鈴木桃子、”渋谷系揃い踏み”野宮真貴とCOSA NOSTRA盟友を迎えた30周年ライブ、感謝と次なる展望へ

二人目のゲストは、「長年尊敬する”クイーン・オブ・渋谷系”!」と桃子の呼びかけで野宮真貴が登場。
桃子がピチカート・ファイヴ作品へコーラス参加や英詞提供など関わりはあったものの、意外な事にステージ初共演となる両者。二人のハーモニーが実に好相性な「きみみたいにきれいな女の子」、弾けるポップに胸が高鳴る「Happy Sad」を披露。野宮真貴の艶やかな佇まいと凛としたその歌は眼福そのもので、念願の共演に桃子自身も嬉しそうだが、オーディエンスからも長い長い幸せな溜息がこぼれていた。

鈴木桃子

さらに三人目のゲスト、「私のソウルメイト」と呼び込まれたのはCOSA NOSTRAのツイン・ボーカルのパートナー小田玲子、9カ月前のベスト盤リリース・ライブでの久々の共演が大好評を博し、各所からの熱いリクエストに応えての再登場だ。
コーザのナンバー「Springtime Kiss」「Sweet Child」と、二人のボーカルがひときわ光る楽曲を披露。
桃子・玲子が揃ってステージに並ぶ光景はノスタルジーに終始せず、音楽と共に今をポジティブに美しく生きる二人が実に眩く、歌に新たな息吹をもたらして響いてくる。次に「レコーディングではスカパラ・ホーンズが参加してくれたけど、今日は違うホーンズを呼びました、ノストラ・ホーンズ!」…と呼び込みしたかと思わせて、おもむろに桃子・玲子が取り出したのは、かつてコーザのライブでたびたびお目見えしていた楽器・カズー。

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「心のきれいな人にはこれがトランペット、トロンボーンに聴こえるはず」と笑いを誘って「Communication」へ。続いてライブ映えするスーパーポップなキラー・チューン「Let’s Sing and Dance」で熱気と高揚がみるみると帯びていく。
「もっとコーザノストラの曲、聴きたいー?」と桃子の声掛けに客席から大きなリアクションが返ると「Girl Talk」へ。CMソングに起用されFM局を席巻したコーザの代表的ナンバー、観客も”Never gonna fall in love”のフレーズを共に口ずさみ一体感がさらに増していく。極めつけは「Living For Tomorrow」、コーザ随一のロック・チューンは腰に来るグルーヴと合わせ、クールに変幻する桃子・玲子のステージングが魅惑的だ。
アウトロではコーザのライブでのお約束、「Peace, Unity, Love!」の合言葉で最高潮の盛り上がりを見せ本編を終えた。

鈴木桃子

アンコールでは桃子が改めて感謝とこれからの想いを語り、「笑顔でいられたら大抵のことは乗り越えられる」と、闘病を経て見事復活を遂げた彼女ならではの胸に響くひとことを述べ、「Share Your Love」へ。
COSA NOSTRAの象徴的楽曲のひとつであるこの詞とメロディーは、今この時代にこそ共感したい、人々の心を豊かにする普遍的なメッセージだ。そして「ずっと歌を届け続ける」という桃子自身の意志を強く感じさせる気高さを備えた堂々の歌いっぷりであった。オーラスはゲスト全員を呼び込み「Jolie」を披露、客席は総立ちとなりシンガロングで多幸感に満ちた光景が広がる中、笑顔と胸いっぱいの愛と最高の音楽に溢れた一夜が幕を閉じた。

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