葉加瀬太郎

葉加瀬太郎 コンサートツアー2023年 『THE SHOW TIME』 初のLiveアルバムを引っ提げ“開幕 ”

葉加瀬太郎、年末まで続く秋のコンサートツアーが9月8日(金)神奈川:よこすか芸術劇場で幕を開けた。
タイトルは『葉加瀬太郎 コンサートツアー 2023 THE SHOW TIME』。

このツアーは8月2日に発売されたニュー・アルバム『THE SHOW TIME』を携えて行なわれる。
ニュー・アルバムは、葉加瀬太郎にとって初のライヴ・アルバムであり、2022年のコンサート・ツアー [BEAUTIFUL WORLD] より、厳選された音源をセレクト。
お馴染みのスーパーバンド(羽毛田丈史:Pf、大島俊一:Key,Sax.etc、柏木広樹:Vc、田中義人:Gt、天野清継:Gt、八巻誠:Manip、屋敷豪太:Dr、渡辺等:Ba、田中倫明:Per)との名演が収録されている。

今年の春のコンサートは「NH&K TRIO」(ヴァイオリニストの葉加瀬太郎、ピアニストの西村由紀江、そしてチェリストの柏木広樹という3人)をフィーチャーし、スーパーチェンバーミュージック~Adagio~と銘打たれていた。
大ホールでアコースティックな室内楽をパフォーマンスするという新しい試みは話題となり、大きな評価を得たことはまだ記憶に新しい。
一転して秋の本ツアーは例年の通り、エレクトリック楽器やコンピューターも使ったハイブリッドなサウンドでのパフォーマンスが展開される。
メンバーはこの3年、不動のスーパーバンドの面々。この豪華なメンバーを4カ月にもわたって押さえるのは大変だ。それを可能にしているのは葉加瀬太郎というアーティストの求心力に違いない。

葉加瀬太郎

コンサートは「The Mission to Complete」でスタート。ギターのリフが007的な “スパイもの” である。このようなアレンジ の幅の広さも葉加瀬太郎の音楽に楽しさを添えている。
続いてニュー・アルバムにも収録されている「Trip of Dream」「オルク ドール~プラチナの風」「To Love You More」「Feather and Leaf」。
まず哀愁漂うメロディが印象的な「Trip of Dream」。そして心地よいテンポ感と爽快なアレンジがヴァイオリンのメロディを引き立てる「オルクドール~プラチナの風」。
この曲では大島の操るテルミンが素晴らしい味を出していた。飛び道具的な扱いを受けがちなテルミンが、これほどまでにヒューマンな音色で楽器として奏られているのは感動的ですらある。

さらに、95年の葉加瀬太郎とセリーヌ・デュオンとの共演で広く知られる名曲「To Love You More」。
続いては、バンドの音楽監督である羽毛田と葉加瀬の共作であり、前半はピアノの伴奏だけをバックに後半はバンド全体で壮大に盛り上げるバラード「Feather and Leaf」。
そしてこれまでに何度もリテイクされてきた人気曲 「Wild Stalloins」で前半を終える。
休憩をはさんで始まった後半は、ニュー・アルバムでも聴ける「瑞風~MIZUKAZE~」「ひまわり」でスタート。
葉加瀬太郎本人も特にお気に入りの曲たちである。爽やかなこの2曲は、長丁場になるコンサートの中で一服の清涼剤として作用していた。
そして、お馴染み “ヴァイオリンを弾こう” のコーナーは、挙手で選ばれたヴァイオリン初心者のお客様が1名、客席からステージに上がって葉加瀬太郎にヴァイオリンの弾き方を指導してもらうという、ヤラセなしのぶっつけ本番。
このようなハプニング性の強いコーナーも綺麗にまとめてしまう、司会者としての力量も流石である。
さあ、いよいよコンサートも終盤を迎え「エトピリカ」 「Asian Roses」「新世界」と続く。
ニューアルバムには収録されていないが、ファンには人気の高い曲たちだ。そして、いつもコンサートのハイライトとなるノリノリの「情熱大陸」が始まる。

葉加瀬太郎

なんと今回より、これまでコロナ禍の影響で自粛されてきた、コンサート・グッズである “はかせんす” が復活。
曲に合わせて4色の “はかせんす” 客席を舞う華やかな光景を見るのは久しぶりのことである。
一旦終了したステージではあるが、客席では「情熱大陸」の興奮の余韻も覚めやらぬ大声援の嵐。
再びメンバーがステージに現れ、始まったアンコールは「博士ちゃん」。ダンサブルなアレンジのこの曲では踊りのパフォーマンス、メンバー全員のソロもフィーチャーされ、コンサートはいよいよクライマックスを迎える。
客席で振られていた “たろちゃんタオル” も曲を盛り上げていた。突き抜けんばかりの派手派手でノリノリのアレンジと演出は、葉加瀬太郎のコンサートの魅力の一つである。

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