今回のツアーは「Doppelganger ~ゲルニカ団 漆黒の48時間~/~PLC学園 最後の48時間~」と題し、光と闇をテーマにしたコンセプトで全国各地を2日間ずつの公演を行った。5月12日豊洲PITで迎えたツアー最終日では「衣装」「コンセプト」「セットリスト」の全てが違うフルライブを1日で2公演行うというバンドとしては前代未聞の企画を決行した。
このツアーで披露したコンセプトは元々ファンの人気が高かった演目のひとつで、内容を新たに再生・進化させた上で彼ら自身が扮するゲルニカ団という新たなダークヒーローの要素を盛り込んだ内容であった。
ゲルニカ団の公演では黒い衣装に身を包み、彼らの信条でもある笑いや芝居を封印。いわゆるビジュアルロックのライブのイメージを貫いた。もう一つのPLC学園の公演ではポップな楽曲や芝居&笑いをふんだんに盛り込んだ「ザ・サイコルシェイム」と言わんばかりの構成で、尚且つこの二公演は繋がっているというファンには1度に2度楽しめる日となった。
There is strong shadow where there is much light. - Johann Wolfgang von Goethe -
「光が多いところでは影も強くなる。」
ドイツの詩人であり、自然科学者でもあるゲーテの言葉である。
最終公演直前に発売されたアルバムタイトルは奇しくも『Light and Shadow』。アルバム収録曲でいうと、光の楽曲は『STAR TRAIN』や『ファイティング!』、『大空を目指すあの花のように』、影の楽曲は『Revenger -暗闇の復讐者-』や『哀しき獣』、『絶望のゲルニカ』あたりになるだろうか。
ライブの構成もアルバムの構成もサイコ・ル・シェイムの光と影が混在したまさに振り幅の広い魅力的なアーティストであることをしっかり証明してくれた。この振り幅こそ、サイコ・ル・シェイムの最大の武器であり、ファンに愛される最大の理由に違いない。
バンド結成19年を迎え、20周年という新たな節目が目に見えてきた。今度はどんな振り幅を見せてくれるのか?彼らの今後の活動が楽しみである。