葉加瀬太郎 2023年 春ツアー開幕!全公演 完売御礼!

葉加瀬太郎、春のコンサートツアーが4月9日(日)に東京 J:COMホール八王子で幕を開けた。
タイトルは『葉加瀬太郎 コンサートツアー 2023「NH&K TRIO」 スーパーチェンバーミュージック~Adagio~』。
このツアーは3月22日に発売されたNH&K TRIOとしてのニュー・アルバム『Adagio』を携えて行なわれる。
NH&K TRIOとは、ヴァイオリニストの葉加瀬太郎、ピアニストの西村由紀江、そしてチェリストの柏木広樹という3人。
元々、音大時代から交流のあった3人がそれぞれの活動を行いながらトリオを結成したのは2019年。
以来毎年、八ヶ岳高原音楽堂を舞台にサマーリゾートミュージックコンサートを開催してきた。
そして八ヶ岳高原音楽堂の持つ臨場感の中で、2020年よりレコーディングされて完成したのが同アルバムである。
なおこのアルバム・リリースを機会に、3人は各自の活動とは別にNH&K TRIOとしても本格的に始動する。

さて、コンサートはニュー・アルバムの1曲目を飾る「エトピリカ」でスタート。
葉加瀬の「ひまわり」、西村の「ビタミン」、 柏木の「羽根屋」などそれぞれの代表曲を含めたニュー・アルバムの収録曲を7曲、コンサートの前半に固め、3人だけで演奏した
ヴァイオリン、ピアノ、チェロによる室内楽というスタイルである。3人に共通するのは、歌心あふれる演奏。まるで3人が会 話しているかのような演奏は、深呼吸するようにリラックスした感覚で聴くことができた。
それはクラシック出身の演奏技術を持つ3人だから、気心の知れた旧知の仲だからこそできる表現のかたちなのだろう。

休憩をはさんで始まった後半は、第一ヴァイオリン、第二ヴァイオリン、ヴィオラ、コントラバスの4人が参加。つまり、弦楽五重奏プラス・ピアノをバックに葉加瀬が弾く形になる。
この編成で、葉加瀬のアルバム『エトピリカ』からの曲を中心に演奏。トリオによるアダージョな演奏も素晴らしかったが、7人編成によるダイナミックな演奏は迫力満点。
葉加瀬のこれまでのコンサートでオープニングを飾ったこともある「Another Sky」、リゾート感あふれる「シシリアン セレナーデ」、舞踏の映像とのコラボも鮮かな「To Love You More」など、葉加瀬の代表曲が聴き慣れたバンド形態ではなく、室内楽という形で再構築されていたのはお見事であり新鮮でもあった。
さあ、いよいよコンサートも終盤を迎え、アストル・ピアソラの「リベルタンゴ」、ブラームスの 「ハンガリー舞曲第5番」で一気にヒートアップ。

アンコールはいつもコンサートのハイライトとなるノリノリの「情熱大陸」。
コンサート・グッズである“ハカセンス・ライト”が客席で光り、曲を盛り上げていた。
そして美しい音色とメロディが印象的な「Adagio」。映像も含めて平和への願いと祈りを込めた、感動的なラストであった。

さて、今回のツアーでは大ホールで室内楽をパフォーマンスするためのチャレンジが行われている。
その一つが大ビジョンの映像、照明とのコラボレーション。バックに映し出された世界各国の街や自然の映像と光が交差することで、人の動きやアクションのない室内楽でありながらステージ上には動きが感じられた。
さらに楽器を、生音ではなくPAシステムを通すことによって、クラ シック楽器の持つ力強さと繊細さ、つまりダイナミクスを100%捉えて客席へ届けることに成功していた。
全国11箇所、14公演におよぶこのツアーを葉加瀬太郎は5月14日の東京国際フォーラムA公演まで全力で駆け抜ける。
葉加瀬をはじめメンバー全員が奏でる素晴らしい演奏と音色、軽快なトーク、そして楽しさ満点の演出。誰もがハッピーな気分になれる葉加瀬太郎流のエンタテインメントを是非、体験していただきたい。

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