2023年は兎年だから付けたと思しきタイトル『ラビットツアー』が、一応のコンセプトになっており、ステージ・セット等の演出がそのイメージで作られているほか、選曲も「『ラビットツアー』であること」が軸になっている側面もある。二度目のMCで、本人もそのことに触れた。
なお、最初のMCで、「もういいですか? この3曲で、起承転結あったと思います」といきなり脱力したことを言う。そして「すでに反省会っていうか、やっぱ、手拍子は来ますね。(1曲目の頭は)手拍子なしで、って、SNSでそこだけ言っといてくれる?」と、オーディエンスに伝える。
その後、曲が終わった時、本来MCタイミングではないところでしゃべり始めたので、照明スタッフが気を利かせて明るくしたら、「ここ、別に電気点かなくていい。暗闇の中、しゃべるだけでいい」とオーダーする。
某曲を終えたところでは、「リハーサルから一回も(ちゃんと)できないやつ。今日もやっぱダメだった!」と自白(観る方は誰も気づいていないのに)。「5回に一回しかできないことを本番でやるんじゃない。でも、これはもう、このまま行くからね。いつか一回くらいできるから!」と力強く宣言、謎に拍手を浴びた。
などなど、ツアー初日ならではのノリをあちこちで見せながら、ステージが進んで行く。挙句、アンコールでは、「ありがとうございました。たぶんこんな感じのまま、ツアーが続くと思うんですよ。(日程の)間が空いてるし、いちいち忘れると思う」。
そもそも、ソロだろうがユニコーンだろうが、ツアーの初日はこのような愉快な自虐MCを連発するのが奥田民生という人だが、ただし──これもいつものことと言えば、いつものことだが──50代〜70代の日本有数のプレーヤーだけが集結して幾年月であるMTR&Yの音は、初日とは思えないすさまじいグルーヴを放ち放題放っており、終始オーディエンスを魅了していた。
ファン以外もみんな知っている国民的名曲である某曲と、MTR&Yのメンバー全員が影響を受けている、某洋楽バンドの某有名曲とマッシュアップして始まった某曲の、アンコール2曲が、特にその真骨頂だった。
2月14・15日の東京・LINE CUBE SHIBUYA2デイズ等を経て、ツアーは最終日の3月26日(日)地元広島の上野学園ホールまで続く。
文:兵庫慎司
奥田民生「奥田民生2023 ラビットツアー ~MTR&Y~」
1/28(土)【千葉】市原市市民会館 OPEN16:15 / START17:00
2/07(火)【京都】ロームシアター京都 OPEN18:00 / START19:00
2/08(水)【大阪】フェスティバルホール OPEN17:30 / START18:30
2/14(火)【東京】LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂) OPEN17:45 / START18:30
2/15(水)【東京】LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂) OPEN17:15 / START18:00
2/25(土)【新潟】長岡市立劇場 OPEN16:45 / START17:30
2/26(日)【長野】長野市芸術館 OPEN16:45 / START17:30
3/01(水)【愛知】日本特殊陶業市民会館フォレストホール OPEN18:00 / START19:00
3/03(金)【静岡】静岡市民文化会館大ホール OPEN18:00/ START19:00
3/05(日)【宮城】SENDAI GIGS OPEN17:00 / START18:00
3/11(土)【埼玉】川口総合文化センターリリア(メインホール) OPEN17:15/START18:00
3/20(月)【北海道】Zepp Sapporo OPEN18:00 / START19:00
3/25(土)【福岡】福岡市民会館 OPEN17:00 / START18:00
3/26(日)【広島】上野学園ホール OPEN17:00 / START18:00
奥田民生2023 ラビットツアー ~ひとりいのこり~
3/21(火・祝)【北海道】Zepp Sapporo OPEN16:15 / START17:00
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