マネスキンはロックンロールの現状に対するミック・ジャガーのコメントに言及して、若いアーティストがこのジャンルを存続させているという見解に反論している。
イタリア代表としてユーロヴィジョンで優勝したマネスキンは地元ヴェローナで大規模公演を行う前に『NME』のロング・インタヴューを受けている。
先月、ミック・ジャガーはスウェーデンのラジオ局でヤングブラッドやマシン・ガン・ケリーに賛辞を寄せて、「まだロックンロールに命が吹き込まれていると思わせてくれる」と語っていた。
この発言に対する意見を訊かれたマネスキンのフロントマンであるダミアーノ・デイヴィッドは「非常に古い考え方」だと思うと語っている。「誰かがロックンロールを生きながらえさせているわけじゃない。殺すことなんて不可能なんだ」
「自分としてはマネスキンのやっていることはマシン・ガン・ケリーのやっていることとは違うし、ヤングブラッドがやっていることともまったく違うし、ウィロー・スミスがやっていることともまったく違うと思う。でも、多くのアーティストがあのサウンドとエネルギーを取り戻そうとしているんだ。ディストーションのかかったギターに本物のドラム、本物のアナログ・サウンドでバンドで演奏すること、ステージダイヴと、ロックンロールのあらゆることをね。音楽は進化しているんだ。あらゆるものがぶつかり合って、いい形でミックスされていくんだ」
インタヴューでマネスキンはロックの純粋主義者を苛立たせることに喜びを感じるとも語っている。「やめられない楽しみなんだ」とダミアーノ・デイヴィッドは語っている。「自分としては僕らにザ・ローリング・ストーンズやクイーンのように振る舞うことを期待されても意味がないと思っている。既にあったことだし、もう栄華を極めたわけでね。彼らは伝説を作ったわけで、誰も触れられないんだ」
「20代のバンドに70年代や80年代にあったことのレプリカを求めるのはバカげているし、意味がない。今は2022年で、僕らは満足できて幸せになれる新しいものを作ろうとしているだけなんだ。『レッド・ツェッペリンとは違うね』とか言っている人を見るのが楽しくてね。そんなことは分かっているし、僕らがそうなれるわけもない。自分はロバート・プラントじゃないしね。なれたらとは思うけど、自分なりのことをやるしかないんだ」
マネスキンは最新シングル“Supermodel”のミュージック・ビデオが公開されており、メンバーは次のように語っている。「今回のミュージック・ビデオは、僕たちが好きな90年代の映画へのトリビュートにしたかったんだ。曲の中でとらえようとした、謎めいたキャラクターのシネマティックな雰囲気を、ヴィジュアルにも反映させたかった。アイデアを考え付いてからは監督たちと密接に連絡を取り合って、僕たちの大好きな90年代の映画から切り出したフレームやシーケンスを再現していった。ロンドンでのロケは本当に楽しかったよ。おかしなシーンはB級の探偵映画を思い出したね(笑)」
マネスキンは初来日を記念して、昨年リリースされた大ヒットアルバム『テアトロ・ディーラVol. I』が来日記念盤として8月3日に完全生産限定でCDリリースされる。オリジナルの内容に加え、昨年ロサンゼルスで行われたライヴ音源4曲も追加収録され、ラバーバンドも付属する。さらに、これまで日本ではCD未発売であった、ファーストEP『チョーズン』、ファースト・アルバム『イル・バッロ・デッラ・ヴィータ』も同日に日本盤CDがリリースされる。