The Cheserasera「YES」release tour Final

2015年のThe Cheseraseraは、メジャー・デビューという新たなフィールドでの活動と同時に、幾つもの苦難を迎え、そして乗り越えてきた。
「WHATEVER WILL BE, WILL BE」リリース直後、下北沢SHELTERで開催を予定していたフリーライブは、宍戸 翼(Vo,G)の喉の不調による中止、昨年5月に東京 Shibuya WWWで行われる予定だったThe Cheseraseraのワンマン公演が西田 裕作(Ba)が虫垂破裂のため延期と、ある意味”挫折”を味わった彼らからの答えが「YES」という、圧倒的にポジティブな作品を放つことで、その全てを受け入れて前に進んだ。
そして、昨年から続く「YES」を提げたリリースツアーのファイナルを下北沢CLUB Queで行った。
関東甲信地方は、この冬で最も強い寒気が流れ込む影響で、天候も心配されたが天候さえも味方につけるように、会場タイミングでは回復に向かっていった。

満員の会場にゆっくりとステージに現れたメンバーは「Youth」をドロップ。”僕らの今に嘘はないたろう”という一節に乗せて、会場中で祝福されているようだった。 しかし、そんな雰囲気を一変させるように「BLUE」では、美代 一貴(Dr)のアンストッパブルなドラミングが響き、バンドの勢いそのままに畳み掛けていった。「楽しい思い出だけ持ち帰ってもらいたい、今日は忘れられない1日になると思う。」と宍戸が告げ、「WHATEVER WILL BE, WILL BE」と「YES」からの楽曲を披露してゆく。この季節を彩った「白雪」では、西田のメロディアスなベースラインが絡み、暖かく溶かしてゆく。

宍戸から「YES」に込められた想い、そしてファンへの感謝を述べると、既にアンセム曲となった「賛美歌」を披露する。この曲で得た計り知れない未来を手にし、これからも歌い継がれていくであろう景色を想像するだけで、「YES」を受け取ったように感じられ、と同時にその役目を果たした気がする。既に前を向いて進んでいるバンド、ファンはその先を感じるようにライブを楽しんでいたからだ。そのくらい、「Escape Summer」も「インスタントテレビマン」も、等身大の3人のパワーで掻き鳴らされた。

西田のゴリゴリのベースから始まる「ラストシーン」「月と太陽の日々」と初期の名曲が続き、「YES」のラストを飾った「灰色の虹」で本編が終了した。
アンコールで迎えられた宍戸から、2ndフルアルバム「Time To Go」のリリースが発表され、新曲「ファンファーレ」が披露される。「YES」の先に見た未来を輪郭にみられることができ、4月のリリースが待ち遠しい。
「でくの坊」を披露し、大円団で幕を閉じたツアーファイナルは、確実に次のThe Cheseraseraへの道を示してくれ、次のライブで「Time To Go」からの招待状となる楽曲が披露されることを心待ちにしたい。

<新作『Time To Go』について>

前作『YES』が「帰る場所」だとしたら、今作『Time To Go』は「行き先」です。
家に帰った裸の姿ではなく、ちょっとお洒落をして、より音楽的な作品が出来ました。
出会いや別れ、決意の瞬間の曲達です。
泣きたいのに踊りたいような、内からこみ上げるような、感動をお届けします。
楽しみにしていて下さい!
ヴォーカル・ギター 宍戸 翼


取材:2016.01.23
テキスト:Atsushi Tsuji
photo:釘野孝宏