ファイア・フェスティバルはホテル・エクスペリエンスを提供するサービスを開始すると報じられている。
かねてから批判を浴びてきたファイア・フェスティバルだが、現地時間6月2日にファイア・ホテルズ・エクスペリエンスをホンジュラスにあるコーラル・ヴュー・ウティラで9月3日から10日にわたって開催することを発表している。
新たに立ち上げられたファイア・ホテルズのウェブサイトでは2013年の事件をきっかけに物議を醸した主催者のビリー・マクファーランド
「ソフト・エンジニアにしてパイロットを趣味とするある人物のせいでビリー・マクファーランドはニューヨークを小さな飛行機で飛び立って、離れたカリブ海の島まで行くことになりました」
「途中でビリー・マクファーランドは目的地を通り過ぎて、ガス欠になり、遠隔地の島の着陸帯に救われることになりました。その島の魔法のような魅力が伝説となり、その噂は地元で急速に広がることになりました。4人のクレイジーな起業家による単発プロペラ機の旅は冒険譚となり、ファイア・フェスティバルに繋がっていくことになりました」
ホテル・パッケージは2名用の部屋は1日あたり199.53ドルからで、1週間の滞在総額はほぼ1,400ドルとなっている。パッケージには日帰りボートツアー、ガイド付きシュノーケリング、ビーチ・フィットネス・セッション、カヌー、ビーチバレー、島内ガイド付きハイキング、夜のエンターテイメントとビーチでのキャンプファイア・パーティー、ゲスト向けグッズ、「独占的なサプライズモーメント」、サンセットクルーズなどが含まれている。
最も高いパッケージは2名用の部屋が1日あたり500ドルとなっている。
ウェブサイトによれば、今回のポップアップ・ツアーは「ホンジュラスのウティラ島と小さなビーチ・リゾートが報道で話題になった」こともあり、ファイア・フェスティバルのブランドが知的財産として売りに出されたことを受けて実現したという。「ファイア・フェスティバルの名前を使って、この地図に載らない宝石のような場所に世界的な注目を向け、忘れられない体験を企画し、サンゴ礁の淵で人生を楽しむことを目指しています」
過去のファイア・フェスティバルとは違って、今回のホテル・エクスペリエンスはラグジュアリーなライフスタイルとは一線を画したものとなっている。「豪華さを追い求めてはおらず、物語を追い求めています。この旅はディープな体験、ストリート・フード、深夜のキャンプファイア、そして予期せぬものへの目覚めといったものです。この場所は美しさ、エネルギー、冒険の可能性のエッセンスがあります」
ビリー・マクファーランドもホテル・エクスペリエンスのプロモーションに関わっており、ファイア・フェスティバルの事業からは身を引くことを示唆していたものの、このホテル・エクスペリエンスに自身も参加することを匂わせている。
ビリー・マクファーランドはインスタグラムで「島で会いましょう」と述べている。
今年4月、ビリー・マクファーランドはファイア・フェスティバルのブランド全体を売却する意向を明かし、運営から離れ、独立したチームにファイアの管理を委ねることを発表していた。
ビリー・マクファーランドはファイア・フェスティバルのブランドが音楽ストリーミング・サービスに転用するために売却されたとも述べている。「ファイア・フェスティバルを再開させてからの2年間でハリウッドのエンタテインメント界の重役が劇場、音楽ストリーミング、無料広告付きテレビに特化したプロパティを開発するために既にライセンス契約をしています」
今年4月、ファイア・フェスティバル2は正式に延期されることが発表されている。ファイア・フェスティバル2は5月30日から6月2日にわたってメキシコのムヘーレス島で開催される予定となっていた。チケットは2月に発売され、2017年に大失敗となったファイア・フェスティバルの続編として開催に疑いの目が向けられることとなっていた。
ファイア・フェスティバル2の開催発表後、地元当局と観光局はフェスティバルは存在していないという見解を発表していた。ムヘーレス島の観光総局のエドガー・ガスカは『ガーディアン』紙に次のように語っている。「私たちはこのイベントについてまったく知りませんし、この件に関していかなる人物や企業とも連絡をもらっていません。私たちにとっては存在を把握していないイベントなのです」
ビリー・マクファーランドが8年前に企画した無謀なファイア・フェスティバルはバハマのプライベート・ビーチで2週末にわたって開催される予定だったが、参加者が現場に到着した途端、不十分な環境と食料と水の不足で、現実はまったく違う状況であることが明らかになっている。その模様はネットフリックスで『FYRE: 夢に終わった史上最高のパーティー』というドキュメンタリーとして配信されている。
ビリー・マクファーランドは複数の詐欺罪を認めることで2022年に釈放されている。