安全地帯デビュー40周年を記念したアニバーサリー・コンサートを4日間開催

 このコンサートで安全地帯の4人をサポートするのは、ツイン・ドラムにツイン・キーボード、パーカッション、ギター、4人のホーン・セクションにアマゾンズ3人のコーラス隊。この大編成バンドがもっとも真価を発揮したのは安全地帯史上、最強・最厚のダンサブルなファンク・ナンバー「じれったい(1987)」だ。超弩級のサウンドを爆発させ、そこに真っ正面から対峙する玉置浩二の圧倒的な声量。とめどなく溢れ出す音の洪水に客席のボルテージも最高潮となる。さらにサポートメンバーが代わる代わるソロプレイを披露し、4ビートへのリズムチェンジでは六土のベースが冴える。さながらエクステンド・ミックスを聴いているような迫力だ。

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 この日演奏された楽曲は「蒼いバラ」を除いて、デビューからのおよそ10年間に発表された楽曲ばかり。古参のファンにとっては堪らない選曲だ。そして本編最後に演奏したのは「ひとりぼっちのエール(1993)」。最後の『La La La…』のコーラスに入ると、観客が携帯電話のライトを点灯させ左右にゆっくりと振る。場内至るところに点った光景は壮観。玉置も右腕を正面に掲げて応じ、感動的なエンディングとなった。

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 アンコールは鉄板ナンバーの「I Love You からはじめよう(1986)」。イントロが始まると同時にステージの左右からゴールドとシルバーの紙テープが客席に向けて発射。玉置が右腕の拳を振り上げ力強く歌うと、オーディエンスも右腕を上げて応じる。ステージと客席が完全に一体化したことを祝うように、天井からはハート型の紙飛行機が舞い落ちる。最後は安全地帯の4人が横一線に並んで、バンドの象徴である「V」サインを掲げ、安全地帯40周年記念コンサートの幕が閉じられた。終演後はオープニングに演奏した「あの頃へ」のメロディーが会場に流れ、集まってくれた観客を送り出した。

文:石角隆行

安全地帯 40th ANNIVERSARY CONCERT “Just Keep Going!”
Tokyo Garden Theater -4 Days-

2022年11月30日@東京ガーデンシアター/セットリスト

01.あの頃へ /02. 萠黄色のスナップ /03.碧い瞳のエリス /04.プルシアンブルーの肖像 /

05.好きさ /06.蒼いバラ /07.熱視線 /08.ワインレッドの心 /09.恋の予感 /10.Friend /

11.夕暮れ /12.あなたに /13.悲しみにさよなら /14.情熱 /15.真夜中すぎの恋 /

16.じれったい /17.ひとりぼっちのエール

アンコール:18.I Love You からはじめよう

<出演>
安全地帯:玉置浩二 (Vo&G)、矢萩渉 (G)、武沢侑昂 (G)、六土開正 (B)、田中裕二 *VTR出演 (Drs)
サポートミュージシャン:
トオミヨウ (Key)、川村ケン (Key)、秋山浩徳 (G)、ホセ・コロン (Drs)、原治武 (Drs)、中北裕子 (Perc)、佐野聡 (Tb and others)、小林太 (Tp)、武嶋聡 (Sax/Fl)、ゴンドウトモヒコ (Euph/F.Hr)、AMAZONS 大滝裕子、斉藤久美、吉川智子 (Cho)

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