阿部真央 10周年へ向けた全国ホールツアーがスタート

セットリストは10年間の活動のなかで生み出された代表曲が中心。イントロが始まるたびに大きな歓声を上げて盛り上がる観客からも、10周年を祝福したいという思いが強く感じられた。

阿部真央のボーカルも絶品。エッジの効いたロックチューンからカラフルなポップナンバー、切ない恋愛感情を描き出すバラードまで、幅広い楽曲を豊かなエモーションとともに歌い上げた。「私の原点です」という弾き語りコーナーにおける、濃密な情念を込めた歌も印象的だった。
阿部真央、10周年へ向けた全国ホールツアーがスタート
さらに最新シングル「変わりたい唄」も披露。“自分らしく生きたい”という決意を込めたこのロックナンバーは、現在の彼女のモードをダイレクトに反映した楽曲。その切実なメッセージと力強い歌声は、観客ひとりひとりの心をしっかりと捉えていたようだ。

ライブ中盤では、思わず感激の涙を流す場面も。「10周年ということでこれまでを振り返る機会が多いんですが、感謝しかありません。高校生のときにシンガーソングライターを目指して、ここまで続けてこられたのはみなさんのおかげ。私を見つけてくれて、ありがとうございます」と話す彼女に対し、温かい拍手と歓声が送られた。

その後も10年のキャリアを彩る楽曲を惜しげもなく演奏。会場全体を包み込んだ感動と興奮は、ここから始まるツアーの充実ぶりを証明していたと思う。
今年3月に8枚目のオリジナルアルバム「YOU」を発表し、ライブハウスツアーを開催。

7月には新曲「まだ僕は生きてる」を配信リリースし、大型野外フェスにも出演、さらにCDシングル「変わりたい唄」をリリースするなど、精力的な活動を続けてきた阿部真央。2019年1月22日に行われる5年ぶりの日本武道館公演、1月27日の神戸ワールド記念ホール公演まで続く今回のツアー、そして、1月23日に発売される自身初のベストアルバムへとつながる“Road to 10th Anniversary”によって、“シンガーソングライター・阿部真央”の存在は改めてクローズアップされることになりそうだ。
阿部真央、10周年へ向けた全国ホールツアーがスタート
text by 森朋之
photo by 笹森健一

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