The Cheserasera 下北沢CLUB Que

前身バンドの結成から数えると既に約8年。
2014年のメジャー・デビュー以降、はっきり言ってしまえば”順風満帆”と言い難い2年間だった。
とはいえ、バンドマンが結成から永遠に”順風満帆”な活動を送っているというのはありえないと思っている。
敢えてそう書いたのは、The Cheseraseraというバンドの今は、その”順風満帆”への過渡期だと思えたし、様々な逆境というマイナスを全てプラスに変えて、今尚ロックしていると断言できるからだ。

その1つのポイントになったであろう、環境の変化もあった。
約2年間在籍したメジャーを離れ、今年の6月に発表した配信シングル「I Hate Love Song」を皮切りに、自主レーベルを立ち上げる選択をした彼ら。

余りにもストレートなバンドサウンドに、1度聴けば忘れられないメロディと共に紡がれる詞は「待ってました!」と言っても良いし、「期待通り!」って言っても嘘じゃない。
元々、クオリティの高い楽曲を数多く生み出していた彼らだからこそではあるが、この時点で「次のアルバムはバンドとしても自信作なんだろうな」と、勝手に想像できていた。
そして、実際にドロップされた「dry blues」。

昨今、音楽の聴き方は十人十色でシャッフルやオリジナルのプレイリストなんて当たり前のようになり、”アルバムを聴く”というより”曲を聴く”というニュアンスの方が正しいようにもなっている気がする。
このアルバムは、そのシャッフルやオリジナルのプレイリストに組み込まれるには勿体ないくらい”アルバムを通して聴く”という、ごく当たり前だった聴き方を改めて提示してくれた。

ロードームービーを観ているかのような、とても濃い作品であると同時に、メンバーの表情さえも想起させられてしまう、リアルで聴き終わった後の余韻が心地よいアルバムだ。
それでいて、これまでの楽曲で足跡を残してきたとするならば、「dry blues」に収められた楽曲は、この時代にThe Cheseraseraとして残す爪痕のような、とても深い作品でもあると断言しておきたい。

そんなアルバムを掲げたツアーのファイナル公演を観ることができた。
私がこの日のThe Cheseraseraを観るまで、6月に開催された[The Cheserasera Presents “june dry blues” -ワンマン公演-]の新宿SAMURAI公演から約4ヶ月のブランクがあった。

会場も違えばセットリストも違う。同じ事実があるとすれば、両公演ともソールド・アウトだったことくらいだろうか。
「僅か5ヶ月の間に何が起こったのだろう」
そう思わずにはいられない程、The Cheseraseraのパフォーマンスはその4ヶ月前が赤い炎とするならば、炎の中心で色めく、一番温度が高いといわれる蒼白い炎を灯したように、はっきりとその違いが見えた。

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