waterweedのニューアルバム「Departures」が、本日発売され、ラストを飾る「Hope」のミュージックビデオも公開された。
全18曲という短くはない今作の旅路は、「Terminal」という楽曲から始まり、この「Hope」で終わる。
ターミナルは、言わずと知れた「終点」のこと。場合によっては、末期、悲惨、破滅などネガティヴを含んだ「終末」という空気さえ漂わせる言葉だ––––その曲は、街を歩く靴底が鳴らす音、日常に溢れる騒めき、そして、メンバーの盟友が弾く琵琶で奏でられる。決して、明るい幕開けではない。が、その後の16曲を経て、「Hope」と題された終幕に辿り着いたとき、心には、何か、晴れやかな兆しが宿るよう紡がれている。それは、キラキラと無闇に輝くようなものではないが、それでも、確かに光っている。
実は、タイトルの「Departures」には、「出発」という意味だけでなく「去る」や「離れる」といったニュアンス、さらに「新たな発展」という意味もある。「希望」と、歌って迎えるラストは、また「Terminal(終着駅)」という折り返しに向かう。そして、再び、手放しでは喜べない日常が始まる。
長くライヴハウスというリアリティに生きてきた彼らは、今作を通じて「(俺も、お前も)まだ、やれる」––––そう伝えたいのだろう。「時代に流されない」と言葉で言うのは簡単だ。その大切さは、きっと、貫いたあとに分かる。変わり続ける世界で、変わらない何かを見出したバンドの音は、常に最も深く、最も新しい。