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  • 椎名林檎、2026ライブツアー『椎名林檎 党大会 令和八年列島巡回』 オフィシャル・ライブレポート

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    バンドメンバーとホーン隊がステージを去ったあと、椎名はパウダーピンクのガウンを羽織ってピアノの前に座り、バレエダンサーの首藤康之に密着したドキュメンタリー映画のテーマソングとして書き下ろしたインストナンバー「Between Today and Tomorrow」を演奏。ストリングスとの会話を楽しむかのようにピアノを弾くと、「はぁ……」というため息とガウンを残してステージから姿を消した。赤いジャージに着替えたバンドメンバーによる「覚め醒め」を挟み、ライブは第2幕から第3幕へと突入していく。

     ハートのようなチェリーケーキをモチーフにしたヘッドドレスを被った椎名は、三宅純とのコラボ曲でフランス語歌詞の「至宝」でベージュのコートを脱ぐと、赤いドレスに赤いパンプス、赤いグローブという全身を赤一色のルックでお目見え。前述の『禁じ手』のジャケット中央にも赤い正方形が描かれていたが、大人の苦いラブソング群における“赤”とはどんな感情を象徴する色なのだろうか(筆者は恋人に会いたい一心で放火して火刑に処された八百屋お七を想起していた)。さらに、「至宝」で手にしていた赤いパラソルは、ローズマリー・クルーニーの歌唱で知られるスタンダードナンバーをタンゴ調にした「パパイヤマンゴー」で赤い扇子に持ち替えられると、観客も一体となって旗を振り、その様子を見た椎名は「お美しい!」と声を上げた。椎名がサンバホイッスルを鳴り響かせ、投げキッスを送った「松に鶴」、再びチャイムを鳴らした「公然の秘密」とラテンナンバーを続けると、ジャズアレンジした唱歌のような「色恋沙汰」では、軽やかなサウンドながらも最後の「あなた」というフレーズで観客の視線をグッと引き寄せる、なんとも言い難い表情を見せた。

     「赤い朝」を迎える「赤道を越えたら」、赤い扇子で顔を隠して歌ったフランス語歌詞の「マ・シェリ」とトロンボーンソロと椎名の悦びに満ちた笑顔も際立ったラテンナンバーを立て続けに披露し、ライブはいよいよクライマックスへ。本編のラストは2009年に発売された4枚目のアルバム『三文ゴシップ』収録のピアノバラード「旬」。「お目にかかれて嬉しかったです。」との感慨を伝えた彼女は、「生きて/生きて/活きて居よう」というメッセージを観客に送ると、今度はマイクをステージにそっと置き、静かで穏やかな足取りでステージを去っていった。

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