに合わせて、僕は当初ギターのつもりだったんで、ヴォーカルをどうしようとか曲をどうしようとか考えていたら、そのイベント主催のバンドが飛んじゃったんですよ。そしたら、そのライブハウスの担当の方から「主催でやりませんか?」という話になってしまい(笑)。でもやってみようかなって。

Lüna:しかも、そのときはA・O・Iくんが歌うことさえも決まっていなかったんです。

A・O・I:元々は、曲の土台はこの3人がいればカッコイイものが作れるのは分かっていたんで、漠然とですけど後からヴォーカルを入れるつもりだったので。でも、イベントが決まっちゃったから…。

Lüna:その日は、ゲスト・ヴォーカルという形で、何人かに歌ってもらって。もちろん、A・O・Iくんも歌って。

─A・O・I UNPLUGGEDの活動もあったので、逆にA・O・Iさんが歌うことを予定されていなかったのは意外でした。

A・O・I:バンドで歌いたい気持ちはあったんですけど、ヴォーカルを入れるということが、新しい出会いを産むことでもあるし、チャンスでもあるんですよ。自分で言うと、ギターに専念することは、1つのパターンでもあるし。ただ、2000年にLünaさんとやろうとしていたときは、自分が歌うつもりでいたんです。その感覚があったんで、歌えるタイミングがあればなと精進していて(笑)。

Lüna:(笑)。イベントのゲスト・ヴォーカルのために、オリジナルをやるわけなんでデモ・テープを作らないとダメでしょ?その仮歌をA・O・Iくんが歌って、仕上がったものを俺とT-Tで聴いたんですけど”これ、メッチャカッコ良くね?”って。「だったら、A・O・Iくんにやってもらおうよ」っていう話をしたら、A・O・Iくんも歌いたいって言ってくれて、それでバッチリじゃんていう。イベント自体は、色んな人にお願いしたあとだったんで、それはお祭り的に出ていただいたんですけど、俺たちの中では、そのタイミングで”3ピースでやっていこう”というのは固まりましたね。

—「LIMIT CODE」を作るにはこの3年が必要だった

─結成から1st LIVE「R2Y+J主催EVENT R2Y’s Park area 0.0〜破壊の迷宮〜」まで約4ヶ月、その僅かな期間にどのくらいの楽曲を生み出されたのですか?

A・O・I:6曲くらいですね。ただ、「LOST/SONIC WAVE/ANSWER」のときまでは、自分のギターとヴォーカルのダビング量も多かったり、現在のR2Y+Jスタイルに辿り着いていないんですよ。イベントやレコーディングを重ねる毎に音数が減ってきて、それによってスタジオでのセッションも充実して。まだまだ進化をしている最中だと思うんですが、要はライブで3ピースをやったことがなかったら、正解が良く解らなかったんです。自分のヴォーカルギターと言うスタイルをどうバンドに落とし込んでバランスを取るかに、いまいちしっくりとしていない部分もあったし。それがだんだん見えてきた結果、音数が減ってくる(笑)。

─単純に言うと、R2Y+Jとしてのスタイルに自信がついてきたんでしょうね。

A・O・I:そうですね。このバンドと自分のスタイルにね。あとは”スペイシーなものをやりたい”ということもずっと繋がっていて。それはギターの音作りが1番なんですけど、自分のギターの音色一発で、バンド全体をまとめられれば、リズム隊のベースとドラムにグルーヴを任せ、楽曲の持つ世界を表現できるというね。

─特に「CRAWLER/TWILIGHT/UNIVERSE」では、その要素が垣間見れています。

A・O・I:やっとそういう感じになりましたね。今回の「LIMIT CODE」で、更に4曲を録音したんですけど、それを上回るくらいダビングをしなかったんです。もしかしたらその反動で、次のレコーディングですごいダビングをするかもしれないですけど(笑)。

─“足りない”という観点からの足し算よりも、”要らない”という肯定的な引き算というのは、3ピースだからこそなのでしょうか?

A・O・I:昔もそうでしたけど、やっぱり最初は見えていない怖さから、どんどん音を詰め込んでいくんですよね。極端に減らしたとしても、最終的なマスタリングにならないと、まとまり方や聴き応えまでわからないですし。試しながらですけど、削ぎ落とすことが表現に繋がるように、形にしていきましたね。

─A・O・Iさんは”怖い”という表現をされましたが、音の武装を取っ払うことで、ある意味、裸の勝負ができるということでもありますよね。

Lüna:最初の頃は、ライブでもマニピュレーターの人がいたりとか、途中でサポート・ギターを入れたりとかしていたんですけど、あるときから”3人でできるじゃん”っていう感じ。それはA・O・Iくんが言ったことが1番大きいんだけど、サポート・ギターをなくすことで空間ができるから、自由にリズム隊だけでグルーヴを出せるようになる。同期を効かしてたけど、今や残骸のように(笑)、殆ど残ってないんで。そこに辿り着くまでのライブであったし、音源の方でも同じようなラインで辿ってきて、それが今のR2Y+Jなんですよね。

─メインの活動がライブである以上、そこでの気づきが自ずとレコーディングでも反映されるでしょうし。

Lüna:そうなんですけど、初期の頃はそんなにライブをやらず、3ヶ月に1度の主催イベントをやるっていうペースを頑なに守っていて。それ以外のお誘いもいただいていたんですけど、全部お断りしていて。その代わり、その3ヶ月分を1本に凝縮することで、次の3ヶ月後まで充電もしつつ、楽曲にも凝縮していけてたと思うし。

─その頑なに自分たちのペースを保っていたのは、R2Y+Jとしてのブレない表現の土台は、そうまでしないと構築できなかったからでしょうか?

Lüna:ホントはね、初めの勢いをつけるためにもライブをやりたかった面もあるんですけど、ライブをこなしていくことを優先させてしまうと、表現の純度が薄れてしまっていた気もするし。そうではない、ガッツリ固めたものをコンセプトとして表現していくことは、ガマンも強いられましたけど(笑)、今となっては大きかったなと思いますね。A・O・Iくんも言っている通り、「CRAWLER/TWILIGHT/UNIVERSE」辺りからスタイルが確立されて、自分らでもその頑なに守ったペースを崩して、ライブの本数自体も増やしていきましたね。対外試合じゃないですけど、人のイベントに参加したりしても、自分たちを表現できるところまで行けた感じがあって。T-Tくんは、3ヶ月に1回のペースでも必死でしたけど(笑)。

T-T:やることが多かったんですよ(笑)。当時は同期モノを使っていたので、それ自体に慣れてもいなかった中で準備をしていたので、頭の中はいっぱいいっぱいでしたね。

A・O・I:拡声器にも色を塗ったりね(笑)。

T-T:(笑)。モチーフで拡声器を使っていたんですけど、ライブの前日に塗ったりとかもしてましたね。

A・O・I:美術だよね。

Lüna:3人で衣装を探しに行ったりとか、腕章を作ろうって生地を探してきたり。

A・O・I:その腕章、僕が作ったんですけど、今でも使ってますよ。

Lüna:土台作りには必要な時期ですね。そういうことも含めて「LIMIT CODE」を作るにはこの3年が必要だったんだろうなと。

─見る人からすれば「そこまでやるの?」っていうくらい、メンバーでの行動が実直ですけど(笑)。

Lüna:思いついたことは、限りなく実現しようって。

A・O・I:誰かが思いついたことは断れないっていうね(笑)。

T-T:アイディアは大体2人からなんですけど、「やって」って言われたら断れないじゃないですか(笑)。もちろん、そのアイディア自体は面白いし、やってみたいって思うから、僕も楽しんでやっていますけどね。

─R2Y+Jとして、その3年もの経験があった上で「LIMIT CODE」の完成となったわけですが、対外的に見られれば「やっとファースト・アルバムなの?」っていう見方もあったと思うんですよ。でも、このお話を伺うことで納得もあれば、その理由が浮き彫りにもなりました。

Lüna:そうかもしれないですね。例えばこれまでリリース的には3枚出してきましたけど、プロモーションを殆どしてこなくて。”SHAZANA”って言ったりとかね(笑)。そういうのよりも、自分らを固めておかないといけなかったし。それが今、どこへ出ても自信が持てているから、こうやって話ができていると思います。

─1曲目の「BELEAVE」に、そういった今のR2Y+Jが詰め込まれている気がしました。

A・O・I:今回のアルバムの中で「BELEAVE」がバンドの中でも新しい曲にあたるんですけど、スタジオで鳴らしたときに、すごく”香った”んですよね。「TWLIGHT」や「LOST」のような、ドレミの3コードでマイナー曲ってこれまでにもたくさんやってるし、「BELEAVE」のコードの展開も浮遊感のあるスタンダードな入り口ですけど、雰囲気があるというか。

─言ってしまえば、見たことがあるコード進行なんていくらでもあるわけですし、寧ろそれをR2Y+Jで試したときにどういう表現が成せるかの方が大事ですよね。

A・O・I:そうですね。単純な3コードの展開で一斉にやれば、すぐに出来上がるけど面白くないし。”もっと違うことができるんじゃないか”って、試したくもなるし、「BELEAVE」を提案したときも”これならLünaさん大丈夫だな”みたいな(笑)、そういう感覚がありましたね。ただ、そういった曲の方がまとまりづらい。逆にすぐに出来てしまう曲は、そこから一度壊す作業が入るので、それはそれで時間が掛かります。

─そうやって作り上げられた「BELEAVE」が、バンドとしても新しい曲であるとのことですが、アルバムのオープニングを担うことになったのは、ある種、R2Y+Jの現在進行形を入り口としたかったからですか?

Lüna:「BELEAVE」はね、A・O・Iくんが言う通り匂いもあって、今の自分ららしい曲だから、アルバムのオープニングかラストにしようって思ってて。曲順自体、すごく考えたし悩んだんですけど、「SONIC WAVE」で締めるとなった瞬間に、1曲目ではまりましたね。ライブでも、「BELEAVE」がオープニングのときとエンディングのときがあって、どっちも受け持ってくれる曲ではあるんですね。

A・O・I:Lünaさんが良く言うんですけど”「BELEAVE」はキャッチーな曲ではなくて重い曲だ”って。自分としては、キャッチーな曲だと思っていたんですけど、それをキャッチーか否かという議論がありまして(笑)。

Lüna:(笑)。なんかの取材のときにも「すごくキャッチーですよ」って言われたんですよ。「そうですか?」みたいな感じで、サウンドだけで見たら決して軽くないし、寧ろ重いと思っていたんです。僕らリズム隊って、結構好き勝手にやってるんですけど、そうすると変なマニアックな方向に行っちゃったりとか、とんでもない暗い曲ができたりとかするんです。

─良し悪しは別にして、自己完結の音楽というか。

Lüna:世の中には、ミュージシャンの自己満足だけの音楽というのもあって、それはそれで良いんですけど、僕らはそれをやりたいわけではないので。だからといって、ただわかりやすいことだけやりたいわけでもないし、すごく閃いたことをやりたいんです。そういう重い方向や複雑な方向に行ったりしたものに、A・O・Iくんのキャッチーな旋律で包んでくれることで、全曲が聴きやすくなって、触りのいい曲に仕上がる。でも、その土台の中の部分は、全然わかりやすくなかったりするんで、さっきの「LOST」とかも僕の中ではリズムとか普通ではないと思ってるし(笑)。

T-T:ひたすらタムまわしをしてますからね。

Lüna:僕らはキャッチーっていう言葉自体は嫌いじゃないし、そういうわかりやすいものとマニアックなもののバランスがすごく良いのが「BELEAVE」だと思います。好き勝手やっても、A・O・Iくんまとめてくれる信頼感があるし、実際の仕上がりを見てもそうですし。

A・O・I:「CRAWLER/TWILIGHT/UNIVERSE」を出したときに大阪・名古屋と短いツアーをやったんですけど、そのツアーの1曲目を担ってくれていましたし、曲の頑張りが大きかったですね。Lünaさんは「あんな重い曲で始まったら、アルバム全曲を聴いてくれないんじゃないか?」って言っていましたけど、ライブを観に来てくれる方たちから”「BELEAVE」はキャッチーだ”というの話も聞きつつ。その前までは、オープニングはマキシとは変えた「VIBES」が1曲目っていう大筋があったくらいなんですけどね。

─収録される楽曲が同じだとしても、アルバムの表情や聴き方がガラリとかわりそうですよね。そこで「BELEAVE」のキャッチーか否かについては、伺った通りですが、オープニングの必然性はあるように思えます。「VIBES」だったとしたら、疾走感からのイメージでアルバムを聴こうとしてしまいそうですし。

Lüna:そうですね。最初の「VIBES」は、サビがなくてただのイケイケで激しい感じだったんですけど、A・O・Iくんがサビを付けてくれて、一気に広がったんですよね。

A・O・I:1st LIVE「R2Y+J主催EVENT R2Y’s Park area 0.0〜破壊の迷宮〜」のときのオープニングで、インスト的なものが欲しいというところから始まったんですけど、Lünaさんのベースのリフから膨らませていって、そのときはゲスト・ヴォーカルが歌っていたんですけど、そこからでしたね。

─1曲1曲で聴いてしまうと、良い意味で表情がバラバラだから、ライブの構成を考える上で、楽曲の役割みたいなものが自ずと決まっていくのかなという気もするのですが。

Lüna:決まった役割もあるけど、あんまり決まり過ぎるとやるのがイヤになったりもするし(笑)。例えば、イベントのセットリストは毎回変えていましたし。ただ、ライブの1曲目は重要で、「BELEAVE」と決めたら、納得するまで暫くの間は変えないですね。それをやりつくしたら違う曲になるし、今は「VIBES」を1曲目にしていて極めようとしていますね。

A・O・I:そういう執着はありますね。ライブによって演奏時間も変わるので、Lünaさんが言ったように、出だしを極めるまで変えない分、あとの曲の構成にかなりの時間を費やしますね。

Lüna:だからライブ1本に対してのリハーサルも多いんですよ(笑)。個人的には、体にちゃんと入っていないと考えながらライブをしてしまうので、それを避けたいんですよね。細かい曲間のタイミングまでも含めて、無心とまでいかなくても体に入れておきたいんです。そこまでやると、新鮮じゃないって思う人もいるかもしれないですけど、僕は馴染まないとやれないので、みんなに付き合ってもらって(笑)。

A・O・I:僕もそっち派なんで (笑)。決めないでやるのも確かに楽しいですけど、R2Y+Jの現場はそうじゃないんです。同期もないですし、ライブで更なる表現をする為の”自由”で壊すには、最低限決めた土台が必要なんですよね。これまで色々と経験してきたからこそ、ある程度の自由度を削ぎ落としていた方が楽しめるし、本番中に自由なだけではダメというか物足りないということなんですよね。

─最初に3ヶ月に1回だけライブをやるということにも繋がっていますよね。

A・O・I:勢いだけでやると擦り切れることを知っていますからね。やることに意義があるというよりは、何をやるかの方が大事なんです。

—僕らの思っているR2Y+Jはこれ

─ライブを中心とした活動の中、音源で表現するR2Y+Jには魅せる表情に違いはあるのでしょうか?

Lüna:新曲を初めてライブでやった後、スタジオでアレンジを練り直して次のライブってなるんだけど、そのライブとスタジオで進化させたものが、最終的に音源となって今回のアルバムとなっていますね。逆に言えば、これが各楽曲の最終形でもあるから、ここから変えることはないですね。

A・O・I:あるとすれば、Lünaさんがさっき言ったように、ライブの曲間が大事なので「BELEAVE」や「VIBES」のオープニングには、色んなバリエーションがあるんですよ。もちろん、曲自体が始まってしまえば、その曲のストーリーですけど、それまでの時間に変化をつけていて、アルバムに収録した「BELEAVE」は3パターンあるうちの1つを収めています。

Lüna:「VIBES」も初期のオープニングだった頃と、今改めてオープニングでチャレンジしている始まりは全然違うものですね。

A・O・I:そういう違いを更に極めていきたいんですよね(笑)。さっきの土台の話じゃないですけど、そういった曲間でバンドの自由度や柔軟性が表現できるところでもあるんで、すごく楽しいんですよ。

─だからと言って、曲のテーマやバンドのコンセプトが変わることはないので、それを広げる要素が曲間にあるんでしょうね。

Lüna:ここ1年くらいの主催イベントだと、アンコール以外はほぼMCなしでやっているんですけど、そのくらい曲間の時間が重要になっているんですよね。

─それは、R2Y+Jを表現する上で”MCは不必要”ということですか?

A・O・I:今はそうですね。最近のスタイルでは、最初のバンド紹介とラスト前の挨拶くらいですけど、それ以外の曲間が無音ではなく、ずっと音が止まず続いているんです。そうなると、その音の中で話すテンションって大事じゃないですか(笑)。

─確かに(笑)。暗く話しても明るく話しても合わないとズレますね。

A・O・I:そういう工夫をするくらいだったら、音を工夫したいんですよね。映画のようにじゃないですけど、流れるように表現する方法として、音を止めないということで、今は模索をしている感じですね。

─このインタビューを配信するタイミングでは、既に終えた後となってしまいますが、「LIMIT CODE」発売記念ワンマンライブでも、それが垣間みれるわけですね。

A・O・I:そうです。しかも、新曲を加えるつもりなんですけど、このアルバムのライブというよりはこれをスタート・ラインとした、次のR2Y+Jへの第1歩のようなイメージです。かといって、イメージしているR2Y+Jの枠からは外れてはいませんが、面白い音を聴かせられると思っていますね。

─“「LIMIT CODE」発売記念”というタイトルに、勘違いをしてしまうところでした。アルバムのお披露目的な要素よりも、新曲を加えることで更に最新のR2Y+Jを披露する空間になると。

Lüna:最初、アルバムを構成するにあたって、これまでの音源9曲と新曲をいれて、要は全ての楽曲を収めようとしていたんですけど、あるときに”今出す必要のあるアルバムにしよう”という考えに変わって。もちろん、ライブでは全曲やったりしているので、”この曲は盛り上がる””この曲は気に入ってくれている”という側面もわかっているんです。それでも、その曲が自分たちの”今”っていう観点の軸でなかったら、収録から外そうというね。

─「LIMIT CODE」がよくある”ベスト・アルバム”的な要素も見られなければ、実際に視聴したときに繋がりを感じられるのは、こういったバンドの姿勢がセンターピンとして掲げられていたからなんですね。

Lüna:録音した時期がバラバラであっても、そう聴かせられるようにしたかったんです。だから、「LIMIT CODE」発売記念ワンマンライブでも、同じように今のR2Y+Jを見せたいんですよね。

A・O・I:因みにアンコールの鉄板曲も入れてないんで(笑)。それは、バンドが”次”に向かっているし、今までR2Y+Jを応援してくれた、ファンのみなさんへのプレゼントではないんですよね。だからと言って、今後その曲を演奏しないとかでもないですし、次の新譜に収録される可能性もゼロではないんです。

─ファンへの感謝がないわけではなく、今のR2Y+Jに嘘のない軸で届けることが「LIMIT CODE」に込められていると。

A・O・I:僕らの思っているR2Y+Jはこれだっていう、ただそれだけなんですよね。これまでのファン、これから出会えるであろうファンを見ていない訳ではないですし、新しいR2Y+Jを表現する10曲で、逆に分かち合いたいですよね。

─それが”R2Y+Jらしさ”でしょうし、今回のインタビューで伺っていても、それが自然だと感じられたので、ファンの方々はその意図を理解してくれているんだと思います。しかも” 新しいR2Y+Jを表現する10曲”と話された通り、「SONIC WAVE」が終わった後、すんなり「BELEAVE」に戻れたんです。

Lüna:それは狙ってた(笑)。

─これ、私はまんまとLünaさん意図通りになったんですね(笑)。

Lüna:この並びは、絶対もう1度聴きたくなるって言ってましたね。

T-T:言ってましたね。

A・O・I:Lünaさんの術中にハマりましたね(笑)。

Lüna:(笑)。さっき、A・O・Iくんが言ったように、未知なる人にR2Y+Jを知ってもらえるキッカケにしたいという思いが強かったし、その為には繰り返し聴いてもらえるアルバムにしたかったんです。実際に、その軸で曲目を絞り込むのは早かったんですけど、曲順だけ最後の最後まで悩んだくらいですね。

─アルバム・タイトルである「LIMIT CODE」は誰が持ち寄られたのですか?

Lüna:僕からです。A・O・Iくんも「LIMIT CODE」っていう曲を作ろうか?って言う勢いがあるくらい、1発で気に入ってくれて。

T-T:実は”◯◯ CODE”ってアイディアのとき、あんまりピンと来てなかったんですよ(笑)。でも”LIMIT”ってつけられたときに、バッチリって思いましたね。

A・O・I:「LIMIT CODE」って造語ではありますが、”限界の和音(共鳴)”っていう解釈をしていて。それは3人が戦っている調和であると思うんですよ。さっき、アルバムに含めなかった曲があることを話しましたけど、要するに次のR2Y+Jが見える10曲を選んだからこそであるんです。ちょうど、スタジオで新しい曲のセッションをしている途中なんですが、まさにこれまでになかったけど、R2Y+Jに合うものを入れていっている気がしているんです。

─それがR2Y+Jの進化であるとも言い換えられます。

A・O・I:そうですね。「LIMIT CODE」をスタートとするならば、より”バンド感”が強くなる進化をして行っている最中ですね。R2Y+Jらしい旋律はあるので、歌モノとして聴こうとすればそうなりますが、ミュージシャンや同じようなバンドマンが聴いたときに、より楽しくて自分たち自身も充実しているサウンドになっている気がしますので。

─ロック・バンドとして、と解釈しても良いのでしょうか?

A・O・I:アート・ロックって勝手に呼んでいるんですが、旋律があってキレイなんだけど、芸術性が高いと言うか。それでいて、そっちに転び過ぎないバランスをR2Y+Jは表現できるはずなので、そういう挑戦をしていきたいんです。

─その入り口を担った楽曲という点で、「LIMIT CODE」に収めた楽曲ではどれにあたりますか?

A・O・I:「BELEAVE」と「RAY」は、R2Y+Jの歴史上で新しい曲なので、そこにはヒントがあると思います。

Lüna:さっきの”ライブのMCをせずに音を途切れさせない”に繋がっていくんですけど、ライブも含めて”分かりやすいことを分かりやすく”表現することに、あんまり魅力を感じていなくて。経験値で言えば、僕もA・O・Iくんも分かりやすく盛り上げることって、簡単に出来てしまうんですよ。これまでに盛り上げる曲をやってきたし、盛り上げる空間を作ってきたから。ただ、R2Y+Jでもその空間にいるお客さんを同じようにしていくのはやりたくないし、それをするバンドじゃないんです。

─「BELEAVE」が1曲目であることも、まさにA・O・Iさんが仰ったヒントとなっています。

Lüna:アンコールの鉄板曲も入れてないしね(笑)。自分たちが理想とする表現やライブの空気感を作りたいし、それがバンドの武器にもなる。そうなると、ライブで盛り上がる曲を入れちゃうことは、武器を消してしまうことになるんです。

─R2Y+Jで見たい景色というのは、過去に見てきた景色を重ねたいわけでもなく、あくまで自分たちが未だ見ぬ景色を求めているからこそであって、それがR2Y+Jとしての存在意義みたいなものになっているんでしょうね。

Lüna:突き放すとこは突き放すし、盛り上げてあげないし(笑)。A・O・Iくんが言ったバランスの話に近いけど、そういった作り込んだ世界だけではなくて、そこに人間臭さがあったり、T-Tにはエモーショナルなドラムを叩けって言ってるしね。

A・O・I:今のLünaさんの話を聞いて思ったのが、分かりやすく導いてあげられていませんが、バンドが分かりやすいところに引っ張られそうになると排除していきつつ「分かりづらいけどカッコイイだろ!」っていうものを提示していきたいんだなと。

Lüna:僕らがこうしたいっていうことと関係なく、その日のライブを楽しみに来てくれる人にとって、もしかしたら戸惑いやギャップが多少あるかもしれないです。求められる楽しみと、僕らが求める楽しみに差がある可能性もありますし。ただ、それを楽しんでもらえるように、リードしてあげられる力量をつけなければいけないと思っていますね。

─それは、現段階でもステージで感じている空気感と、フロアでの空気感の差が生まれてしまっているのでしょうか?

Lüna:ライブを観に来てくれた方から客観的に言われたんですけど、R2Y+Jが作りたい空間とお客さんが求めている空間がズレてるんじゃないかって。そこではっきり言われたことで、改めて気づきましたし、尚更分かりやすいことを排除していくべきだと思いましたね。

─一瞬の盛り上がりで満足感を与えることより、音が止まないこともそうですけど、ライブ全体を通した時間軸でR2Y+Jの空間を味わってもらうことで、絶対的に得られる満足感にしたいと。

Lüna:それを目指しているし、それへの責任感もありますね。

─また一方で、初めてライブを観に来る人、初めて音源を聴く人にとっては、そういった色眼鏡もないわけで。私が”これがR2Y+Jです”と提示された「LIMIT CODE」にすんなり入り込めたように、スタート・ラインという言葉が示す通り、R2Y+Jの世界に引き込むパワーがアルバムに封じ込められていると思うんです。

Lüna:そうなって欲しいですね。もしかしたら、ずっと固まっていたものが「LIMIT CODE」を入り口に中和されていくかもしれないですし、ライブでも空気の流れが変わっていくキッカケになるかもしれないですね。

A・O・I:こうやって、皆さんが話していることを伺ってて、改めて今作っている新曲が良い感じになっていく気がしましたね(笑)。

Lüna:見えてきた(笑)?

A・O・I:期待していて欲しいって思いましたね。

—信頼し合っていることが大きい

─こうやって伺ってきた、これまでと、そして現在のR2Y+Jですが、絶えずキーワードとして浮かび上がってきた” これからのR2Y+J”について、メンバー全員で向かえていることが、未だ見ぬストーリーへの期待となっているんだろうなと思いました。

A・O・I:冗談みたいな話ですけど、単行本が発売されてこの続きはこの号で見れます!みたいなことなのかな(笑)。

T-T:確かに(笑)。

A・O・I:「LIMIT CODE」をR2Y+J presents -S.L.O.D.E CRACK- rev.02 R2+J 1st FULL ALBUM「LIMIT CODE」発売記念ワンマンライブで先行発売するんですけど、買ってくれた人はその続きをライブで観れるっていうことですね。

─その為の新曲も、今まさに用意されていますしね。

A・O・I:はい。次のR2Y+Jだからといって、原曲自体はガラリと変わっているわけではないんですけど、それをどう新しく仕上げるかが大事なんですよね。まだ現段階(2016.05.24)では、細かいフレーズまで決めていないんですけど、自信を持ってチャレンジしたいという気持ちです。今思ったんですけど、こうして話していると、自分たちの色々なことを改めて見つけ直せていたりもして、どこに向かいたいかがすごく明確にもなりましたね。

Lüna:それはあるね。言葉にすることで、より具体的に示せることも増えてくるし。

A・O・I:自分たちの音楽は、芸術の世界で言う”ずっと見つめることでその素晴らしさが見える”という感じのことを目指しているので。音楽のように実体の見えないものは、こちらからモチーフを提示できない以上は、その世界に浸ってもらうことで素晴らしさを見つけてもらうしかないからね。それって、すごく怖い部分もあるんですけど、今の僕らなら出来そうな気がしています。このモチベーションで新曲に向かえるからこそ、もう当時とは違ったアプローチで、詞・メロディ・ギターを新しく構築できるんで。

─“怖い”という表現をされましたが、1つの楽曲をBGMのように聴く人、繰り返し聴いて自分の想いを重ねる人、聴き手側にその世界の判断を委ねることについて、その怖さの1部なのでしょうか?それとも、その”新しさ”を受け入れられるかの部分でしょうか?

A・O・I:それで言うと、どの曲もそうなると思うんですよ。例えば”リリース”という言葉の通り、自分たちの手から離れた瞬間から、自分たちだけのものではなくなっているので、その聴き方は違いますとか、その詞の捉え方は違いますとかっていう風にはならないです。しかも、僕らの場合は音源よりもライブを重視しているので、そこで如何に表現するかでしかない以上、あくまで音源については、そのキッカケとなってくれたらと思っているので。言葉を変えれば、観て欲しい世界は音源ではなく、ライブだと思います。

Lüna:因みにその芸術性っていうのは、小難しいことではないですよ(笑)。僕とT-Tで、どれだけマニアックなことをやったとしても、A・O・Iくんの旋律がオブラートで包んでくれるからね。それはどの曲でもそうだし、A・O・Iくんが新曲に自信を持ってくれてるのも、R2Y+Jとして見出せている芸術性から外れていないからだよね。もし、そこから外れた曲が出来たとしたら、誰かがやりたくないって言う(笑)。

─(笑)。

Lüna:A・O・Iくんのイメージで曲を膨らましていってくれていて、そこに僕とT-Tが組み合わさることで、面白みとか芸術性って言われる部分になる。だから、コンセプトみたいなものを決めることもないし、出てきたものに対して閃くことができれば、更に広がっていくし、良い意味で壊したりもする。もし、壁にぶち当たったとしても、温めてチャレンジできるタイミングまで待つこともできるから。

─R2Y+Jとしての個の向き合い方が、その積み重ねで確立していったんでしょうね。

Lüna:きっと、発信側のスタンスやスタイルは変わらないと思います。それが自分たちが3年掛けて身につけた、曲の生み出し方だし武器だと思うから。

─自身らしさを失わずに、3人の集合体としていられることは、ある種の理想形でもありますよね。

Lüna:こんなストレスのないバンドで良いのでしょうか(笑)。

─(笑)。よく”ぶつかり合うことで生まれる~”という話もありますが?

Lüna:「バンドってもっとストレスあったよなあ」って、過去の自分を振り返っても思うんですけどね。もちろん、なんでもなあなあでやっているわけでもないですし、ちゃんと話し合いも確認作業もしているんですけどね。T-TはT-Tのこだわりを持ってやっているだろうし、それでも張り合いにはならないんですよね。

─意地の通し合いや、我の張り合いもないですか?

Lüna:そういうこととか、ずっと一緒にいる中で起こる人間関係のギスギスもなくてね。それでも、曲もライブも納得のいくクオリティでできているし。

A・O・I:もっと言うと、既に自分たちがライブで楽しめているから、やり合う必要がないんですよね。

Lüna:結局、自分たちが緊張感をもってライブを楽しむことをしていないと、ずっとバンドをやっている意味もなくなってしまうし、やり続けていることでもあるし。ここで啀み合ったり、毎日戦ったり張り合いながら3人でバンドをやっても楽しくない(笑)。

A・O・I:若いときはね、そういこともしていましたけど、R2Y+Jにはその必要がないですね。3人組ってそうなんでしょうか(笑)。

Lüna:信頼し合っていることが大きいんですよ。1番最初に話した、A・O・Iくんが曲のネタを持ってきてくれて、そこに細かい指示まであるとこっち側はストレスに感じてしまうだろうけど、ちゃんと任せてくれる。逆もそうで、A・O・Iくんが持ってきてくれる原曲を信頼しているし。T-Tくんがヘルメット被って叩くことも、受けとめてくれるし(笑)。

A・O・I:バンドを始めた頃なんて、ベースにもドラムにも「こういう風にやってよ」って、注文していましたからね(笑)。でも、今こうやって3ピースになると、自分のやらなければいけないことが多いし、それを充実させるだけで精一杯なんです。Lünaさんに「ベースをこうしてください」と言うよりは、そもそも自分がしっかりしていないと、R2Y+Jの音を作れない。

─A・O・Iさんの”3人組であるが故”に補足させていただくならば、きっと個人の責任範囲は明確であるけれど、その範囲が4人組に比べて遥かに広い。しかもR2Y+Jを表現するためには、それ相当の向き合いがないと成立しない。だから、Lünaさんが仰った”信頼”という武器が備わった。

A・O・I:そうですね。昔は自分のこともできていないのに、周りに言っていたとは思えない(笑)。

T-T:僕には「こう叩いて」っていうのもありますけどね(笑)。

A・O・I:アレンジの段階でね(笑)。ドラムは大事だからさ。

T-T:ドラムなので、Lünaさんから「ここはこう!」って言われたものを叩いて、それを聴いてみると、言われた理由もわかるし納得もできるですよ。だから、言われてイヤだってことではないです。

Lüna:「こうして!」って言ったあとに「手は2本しかないです」ってT-Tに言われたこともありましたけどね(笑)。

T-T:物理的にムリなことは言いましたね(笑)。

─現段階では、「dieS 11thTOUR -Do you like M.A.D middle age-」「アプレゲール presents 「ChouChou 01」」への出演も発表されていますが、こうやってお話を伺っていて、どうしても更なるライブの期待をしてしまうのですが。

A・O・I:ありますよ(笑)。

Lüna:具体的に夏以降のスケジュールを決めている最中なので、期待してもらって大丈夫です。1つだけ言っておく部分があるとすれば、「CRAWLER/TWILIGHT/UNIVERSE」をリリースしたタイミングから、ライブの本数を増やしたでしょ。だからといって、これからライブの本数を無闇に増やすことはしないです。正直、僕でもA・O・Iくんでもライブハウスにブッキングをお願いしたら、イベントを組んでくれると思うんですけど、そこにR2Y+Jの世界と混じり合えないイベントになるくらいなら、出ない方が良いと思っているので。もちろん、良い意味での対外試合として出演させていただくこともありますし、そこはセレクトとバランスだと思うので。

─逆に能動的に開催している主催イベントが、本数を増やすことで薄れていくならば、確かに無闇に増やす必要はないですね。

Lüna:もしかしたら「LIMIT CODE」を出した割に、ライブの本数が少ないって思う人がいるかもしれないけど、それは…ときが来れば(笑)。

A・O・I:待っていてくださいということで(笑)。

─わかりました。最後に、これを配信するタイミングでは既に終えてしまっていますが、R2Y+J presents -S.L.O.D.E CRACK- rev.02 R2+J 1st FULL ALBUM「LIMIT CODE」発売記念ワンマンライブへの意気込みを聞かせていただいて、実際に観に行った方への答え合わせができればと思います。

Lüna:初ワンマンなので、単純に今までで1番曲数も多いし時間も長いから、全てを出し尽くす日になると思います。現段階でセット・リストは確定ではないものの、何となく決めてるものはあって、それを眺めていても”未知な感じ”というのはないんですよね。何本かのイベントでやっていたセット・リストのパーツが、その日に組み合わさる感じ。各流れも把握できている分、新曲の部分だけが未知ではあるけど、自然な流れができそうなイメージは持てていますね。きっと、初ワンマンであはあるけど、良い意味でいつもの主催イベントと変わらずに魅せれると思うので、問題は俺の体力だけです。

A・O・I:おっと(笑)。

Lüna:気力でやりきります(笑)。

T-T:僕は必死にアピールしているところを見ていただければと。このお二方がどうしても目立つので(笑)、その後ろで一生懸命に叩いている筈ですから。

Lüna:魂のドラム・ソロがあるらしいので。

T-T:見せ場がありますよ。

A・O・I:今回は、R2Y+Jにある持ち曲を全て投下するのに加え、新曲があります。その日に「LIMIT CODE」が発売になりますが、聴いてから観るというよりは、まず観てもらえたらと。初めて観る方へもこれまでのファンの方へも、今1番新しいR2Y+Jとこれまでと変わらないR2Y+Jを見せられると思いますので。そして、アルバムのテンションもそうですけど、ライブでは白熱した感情の表現を僕たちは追求しているので、是非そこを感じ取ってもらいつつ、みなさんの心を動かしたいですね。是非、怖がらずに(笑) 受け止めに来てください。ライブで会いましょう。


取材:2016.05.24

インタビュー・テキスト:Atsushi Tsuji

リリース

01. BELEAVE
02. CRWLER
03. LOST
04. VIBES
05. TWIRIGHT
06. ETERNAL
07. UNIVERSE
08. RAY
09. LAST DANCE
10. SONIC WAVE
SLR-009 / ¥2,800(税別)Amazonより購入

ライヴ

dieS 11thTOUR -Do you like M.A.D middle age-
2016/06/25 (Sat) HEAVENS ROCK Kumagaya VJ-1

adv / 3,000 (+1d) door / 3,500 (+1d)
dieS / R2Y+J / …。「サイレンス」 R2Y+J Web Ticket予約
http://r2y-j.com/ticket.html
【入場順】
イープラス、バンド手売り並列入場 – バンド予約 – 当日券

アプレゲール presents 「ChouChou 01」
2016/07/03 (Sun) 高田馬場CLUB PHASE

adv / 3,240 (+1d) door / 3,780 (+1d)
出演:アネモネ / 犬神サアカス團 / the god and death stars / Der Zibet /R2Y+J / (50音順)
※出演者によるセッション有

※前売券入場者特典
「好き!」を語る エピソード付フォトカード(当日会場にて入場時にお渡し予定)
【入場順】
前売券 – 当日券

【アーティスト情報】
Web http://r2y-j.com/
Twitter https://twitter.com/R2YJofficial