松本 隆トリビュートアルバム「風街に連れてって!」収録楽曲決定

松本 隆

7月14日にリリースされる、作詞活動50周年を迎えた作詞家・松本隆のトリビュートアルバムのタイトルが「風街に連れてって!」に決定し、収録されるカバー楽曲8曲が発表され、すでに発表されている2曲を加えた計10曲の収録楽曲が決定した。

「君は天然色」「ルビーの指環」「風の谷のナウシカ」...。誰もが一度は耳にしたことがある名曲がずらりと並んだトリビュートアルバムのタイトルは「風街に連れてって!」に決定した。「風街」とは松本隆が青春時代を過ごした街、つまり青山・渋谷・麻布界隈の原風景のことを指し、歌詞にも頻繁に登場する松本隆の代名詞である。

アルバムのタイトルは選曲を聞いた松本本人によって付けられたが、それについて松本隆は「(収録曲の「夏色のおもいで」の冒頭の歌詞である)「君をさらってゆく風になりたい」というフレーズは、「風街に連れてって!」と願う女の子の気持ちに対してのアンサーになっているんだ。アルバムを通して聴いた時に、そうか、自分はこうして日本中の「君」をさらっていく風になれたんだ、と感慨深いものがあった。このアルバムを通して聴くと、はっぴいえんどから「夏色のおもいで」に続く道のりの先に僕の50年があり、そこに本当の「風街」が見えてくるはずだ。」と語る。
今回発表された楽曲は日本音楽史に残る名曲ばかりの8曲だ。決定した楽曲とアーティストは、今年リリースから40周年を迎えた大滝詠一の名盤「A LONG VACATION」に収録され、CMソングとしてもおなじみの「君は天然色」(川崎鷹也)、TBS系「ザ・ベストテン」で12週連続1位という同番組の最長記録を樹立し、1981年のレコード大賞を受賞した「ルビーの指環」(横山剣)、同名アニメーション映画のシンボルテーマソングとしてヒットした「風の谷のナウシカ」(Daoko)、松本隆が若干20歳の時に作詞した、原点ともいえるはっぴいえんどの名曲「風をあつめて」(MAYU・manaka・アサヒ(Little Glee Monster))、同名映画の主題歌としてヒットした南佳孝の代表曲「スローなブギにしてくれ(I want you)」(GLIM SPANKY)、原田真二のヒット曲で多くの歌手にカバーされている「キャンディ」(三浦大知)、職業作詞家としての松本隆の出発点である「夏色のおもいで」(吉岡聖恵)、松本隆×林哲司による竹内まりやの名作「SEPTEMBER」(宮本浩次)といった曲たちだ。既に発表済みの「SWEET MEMORIES」と「Woman“Wの悲劇”より」を加えた計10曲が出揃った。

また、本トリビュートアルバムは日本コロムビア内に新設されたレーベル「びいだまレコード」の第1弾作品として発売されることが決定した。この新レーベルは、“ことば”に込められた想いや響き、それが”うた”として発せられた時の喜びや感動を届けることを目的として作られたレーベル。”ことば”をあやつる作詞家やシンガーソングライター、そして”ことば”を受け止めて”うた”で表現することができるシンガーにフォーカスを当てたリリースを予定している。
レーベル名はビー玉のように色とりどりのことばや歌を綴り、それらの言葉や歌がキラキラと光が反射するビー玉にように人々の心を照らしていくことを意図して付けられた。
「びいだま」というレーベル名は、「硝子の少年」(Kinki Kids)など松本隆の歌詞にもたびたび登場する言葉であるが、複数の候補から松本隆本人が最終的に決定したとのこと。
これについて松本は「色とりどりの言葉と歌がキラキラと反射するような、言葉と歌を大切にするレーベルに育ってほしい。リリースされる作品はポップスに限らず、クラシックもジャズでも、シャンソンでもいい。そこに「言葉で束ねる」という切り口があれば、それは新しいし、みんなが納得できるレーベルになるんじゃないかな。僕もこのレーベルで、自身の集大成となる作品を今後も発表していきたいと思っています。」と語る。
リリースまでいよいよ1か月半となった松本隆トリビュートアルバム。アルバムへの参加アーティストは間もなく最終の追加発表がされる予定だ。今後解禁される情報にも注目したい。

トリビュートアルバム「風街に連れてって!」について 

今回のトリビュート・アルバム『風街に連れてって!』は、僕が作詞家になって50年、その区切りでもあり、半世紀を生き延びた僕のサバイバルの歴史でもある。

こんなに長く続けるつもりはもちろんなかった。違う道を見つけようと、小説を書いたり映画を撮ったりもしたけれど、どれも「歌を作ること」の魅力にはかなわなかった。

ヒット曲を書いている、という意識はなく、いい詞を書くことだけが僕のスタンスだった。いい詞を書くためには売れないと出し続けられない。だからヒット曲はあくまで結果に過ぎないけれど、一方で僕の書いたアルバムの1曲だったりB面の詞を、みんなが知っていてくれることが多い。「風をあつめて」もアルバムの1曲だったし、「制服」はB面の曲だった。普通は埋もれてしまいそうな歌をみんなが長い年月愛してくれる、そんな作詞家は珍しいんじゃないかな。

50年の間にはいろいろな出会いと別れ、そして再会があった。長く付き合ったアーティストともいつかは離れる時がある。それは当然のことで、最後まで付き合ってしまうと、一緒に消えてしまうこともあるからね。昔、ハワイの海岸で、5階建てのビルほどの高い波をサーファーが乗り越えていくのを見ていたことがあるんだけど、あるところで膝を落としてクルッと180度方向転換して、また沖に向かって手で漕ぎ出していく。岸まで着いてしまうとサーフィンは終わるけど、自分の意志でコントロールしながら波に向かうと、身体は水に濡れず、高波にもみくちゃにされずに、いつまでも波に乗っていられるんだ。その光景は、僕が仕事を続けていくうえで、すごく勉強になった。

これまで何枚もトリビュート・アルバムが出ているけれど、今回のアルバムの大きな特徴はヴォーカリストが若いこと。そして大御所のアーティストも含め、みんなが言葉を大事に歌ってくれていることが嬉しかった。何より、プロデューサーの亀田誠治くんが、このアルバム全体をバンドサウンドに統一して、まるでひとつのバンドで、11人のヴォーカリストが歌っているように作り上げてくれた。その結果、作曲家はほぼ全部違うのに、トータリティが生まれていて、そこに亀田くんの愛を感じる。亀田くんは今回のアルバムのほとんどの曲でベースを弾いているけれど、これがとても上手い。特に「Woman“Wの悲劇より”」のベースを聴けば、彼が素晴らしいベーシストでもあることを実感できると思う。

タイトルの「風街に連れてって!」は、今回の選曲を聴いて僕が付けた。「!」があることで、どこか女の子の切実な思いが感じられるんじゃないかな。そして、選ばれた曲のなかには、はっぴいえんど時代の「風をあつめて」と、チューリップに書いた「夏色のおもいで」がある。「風をあつめて」は僕の永遠のテーマである“風街“の原点。「夏色のおもいで」は、はっぴいえんどを解散して、作詞家として再スタートを切った最初の曲だった。依頼されたときは、ヒットさせるための詞をどう書けばいいのかわからず、手探りで作った。これは偶然の符号だけど、「君をさらってゆく風になりたい」というフレーズは、「風街に連れてって!」と願う女の子の気持ちに対してのアンサーになっているんだ。アルバムを通して聴いた時に、そうか、自分はこうして日本中の「君」をさらっていく風になれたんだ、と感慨深いものがあった。このアルバムを通して聴くと、はっぴいえんどから「夏色のおもいで」に続く道のりの先に僕の50年があり、そこに本当の「風街」が見えてくるはずだ。

新レーベル「びいだまレコード」について

僕はこれまで日本コロムビアで、クラシックのアルバム『白鳥の歌』やクミコの『デラシネ』などをリリースしてきた。2020年にコロムビアの110周年と、僕の50周年が重なったという縁もあり、今回、このトリビュート・アルバムを、コロムビアが新たに立ち上げるレーベルから発売することになった。レーベル名はいくつかの候補の中から、僕が「びいだまレコード」を選んだ。「びいだま」は硝子でできた球体で、キラキラして透き通ったきれいなもの。僕の作品でいうと「硝子の少年」にもこの言葉が出てくるし、「ガラスの林檎」ともイメージが繋がる。子供時代の無邪気な自分とも重なるような思いもある、素敵なネーミングだね。色とりどりの言葉と歌がキラキラと反射するような、言葉と歌を大切にするレーベルに育ってほしい。リリースされる作品はポップスに限らず、クラシックもジャズでも、シャンソンでもいい。そこに「言葉で束ねる」という切り口があれば、それは新しいし、みんなが納得できるレーベルになるんじゃないかな。僕もこのレーベルで、自身の集大成となる作品を今後も発表していきたいと思っています。

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