T$UYO$HI (The BONEZ)インタビューvol.49

—色んな人と焚き火を囲んできた結果

—2016年のライブは「ポルノ超特急2016」が最後でしたっけ?

T$UYO$HI:そうですね。しかも前日の23日が「AIR JAM」だったんですけど、1番手だから朝の6時30分入りで(笑)。

—会社員の出勤時間より早い(笑)。

T$UYO$HI:Yahooドームで、朝9時から爆音でリハしました(笑)。んでAIR JAM終わって0時くらいまで会場で中打ちして、ホテルのロビーに5時30分集合して京都に移動っていう(笑)。俺は嫁さんと子供達も連れてったけど、頑張って起きてくれました。非常に良いライブだったっすね〜、2016年を締めくくるに相応しい2日間だったな。こうやって、直近のことは大丈夫なんだけど、1年くらいの時間感覚になると、全然わかんないんだよね。今日も、去年の1月4日にKの誕生日会でみんな集まってて、だけど俺はやることあるからそのまま帰ったっていうお客さんのリツイートを見て、「そう言えばその日、俺は家に帰ってアルバムの1曲目『To a person that may save someone』を完成させたんだ」って思い出したくらいで。

—前回のインタビューでも仰ってくれていましたね。しかも、それまでは最近YouTubeで映像配信もされた「Remember」がリードの予定でした。そういう事柄を改めて思い返すと「あれ?まだ1年前か」みたいな?

T$UYO$HI:そう。しかも、1月の頭に作った曲を3月にはリリースしてるって、ものすげースピード感だなって(笑)。アルバムに収録する最後の曲として、1曲目を作りたいから待っててって皆んなに言って。元旦にあのイントロの部分を作って、1月5日に完成させてすぐレコーディングしたのかな。何て言えばいいんだろう…「まだあれが1年前なの」っていう感じなくらい、2016年が充実しすぎていた。だけども、あっという間に感じたわけではなくて、色んなことがあり過ぎての「まだ1年前のことなんだ」ていう感じ。

—それはThe BONEZを軸としながらも、”T$UYO$HI”としての充実度が大きいんでしょうね。

T$UYO$HI:そうですね。石川剛としてチャレンジをしたし、その結果がとても充実してて。まあ、The BONEZのアルバム自体も、ここまでいっぱい曲を作ったことも無かったし、頑張ったかなって(笑)。映画のサントラもそうだし、洋服もそうだし、前からやりたいなって思っていたことを完成度は100%にはまだ行ってないとしても、去年は両方ともトライすることが出来たからね。

—偶然、2016年に重なったんですか?

T$UYO$HI:たまたま同じタイミングでしたね。「え、それ同時に出来んの?」って時期だったけど、取り敢えずやる(笑)。それでも、流れてしまったこともあって。洋服の撮影は、最初LAでやる予定でスケジュールを空けていたけど、サンプルが間に合わなくて行けなくなったんすよ。けれども、そこでLAに行ってたら、映画の曲を作るのもかなり厳しかったから、結果オーライだしタイミングは良かったのかな。そんな感じで何かしらはしてたから、暇だなぁってときがなかったね。

—制作したものが世に放たれるタイミングも良かったんでしょうね。

T$UYO$HI:確かに去年は水面下から出て、形になる活動が多かったね。作ったものがアルバムになって、それによりThe BONEZってものがみんなに観てもらえたし、フェスでも良いライブできた。洋服も形になったり、映画の公開は今年だけど、発表されるものが形になったから、すごくステップアップした気がするし。後厄だったんですけど(笑)、めちゃくちゃ充実してましたね。同級生のヤツらとか同い年のミュージシャンとかに「T$UYO$HI、厄払い行った?」「いや、俺いいや。自力で振り切る」って言って(笑)。

—振り切るって(笑)。行かなかったんですね。

T$UYO$HI:行かなかった。で、結果いい年だった(笑)。

—一昨年インタビューさせていただいたときから、ずっと言ってこられたことがもう具現化されたことは、やっぱりすごいですよ。

T$UYO$HI:言い続けてきたから出来たというのも、また違うんだけどね。やっぱり、それは何事も1人でできることではないから。今回の洋服にしても、映画音楽にしても、そういう人たちとの繋がりがあったからできることで。普段から顔を出したり遊んだりするような人たちから、そういう話が舞い込んでくることが多かった。だからと言って、決して仕事が欲しいからとか、そういうことを期待して付き合ってきたわけではないですけどね。あと、自信と過信は違うというか「俺は将来こうなるから」「小説家になって印税暮らしして」とか夢だけ語って行動しない、「アイツ、現実や足元が見えてねえなぁ」って野郎にはなりたくないです。ただ、言ったから叶うというわけではないですから。

—言ってしまえば、The BONEZもJESSEとの繋がりからとも捉えられます。きっと、今回はThe BONEZ以外でも、そういう繋がりから生まれたことが多かったんですね。

T$UYO$HI:全部のことがそうだと思う。人との関係性から出来たのであって、どっかの事務所に入ったから出来たとかじゃないしね。しかも、俺は実力でのし上がってきたタイプじゃないしさ。

—それはベーシスト・T$UYO$HIとして、ですか?

T$UYO$HI:例えばKenKenだったら、ベース一本担いでサムライ的にやってきたってタイプじゃない?俺はちょとそれとは違うかなと。

—でも、そこはT$UYO$HIさん在りきの話だと思いますし、術は違うんだけど行き先は自分のアイデンティティを持ってということだと思うんですけど。

T$UYO$HI:うーん、まぁそうね。俺は闘いに備えて、ひたすら”剣を磨いてきたタイプ”じゃなくて、人に会って生きてきた感じかな。家で剣を磨くんじゃなくて、色んな人と焚き火を囲んできた結果って感じ(笑)。

—別に刀持ってきてない訳じゃないんだけど(笑)。

T$UYO$HI:そうそうそう(笑)。だけど、テレビや映画のサントラも面白かったんですけど、唯一あれは1人でひたすら家でやってて。勿論、監督とのやりとりがある訳ですけど、マジで辛かった(笑)。ムチャクチャ胃が痛くなったし、監督からどういう反応が来るんだろうなって。だって、何日か掛けて作っ自分の作った曲が「イメージが違います」って、バッサリ終わっちゃうこともあるから。バンドの曲でもそうだけど、自分が良かれと思って作ってるじゃないですか。それを相手のフィルターが通って、OKが出ないといけないって経験は初めてだったから。そのときにどうしようって相談できるメンバーも、いない訳じゃないですか(笑)。こういうクライアントとの仕事やってる人はマジですごいなって思ったし、勉強にもなった分、早くバンドに戻りてぇってメチャ思った(笑)。

—絶妙なバランス感覚ってのを俺が大事にしてるとこ

—(笑)。自分の正解と依頼側の正解の差分みたいなモノを、最初から隔たりがなく進めるのも、それ相当なスキルが必要なんでしょうね。

T$UYO$HI:「これバッチリでしょ」って思った曲がダメになって、初めて「人とやるのはこういう事か」ってわかりましたねぇ。まあ、プロデュースの仕事をしてるJIN(ex. Pay money To my Pain)君とかには聞いてたんだけど、映像関係の仕事は大変だよってみんな言ってたから。自分が良いと思ったものがOKじゃなくて、相手の要望に応えて初めてOKっていうのは本当難しいなって。具体的なことでいうと、2月3日から公開された「咲-Saki-」って映画は女子高生が麻雀するお話なんですけど、麻雀シーンがメインになってくるんで、場面展開がほとんど無いんですね。だから音楽でメリハリをつけて欲しいっていう要望があって、最終的には割と生楽器というか、ストリングスピアノをメインで使った感じに仕上げたんですね。ただ、俺が最初にイメージしたのは、「LIAR GAME」ってドラマみたいな感じというか。DJ的じゃないけど、クラブとかだとテンポ感が一緒で、どんどん曲が繋がっていくじゃないですか。麻雀のバトルシーンで、まるでDJが曲を繋いでいってるかの如く、そういうアッパーな曲がどんどん展開したら面白いなって。

—ああ、BPM変わらないんだけど、転調してるみたいな。

T$UYO$HI:そうそうそう。そういう感じで映画館をクラブ化してしまえ!って。これはイケてるぞって思ったら、もう、全くのダメ出しをくらい「ええええー」って(笑)。自分が思っていた、最初の方向性で10曲くらい曲を付けたんですけど、全くダメになったときは頭が真っ白になりましたね。「これ…俺やれんの?どうする?俺」みたいな。「もう、辞めます」って言おうかって思ったくらいで。でも嫁さんに絶対にやった方がいいって言われて頑張りましたねー(笑)。それからいろんな映画やドラマをチェックして、こういう感じかな?とかやっていくうちに掴んでいって、自分にとってすごく良い経験でした。自分の作った音が映像にハマった瞬間はやっぱ面白いし「やっぱこれは辞められんな」って思いましたし、またやりたいですね。けど、そのときにメンバーが居るという心強さも改めて思い知らされて、ホント早く12月になって、The BONEZのライブが復活してくれって(笑)。

—血肉となる経験を得られた良さもあるけれど、加えてバンドへの枯渇が始まるという(笑)。

T$UYO$HI:そう。あくまで1人の石川剛として、違うことやるのも楽しいけど、やっぱり僕はバンドありきですね。

—因みに、監督がジャッジをしてくれる役割って、バンドのレコーディングでいうところのディレクターみたいな感覚なんですか?

T$UYO$HI:それでいうと、俺らというか、俺が関わってきたバンドって、レコード会社のディレクターに「ああしろ、こうしろ」とか言われた事が一切なくて。

—あ、そうなんですか?

T$UYO$HI:だから、そもそもダメ出しを食らうという経験がないんですよね。ほぼ自分で決断、OKというか。

—そうか、The BONEZにしても特にプロデューサー立てるとかじゃないですもんね。

T$UYO$HI:メンバー同士と、後はMOBY DICKの永野さんに聞いたりしますけど、誰かのOKが無いと進まないとか無いから。drug store cowboy、P.T.P.、The BONEZも常にセルフジャッジができてたから、ディレクター的な感覚っていうのもわかんないんだよね。

—そうか。でもそこはある種、バンドと一緒でコミュニケーションやフィーリングで解決していったりとか?

T$UYO$HI:だし「絶対に作った曲でねじ伏せてやる!」って思って(笑)。最終的には、監督が「今回の音楽は、正直かなり難しかったと思うけど、石川さんが頑張ってくれて、今回はすごく助かった」って言ってくれてたみたいで。それを聞いたときに「よっしゃー!」って(笑)。頑張って良かったと思いましたね。でも、ちょっとした続きがあって、映画の作業は11月で終わったのかな?で、12月に入って念願のプレステ4を買って「よし!ゲームタイムだ」みたいに思ってたら、AIR JAMの5日位前の夜中3:00に監督からメールが来てて、映画の公開前に「TVドラマ版のスピンオフ用のリスト」ってのが10曲くらい書いてあって(笑)、お願いしますと。

—逆にねじ伏せられそうに(笑)。

T$UYO$HI:もう完全に終わってリラックスしてたし、バンドモードに突入してたから。でも、そこで「え、できません」じゃなくて、俺は断らずにやっちゃうんですけど、そういうことの繰り返しで今があるんだと思うかな。今までこうやって来たから、何かのときに「T$UYO$HIくん」って声が掛けてもらえるのかな?とは思いますね。

—そこはもう、T$UYO$HIさんの生き方そのものじゃないですか。

T$UYO$HI:ホント、毎日が勉強なんです、人生は。1月に発表したUEGxP.T.P.のウインドランナーなんて、ハイストリートの海外ブランドなんで定価は高いんですけど、関税とか諸々あって、ぶっちゃけメンバーにはそんな利益も残らないんです。けど、海外ブランドとP.T.P.がコラボしたっていう形を残したかったのと、まぁ単純に自分も欲しかったからやってみた。でも、例えば今回のコラボにしても、関税だったり販売サイトのパーセンテージだったり、その仕組みに疑問を持ったり知っていくことも勉強なんですよ。言われるがまま「あ、そうなんだ」っていうのじゃなく、「なんでそうなんだろう?」というか。もっとインディペンデントな精神というか、「だったらこうやって販売した方が、メンバーも買ってくれる人にとってもプラスなんじゃないかな?」とかね。何か知らないで損するの凄く嫌っていう気持ちが、小さい頃から俺は強いかもしれない。自分がちょっとワンアクション動くことで、自分にとって何かがプラスに変わるのであれば、俺は面倒臭がらずに動くタイプですね。

—何事も、自分が納得や知識を持たないままっていうのがイヤだと。でも、それがあるから自信を持っていけると。

T$UYO$HI:うん。ただ、何でも知りたい訳じゃないというのが、俺のミソなんですけど。自分が関わることや興味あることは知りたいんだけど、社会常識とかはわかってない(笑)。

—(笑)。

T$UYO$HI:細かいことに俺は拘らないのかな、という気はする。完璧主義というか緻密なことに情熱を費やす人っていると思うんだけど、俺はそれとちょっと違うんですよね。例えば小さい頃はそうだったんですけど、絵を描くときにすごく細かい部分を描いて、最終的に全体が描けないとか。何か1つが飛び抜けているのは良いことですけど、それによって何処かがダメになるのは好まないというか。トータルバランスが良くて、全体にこだわるというか。

—大きなディティールに拘りを持ってるんじゃないですか?

T$UYO$HI:そう。今飲んでるコーヒーもそうだけど、◯◯産のコーヒーが良いって突き詰めはしないで、俺はコーヒーが飲みたいっていうざっくりした感じです。

—ベースならどうですか?

T$UYO$HI:ベースに至っても、俺はそうかもしれない。最近、Warwick系のベースが再び良いなと思ったりしてるんですけど、それは音だけじゃないんですよね。時代感というか、服装もセットでこういう物を持ちたいという気がしてます。

—そこが全体のディティールになるんですね。

T$UYO$HI:そうっすね。まあ、曲も勿論そうなんですけど、時代とセットで2017年の今、このベースを弾いたらカッコいいとか、こういう曲を今鳴らしたらカッコいいっていう。でも、それは「今」の話であって、95年は95年の話であって、去年だったらこれは微妙だけど、2017年だとなんかいいなとか。その感覚を俺は大事にしていきたい。同時にもう1本、揺るぐことがない絶対的に好きな音楽ってのも自分の中にズドーンとあるんだけど、そのMIX具合というか。常にそういった、うまく言葉にはできないけど、絶妙なバランス感覚ってのを俺が大事にしてるとこかな。

—「価値とか値段ってなんだろう」ってすごく思う

—時代性という言葉をT$UYO$HIさんは使ってくれたんですけど、キャッチ出来るから気付けるわけで、そういう変わり続けることへのカッコよさというのを持ち合わせていられるのは、T$UYO$HIさんが不変でいてくれるからこそだと思うし。

T$UYO$HI:うん。よくさ、例えば高価なバッグや洋服を「これは一生モノだから」みたいに自分に言いきかせて買うことってあるじゃないすか(笑)?でも、実際あんま一生着てる人も見たことねえなーというか(笑)。俺は、翌年には違うものが欲しくなるタイプというか。色んなものを着たいし、色んなものを見てみたいってのがあるから、今は一生俺はこのライダースしか着ないってタイプではないかな。まぁ「ライダース」って括りでいえば、CRIMIEの同じ物を6年くらい着てますけど、ダウンジャケットも着たいんです的な(笑)。

—(笑)。ライダース繋がりで、洋服のディレクションで参加された「MUSIC SAVED MY LIFE」は、T$UYO$HIさんの命名ですか?

T$UYO$HI:これはぶっちゃけた話をいうと、俺が付けた名前ではなくて。CRIMIEとコウちゃん(KOJI ( CHORD NUMBER EIGHT ディレクター / TEARS OF THE REBEL ))でコラボモノをやろうって企画から、「コラボする第1号はやっぱT$UYO$HIかなあ、やんない?」「やるやるやる」って。結果、俺も含めた3人で今後もやっていくことになったんだけど、今回はT$UYO$HI・エディションということで、俺が作りたい服を作った感じ。

—ブランド名というよりは、プロジェクト名に近い感じですね。

T$UYO$HI:そうそうそう。カプセルコレクションという感じで、「MUSIC SAVED MY LIFE」の今回はT$UYO$HIエディション。で、次はセカンドコレクションが出る予定だし、夏だったら色んなアーティストに声を掛けて、Katsuma(coldrain)、CRYSTAL LAKEのRyoやCrossfaithのTeruとか、色んなヤツがデザインしたTシャツを「MUSIC SAVED MY LIFE」で出すとかね、オモロイことをやりたい。

—因みにT$UYO$HIさんはThe BONEZでもGOODSで関わっていたと思うんですけど、違いってありました?

T$UYO$HI:圧倒的な違いが、ボディからいけるってことですね。こんなこと言うとあれなんだけど、無地が本当は1番好きだからなぁ(笑)。でも無地なんて作っても、バンドの物販で売れないでしょ?やっぱり俺はプリントよりも形とかシルエットが気になるから。The BONEZの物販ではボディから作るまでには至ってないんですけど、今回はカットソーとか自分で丈をもうちょっと長いのが良いとかできるのは楽しかった。と同時に、価格設定とか非常に難しくって。俺、男の服って高すぎると思うんだよね。そこもまた勉強だったんでけすど、「T$UYO$HI、これでこの値段で出そうと思ったら、大量に作らないといけないよ」とか。そうかこんな感じのものをH&Mでこの値段で出されちゃ、ブランドはたまんねえよって思うわなとか。

—ファストブランドとの闘いですよね。音楽でいう、メジャーとインディーみたいな相関性というか。

T$UYO$HI:だね。やっぱり曲と一緒で、自分の頭の中に「こういうのがいいな」ってあったものが形になったとき、おぉ!ってアガったし、と同時にだいぶ違うものもあった。実際にモノとして上がってくると、予想通りのものもあれば「あれ?何か違う、何が違うんだろう?」とか。それで今回は修正して、セカンド・サンプルまで作ったものもあるし。やっぱり俺の名前がついて出るものだから、もう1回サンプルを作るとお金掛かっちゃうけど、「いや、それ自分でお金払うから作りたいです」とか。

—更に言うと、届け方=売り方も初めての経験になりますよね?

T$UYO$HI:そう。俺はユーザー目線で”完全に俺が着たいもの”なんだけど、会社としては目線がまた違うんですよね。具体的に言うと「卸してるお店の人にひっかかる服をT$UYO$HIは作らないといけない」とか。「そうか、お客さんに届ける為には、まず卸すお店の人にキャッチされることを考えて作らなきゃいけないのか」っていうね。取引してるお店が食いついてこないことには、そこの先にいるユーザーには届かないっていう理論ですね。俺は今までバンドでやってきたから「ネットだったりで、直接売ればいいじゃん」って思ってたから。

—要は、自分のバンドのCDがCD屋さんにあるか、なくても通販で届くじゃん!みたいな?

T$UYO$HI:まぁそうっすね、ちょっと直接売りたい気持ちも出てきてるかなぁ。これまたインディペンデント的な。例えば、自分が作りたい曲・聴いて欲しい・カッコイイなという曲を作って、それを良いと思う人に届けたいんだけど、俺たちが売るのはお店になのか?というか…。だってね、定価3,000円のCDがあって、それを例えば1800円でお店に卸すのに、ファンの子はそれを3,000円で買うんでしょ。だったらそれをもっと定価安くして直接売れば良いじゃんって。そしたら両方嬉しいでしょ?あ、でもお店は悲しむなぁ(笑)。

—難しいですよね(笑)。ライブでも、イベンターさんにお願いすることと似てるのかなと。バンドで仕切れない宣伝を担ってくれるわけですし。

T$UYO$HI:そうそうそう。自分じゃできなことを誰かに頼んで、範囲を広げてもらうことは全然して欲しい。CDショップもそうだけど、そういうのはいいんすよ。ただ、やろうと思えば自分達でできることなのに、誰かに頼んで経費がかさむのは避けたいという感じですね。
そういうのもあって、最近は「価値とか値段ってなんだろう」ってすごく思うかな。昔、『いとしの未来ちゃん』っていうドラマがあって。ずっと先の未来でおばあちゃんが子供に過去の出来事として、ドラマが放送されてる現在から少し未来の話をする話なんですよ。そこに電子マネーの回があって、やがてお年玉も電子マネーでピッ、ピッってやってるみたいなね。で、泥棒はその電子マネーを盗むようになるんだけど、現ナマの香りがしないからつまらなくなっちゃう。で、泥棒は逆に現ナマを色んな人に配りまくって、「このお札の香りって懐かしいね」って、結局電子マネーが無くなったって話をすごく思い出すというか。俺もなんだかお金って怖いもん。

—Suicaもそうだし、ネットの買い物なんか使ってる感覚ないですもんね。

T$UYO$HI:ただボタンを押してるだけでね。例えば音楽を作るときの音源とかも、年末に半額セールとかやって、「今だと3万円です!」なんて。「こないだまで6万円だったし買っちゃおう。ポチッ」ってなるけど、お店にいってそれが3万で売ってて現金で払うんだったら躊躇するもんなぁ。そこで数字に「ポチッ」だと買っちゃうな、俺…みたいな(笑)。

—(笑)。しかも、それで得たものがソフトだと尚更ですよね。

T$UYO$HI:そう。しかも、音源とかダウンロードするだけだから。モノはこれからどんどん無くなっていくんだなって思いますけどね。

—それでも、ライブなんて形のあるものじゃないけど、何かをもらいにいく訳じゃないですか。

T$UYO$HI:二極化するんだろうね。自分が体感するものと、モノとしてじゃないと成立しないことと。

—The BONEZが進化したというよりは、深化。

—それこそ、この時代だからこそ、モノへの想いとか愛情とかが、中学生の頃に買ってたくらいの情熱じゃないと買わないかもしれないですね。「Pay money To my Pain COMPLETE BOX」がそのよい例で、それが全てではないにしろ、そういったモノへの愛情とバンドへの愛情から、デイリー1位っていう数字も残せたわけですし。

T$UYO$HI:まあ、ぶっちゃけ1位とかどうでもいいんですけどね、たったの一日だし。ただ、記録としての1位っていうのは、バンドにとってはたかだかな数字だけど、1位になった数字が嬉しいというよりかは、今でもそれだけP.T.P.を好きでいてくれる人がいてくれたことが嬉しい。今はApple Musicで全曲聴けるわけだから、曲を聴きたいだけじゃなく家に置いておきたいものを作らなきゃダメだと思って、ピクチャー・レーベルにしたり一番下にチケットを入れたかったの。内容もそうなんだけど、俺はパッケージとしてもモノとしても、とてもよいモノが出来たと思ってるの。で、それは2016年という10周年もそうだし、1個の区切りだと思うんですよ。そういう意味で必要なものだったのかな。

—The BONEZで言えば、『To a person that may save someone』で、区切りというか確実に変われたじゃないですか?

T$UYO$HI:そうですね。更に今の俺の感覚でいうと、ちょっと『Astronaut』に戻りそうな気もしてる。

—より、アッパーな曲ですか?

T$UYO$HI:『To a person that may save someone』でスケールのでかい曲をやったでしょ、今はちょっとアッパーな曲とかをやりたい気分かな。まあ、これは変わらないんですけど、The BONEZというものに感情的な部分というのは勿論ですけど、やっぱりJESSEが輝くものというものをもっと俺は打ち出したいというか。これまではJESSEの引き出しを開ける作業をしてきたし、俺たちはこういう曲もできるぞというのを見せてきた。けどそろそろ、その中での必殺技を出す時期という感じとういうか。LIVEで「こういう曲をやってるときが楽しい!しっくりくる!」というのが見えてきたから、ちょっとその枠を広げるというかは、その技を突き詰めて行くタイミングなのかなぁと。更に新しくThe BONEZが進化したというよりは、深化。強力になったエネルギー感に満ちた曲をブチ込みたいなという気分ではありますね。

—曲作りについても、T$UYO$HIさんの比重が大きかったですけど、少し変わりそうですね。

T$UYO$HI:だし、『To a person that may save someone』は俺が曲の元ネタをいっぱい作って、全パートを録音してみんなに渡してっていうのが多かったけど、ちょっと4人で音を出して作る比重にしたいなっていうのがある。

—「Paper Crane」や「Leaf」のように、ジャムって作るイメージですか?

T$UYO$HI:そうそう。何から何まで、俺の頭の中にあるものを自宅で具現化しちゃわない。例えば家でギター弾いちゃうと、NAKAにそのギター・イメージが付いちゃうから、デモとして形にはそこまではしない。勿論、作り込む曲も必要になってくると思うけどね。やっぱりJESSEにはRIZEがあるから、The BONEZとの違いで、作り込みによって出てくる曲も必要。けれども、もうちょっと勢い重視で、メンバーとのジャムで出てくるものをアレンジするとかにしたいというのはあるな。

—ここまで伺うとムチャ新曲が楽しみで。『To a person that may save someone』も良かったし、去年のライブも良かった。でも、今年のワンマンは「The BONEZ “SPRING OUT TOUR 2017″」のみですよね。

T$UYO$HI:まあ、今年はRIZEがたくさんありますからね。

—そうなんです。でも、本当はThe BONEZをメンバー自身がもっとやりたいんじゃないかなって。

T$UYO$HI:そりゃそうっすよ。RIZEが20周年ってのはわかってたことだから仕方ないけど、それがなきゃやりたいですよ。俺、好きな人とは毎日でもいたいタイプだすから(笑)。まあ、これは俺の正直な意見として、RIZEはもうRIZEとして確立してるから、言ってしまえばどのタイミングでLIVEをしても、もうRIZEとして成り立つと思うんですよ。けど、The BONEZは今いかないと…ってのは正直感じます。

—すごくわかります。

T$UYO$HI:辻さん以外にも「今年やんないの?え!もったいない」って言われる。やっぱり”今行かなきゃいけない”っていうタイミングが、バンドにはあるんですよ。The BONEZはそういうときな気がするから、ちょっと歯痒い感じはありますよ。RIZEのことはもちろん大好きですけどね。

—その中、The BONEZは1月末にL.A.へ行かれるんですよね?

T$UYO$HI:遊びに行くだけです、なんつって(笑)。曲作りで5日間くらい。

—Huntington Beachも行けそうですか?

T$UYO$HI:泊まるところが空港の近くなんだけど、俺は行く(笑)。また自分のバンドで行けるかと思うと、めっちゃ嬉しい。

—そうですよね。戻られる頃には「To person that may save someone Live at Shibuya O-EAST Complete package」も締め切ってるタイミングですけど。

T$UYO$HI:ドキュメントが1時間くらい追加されてのかな。前回のCDについてたDVDは、ゲストがいてのツアー・ドキュメントだったから中だるみしない感じだったけど、今回のはワンマンだからマジで俺らのことが好きじゃないとつまんないかもね(笑)。

—うですか(笑)?音楽を鳴らしていないときでも、The BONEZであるという人間味がすごくあるわけじゃ無いですか。その方がリアルな部分に触れられる面白みとかあるかなと。

T$UYO$HI:そうだね。でも、例えばL’Arc~en~Cielとか氷室さんとか布袋さんとかさ、日常が見えない人たちのドキュメントだったら「おぉ!」ってなるかもしれないけど、俺らなんて普段からそこらにいるヤツらなんだから(笑)。そのくらい、俺らにしてはただのツアー中の日常がだから。

—これからThe BONEZのツアーもありますけど、アルバムはその後に期待していて良いですか?

T$UYO$HI:うーん、年内にリリースは厳しいかなぁ。あ、話が変わるんですけど、この前やっと映画のODYSSEYを観て「なんてポジティブなんだ!」って。我が家の最近テーマはODYSSEYで、何かあったとしても、どう動くかが重要で。JESSEの動ける時間も限られてるけど、その上でかんちゃん、ナカとやれることをやるしかないっていう感じかな。

—では、T$UYO$HIさん自身は止まらないって思ってていいですか?

T$UYO$HI:俺は止まらないっすよ。何をするのかは全くわからなくて、自分自身でも「今年は何をするんだろう?」って思ってるところあるけど(笑)。

—火星で農業じゃないですけど、The BONEZに還元できる”何か”ですね。

T$UYO$HI:俺のことだから、何かまた新しいことにチャレンジするかもしれないし。正直、先は見えない不安もあるけど、楽しい。The BONEZのアルバムは来年には出したいから、その為の水面下の準備かな。

—では、「The BONEZ “SPRING OUT TOUR 2017″」か、今年中にThe BONEZの新曲を聴けたらという、淡い期待をしつつ。

T$UYO$HI:そうだね…まぁでもそこはまだ何とも言えないかなぁ…。やりたいけどね。スタジオ入れるのが、実質4日しかないから、色んな曲ネタを貯めるのに充てるか、1曲を作り込むのに充てるかにもよると思うけど。Kのときと一緒というか、みんなで普段と違うところに行くと気分も違うし、カラッとした曲を作りたい気分だから、L.A.でそういう曲ができたらいいな。


取材:2016.01.09

インタビュー・テキスト:Atsushi Tsuji@classic0330
Photo:垂水佳菜

リリース

NEW Blu-ray
「To person that may save someone Live at Shibuya O-EAST Complete package」
完全受注生産 ¥4,800(税別)
※受注期間は、2017年1月31日迄の期間となります。
商品の発送は、2017年2月上旬より順次発送予定です。
http://shop.fannect.jp/tenbakawear/pc/shop.asp?cd=500


ライヴ

The BONEZ SPRING OUT TOUR 2017

■2月3日(金) 横浜Club Lizard
OPEN 19:00 / START 19:30
■2月9日(木) 広島SECOND CRUTCH
OPEN 19:00 / START 19:30
■2月10日(金) 岡山LIVEHOUSE IMAGE
OPEN 19:00 / START 19:30
■2月12日(日) 新潟GOLDEN PIGS RED STAGE
OPEN 17:30 / START 18:00
■2月16日(木) 仙台MACANA
OPEN 19:00 / START 19:30
■2月17日(金) 盛岡CLUB CHANGE WAVE
OPEN 19:00 / START 19:30
■2月19日(日) 札幌BESSIE HALL
OPEN 17:30 / START 18:00
■3月15日(水) 福岡Drum Be-1
OPEN 19:00 / START 19:30
■3月17日(金) 梅田CLUB QUATTRO
OPEN 18:30 / START 19:30
■3月18日(土) 名古屋CLUB QUATTRO
OPEN 17:00 / START 18:00
■3月20日(祝・月) 渋谷CLUB QUATTRO
OPEN 17:00 / START 18:00
■3月24日(金) 高松DIME
OPEN 19:00 / START 19:30
■3月25日(土) 松山サロンキティ
OPEN 17:30 / START 18:00
■4月2日(日) 沖縄桜坂セントラル
OPEN 17:30 / START 18:00

■料金
¥3,500 (税込・ドリンク代別)
山嵐 20th Anniversary 『RED ROCK TOUR』
2017.02.21
会場:郡山 CLUB#9
時間:開場19:30 / 開演20:00
チケット:前売り¥3,900(D代別)

ACIDMAN 20th Anniversary 2man tour
2017.03.03
会場:金沢EIGHTHALL

時間:Open 18:30/Start 19:00 チケット:¥4,800(入場時別途ドリンク代)

ONE OK ROCK 2017 “Ambitions” JAPAN TOUR
2017.03.08
会場:アスティとくしま
時間:開場18:00 / 開演19:00
チケット:¥6,500(税別)

2017.03.09
会場:アスティとくしま
時間:開場18:00 / 開演19:00
チケット:¥6,500(税別)
《一般発売》1/21(土)〜
チケット詳細http://thebonez.com/live/

アーティスト情報

Web http://thebonez.com/
Twitter https://twitter.com/The__BONEZ
Facebook https://www.facebook.com/TheBONEZofficial
Music Save My Life http://www.msml.tokyo/