ジューダス・プリーストのフロントマンであるロブ・ハルフォードは自身のセクシャリティに言及して、ロシアのサンクトペテルブルクで公演を行った際には「ゲイの勝利を感じた」と語っている。
ロブ・ハルフォードはニューヨーク州ロチェスターの地元紙『シティー・ニュースペーパー』紙によるインタヴューの中で、政治的な楽曲を書いてみたいと思うかという質問に答えている。
「やってみてもいいかもね。絶対にないとは言わないよ」とロブ・ハルフォードは答えている。「思うに、ミュージシャンである以上、チャンスは広大な野原のように広がっているんだよ。だけれど、政治の世界に足を踏み入れようとする時には、覚悟を決めてそういう行動を起こさなければいけないんだ。仲のいい友人の中にもそういう曲を歌っている人たちがいるけど、そういう一部の分野においては、自分のプラットホームを維持するのに膨大な力を要するんだよ」
20年前に自身がゲイであることをカミングアウトしているロブ・ハルフォードは次のように続けている。「ジューダス・プリースの音楽を聴いて、その歌詞に目を通してもらえれば、政治的な意味でカモフラージュがかけられたような表現がそこら中に見つかるはずだよ」
「けど、厳密には僕は活動家ではないからね。朝起きた時に、僕もそうあるべきなんじゃないかって思う日もあるけどさ。とりわけ、僕がゲイのメタル好きっていうことだったり、僕のような人々へのあらゆる不正が未だに残っていることを知っているっていうことを考慮すればね」
「だけど、その一方で、ロシアのサンクトペテルブルクでステージに立った時には、ゲイの勝利を感じたんだよ。時には、何も言わなくていい時があるんだ。ただ、そこに立っていれば、『ステージに立っているあなたが今何を考えているのか分かっていますよ』って観客が感じてくれることがあるんだ」
「そういう分野における最も偉大な人物の中には、物静かで謙虚な人たちもいるんだよ」と彼は続けている。「一人の人を取り巻く音量が必ずしも大きいものである必要はないんだよ。大事なのは、個人を見て、その人が何を代弁しているのかを知ることなんだ」
ロブ・ハルフォードは先日、『ケラング!』誌によるインタヴューの中で、同性愛についての社会的受容の高まりや一部の地域で同性婚が認められるようになっている一方で、LGBTQコミュニティが依然として受けている差別について語っている。「まだ長い道のりが残されているんだよ」とロブ・ハルフォードは語っている。「LGBTQコミュニティーと僕らは自分たちのことを呼んでいるけど、平等という観点について言えば、まだ解決すべきことがたくさんあるんだよ」
「『まさかヘヴィ・メタルなんか好きじゃないよね? あれは音楽じゃないよ。あんなのはゴミだ』っていう人たちがいるように、メタルがロックンロールにおける厄介者だと思われているのとよく似ているんだけどさ、同じことがゲイのコミュニティにも当てはまるんだ」とロブ・ハルフォードは続けている。「その中では似たような体験をすることになるんだよ。改めて言うけど、もう2018年なのに、僕らはいまだに性的な嗜好や肌の色だったり、『僕の宗教のほうがあなたのよりも優れている』みたいなことについて話しているわけでね。長い月日を経たのだから、何かしらの変化が起きていたり、人々が前進しているものだと思っていたよ」
ロブ・ハルフォードは、1998年に行われたMTVのインタヴューの中で自身のセクシャリティーについて公の場で初めて言及しており、彼は次のように語っている。「ほとんどの人たちは僕がずっとゲイだったっていうことを分かっていると思うけど、最近になってようやくこの問題に前向きに向き合えるようになったんだ。これは自分のセクシャリティを自認して以来ずっと抱えてきた問題なんだ」