「64ロクヨン」「クライマーズ・ハイ」などで知られる作家・横山秀夫の「影踏み」(「祥伝社文庫」)。警察小説の旗手である横山作品の中でも犯罪者側を主人公にした異色の物語が、ついに映画化。監督に「花戦さ」の篠原哲雄、主演に山崎まさよしを迎えた映画「影踏み」が 11月より全国公開する。
本作のはじまりは映画「月とキャベツ」(監督:篠原哲雄、主演:山崎まさよし)のロケ地、群馬県・中之条町。同作がきっかけとなり始まった同地の「伊参スタジオ映画祭」に、偶然にも 2016年にゲストとして参加した山崎、篠原監督、横山氏が運命的な出会いを果たす。もともと互いのファンだった山崎と横山氏が意気投合したのは言うまでもなく、その約一年後の2018年初頭には映像化困難とされていた小説「影踏み」の映画化が発表されることになる。山崎は「8月のクリスマス」(05)以来、約14年ぶりに長編映画の主演を務め、篠原監督とは「月とキャベツ」(96)以来、約22年ぶりのタッグ結成となった。
今回解禁されたのは、14年ぶりに映画主演を務める“泥棒(ノビ師)”真壁修一役の山崎まさよしと、今年から来年にかけて数々の映画に出演しひっぱりだこの北村匠海が、修一の相棒であり弟でもある啓二役で共演するカットを含んだ計6枚の場面写真。主人公の修一とは恋仲の関係にある久子役を演じた尾野真千子。その久子に想いを寄せる謎の男・久能を演じる滝藤賢一。一癖も二癖もありそうなバッタ屋・大室誠役の中尾明慶。そして神妙な顔をして黒板の前で教鞭をとる大竹しのぶといった、日本映画界が誇る名優たちが名を連ねる。さらに修一と啓二が自転車を二人乗りするノスタルジックな1枚や、闇を一身にまといながら歩く修一の1カットは、本作品に一貫して漂うアンダーグラウンドな世界観を象徴しており、登場人物それぞれの謎に包まれたキャラクター性と本作の展開への期待をより一層高めている。14年ぶりの“俳優”山崎まさよしの熱演はもちろんのこと、そのまわりをとりまく豪華なキャスト達と演技でぶつかり合う「影踏み」、期待して待っていよう。
【ストーリー】
単なる「空き巣」ではなく、深夜に人の居る住宅に侵入し盗みを働く、通称「ノビ師」と言われる泥棒。寝静まった民家を狙い“現金”を盗み出す忍び込みのプロで、その中でも真壁修一(山崎まさよし)は一線を画すスゴ腕のノビ師。証拠も残さず決して口を割らない、その高く強固な壁を思わすしたたかさから、いつしか警察からは「ノビカベ」とあだ名された。ある夜、修一は侵入した稲村邸の寝室で、夫の寝ている側に火を放とうとする妻・葉子(中村ゆり)の姿を目撃する。咄嗟の行動で放火現場を止めに入ったが、その直後、修一は逮捕される。2年後、刑期を終えた修一を迎えてくれたのは弟・啓二(北村匠海)、そして恋人の久子(尾野真千子)だけ。ただ、修一の頭にはこの2年ずっと気がかりなことがあった。何故、あの日の侵入がバレていたのか?何故、自分だけが逮捕されたのか?そして、あの時夫を殺害しようとしていた妻・葉子の行方は…。
◆出演:山崎まさよし 尾野真千子 北村匠海
中村ゆり 竹原ピストル 中尾明慶 藤野涼子 下條アトム 根岸季衣 大石吾朗 高田里穂 真田麻垂美 田中要次 滝藤賢一 鶴見辰吾 /大竹しのぶ
◆原作:横山秀夫「影踏み」祥伝社文庫)
◆監督:篠原哲雄 ◆脚本:菅野友恵 ◆音楽:山崎将義 ◆配給:東京テアトル
◆コピーライト:© 2019「影踏み」製作委員会