Nothing’s Carved In Stone、結成15周年を記念した日本武道館公演のライブレポート到着

“10th Anniversary Live at BUDOKAN”から約5年。2024年2月24日にNothing’s Carved In Stoneの4人は再び武道館のステージに立った。5年前も、この日も、彼らはステージでオーディエンスを「同じ感性を持った仲間たち」と喩えたが、その“仲間たち”で埋め尽くされた八角形の空間に4人が姿を現した瞬間、客席から大きな大きな歓声が湧き上がり、色んな感情が溢れ出す。同じ感性を持った仲間たち…この言葉に支えられてきたことを改めて実感する。

 G.生形真一がギターを一閃して「Out of Control」でライブがスタート。Ba.日向秀和がベースを奏で、Dr.大喜多崇規がリズムを繰り出して極上の時間が走り出す。Vo./G.村松拓が叫び、オーディエンスが腕を振り上げて気持ちを返す。ステージ後方の大きなスクリーンに映し出された4人の笑顔。この場所で共有する1秒1秒が愛おしい。

 「YOUTH City」の拡がり続けるメロディに吸い込まれ、耳慣れた「ツバメクリムゾン」を共に歌い、洗練された「Chain reaction」のアンサンブルに息を呑み、「Words That Bind Us」の肉感的な手触りに酔いしれ、「Sands of Time」や「Brotherhood」に内在するエモーションに胸を焦がす。この日は、事前に受け付けた楽曲リクエストの上位20曲と過去11枚のアルバムを辿る全30曲超というスペシャルなライブ。様々な表情を持つ楽曲が並んだセットリストは、パーマネントで普遍的なセンスを持つ彼らの、進化と努力の足跡を辿るような、ファンにとって至福の時間。

 スクリーンに映し出された映像の数々も必見だった。「村雨の中で」のライブの情景に投影した歌詞や、「Diachronic」に導く心憎い演出。それは4人が鳴らす音楽の魅力を増幅させ、拡張させ、バンドと楽曲の世界観を表現した映像作品と言えるほど。ライブと映像の化学反応に何度も胸が熱くなる。

 温かいメロディが焼き付けられるようなインパクトで胸に染みる「Walk」のエンディング、ゲストとしてSOIL&”PIMP”SESSIONSのタブゾンビ(Tp.)が登場し、続く「Inside Out」でも共演して会場を沸かせる。村松が「俺達を依代にしてでっかい花を咲かせませんか?」「お前のことだ!」と何度も叫んだ「きらめきの花」では武道館を笑顔で埋め尽くす。

 「今日みたいな日が俺達にとって最高の1日。音楽やっててよかった。15年やっててよかった」と村松が感慨深げに言い、その言葉に続けて鳴らされた「Music」で胸が更に熱くなる。ライブの節々から伝わってくる4人の想いにオーディエンスが大きく強く反応し、会場の熱がぐんぐん上がっていく。

再びタブゾンビが参加した「Spirit Inspiration」でオーディエンスを跳ねさせ、無敵感を帯びたまま「Idols」で武道館を大きく揺らし、村松が「大切な曲」と言った楽曲リクエスト1位の「November 15th」へ。大喜多が立ち上がって腕を高く揚げ、生形と日向が演奏しながら客席に目を向け、村松は溢れ出てくる感情を抑えるような表情で歌う。何度も何度もライブで演奏され、その度に仲間たちに愛され続けてきた同曲は、今日も高らかに鳴り響く。

1

2