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WANIMA「Boil Down 2020」完遂!!およそ10ヶ月ぶりとなった有観客ライブで全16曲を披露!!更に新曲「Boil down」初公開

2nd MINI ALBUM「Cheddar Flavor」を9月23日にサプライズリリースしたスリーピースロックバンド:WANIMAが、およそ10ヶ月ぶりとなった有観客ライブ「Boil Down 2020」を昨日12月17日(木)に東京ガーデンシアターにて開催した。
最新作「Cheddar Flavor」収録曲「春を待って」・「Milk」など全16曲を披露!!そして、この日の為に制作された新曲「Boil down」がオープニングSEとして初公開されるなど待望の有観客ライブを完遂した。
更にアンコールの最後に「HOPE」を披露し終えたメンバーから、「Cheddar Flavor Tour 2021」を2021年4月28日 (水) Zepp Tokyoでのライブを皮切りに全国11箇所21公演にて開催することが発表となった。

「Boil Down 2020」はWANIMAとお客さんにとっての1年を締めくくるスペシャルな忘年会になるようにと新たに立ち上げられたイベントで来年以降も毎年12月に開催していく予定。なおこの模様はお客さんと新しいライヴの楽しみ方を見つけていきたいとのことで配信ライブでも同時生配信された。

■ライブレポート text by 小川智宏
Photo by 瀧本JON…行秀

じつに今年2月23日以来となるWANIMAの有観客ワンマンライブ、「Boil Down 2020」。「煮詰める」という意味のこのイベント名が物語るように、この数ヶ月をかけてとことん煮詰められたWANIMAの思い、そして会場となった東京ガーデンホールに集まったファンの思いが濃密に溢れ出す、最高に幸せで、希望に満ちた一夜だった。

開演が近づくとBGMに合わせて自然と客席から手拍子が巻き起こる。そして灯りが落ち、新しくSEとしてこのイベントの名前を冠した「Boil down」が流れ出す。エモーショナルで力強いメロディをもった曲だ。そしてFUJIがドラを打ち鳴らし、KENTAが「Boil Down 2020、開催しまーす!」と叫ぶ。さあ、いよいよだ。そうして始まった1曲目は「エル」。緑のベースを鳴らしながら、時折客席に手を振ったりしつつ歌うKENTAの笑顔がまぶしい。KO-SHINの力のこもったギターソロを経て、マイクを手にKENTAが手拍子をあおる。鬱憤を跳ね返すようなエネルギーと、いつものようにお客さんとともに声を出して歌うことはかなわないが、そのぶん丁寧に音楽を届けようという気持ち、相反するようでじつは根っこは同じ、そんな気持ちがダイレクトに伝わってくるような演奏だ。観客は手振りや表情でその思いを受け止め、返していく。周りを見渡せば、当然みんな笑顔だ。

「とうとう、われわれと皆さんのBoil Down、始まりました!」。2曲目「雨あがり」を晴れやかに繰り出したあと、KENTAが改めて挨拶。「誰かもわからず配信を観ている人」(そんな人はいない)のために自己紹介をし、「やっと、開催できました。ありがとうございます!」と感謝の言葉を口にする。新型コロナウィルスの影響で、今年2月、道半ばにして止まってしまった「COMINATCHA!! TOUR 2019-2020」。ツアーファイナルを9月にZOZOマリンスタジアムで無観客ライブとして開催したものの、そこには決定的な「何か」が足りなかった。「改めてみんなの存在が必要なことがわかった」と言うKENTA。だからこそ今日という日を「待ち望んでました!」と叫ぶ。こうしてお客さんの前で音を鳴らせる喜びが、言葉の端端からも表情からも伝わってくる。コロナ禍の状況を前に誰よりも苦しみ、何かできることはないかと考え進んでてきたWANIMAだからこそ、「みなさんと少しでも新しい一歩を踏み出せたらいいなと思ってやってます」という言葉が深い意味をもつ。

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「懐かしい曲もやります」というKENTAの言葉どおり、レアな曲も次々と披露されていく。1stフルアルバム『Are You Coming?』収録の「いつもの流れ」を途中ちょっと歌詞を飛ばしたりしながらもキレッキレの演奏で走り抜けると、KO-SHINのリフとダンサブルな4つ打ちビートに乗せて「ここ(心の中)で歌ってください」と声を出したくても出せないお客さんともコールアンドレスポンスをかまし、「ララバイ」へ。客席が一気に波打ち、拳が次々と上がる。緩急を自在に操りながら、いつも通り呼吸をひとつにしたアンサンブルが僕たちの心を弾ませる。そしてここで1stミニアルバム『Can Not Behaved!!』から「昨日の歌」を投下! どこどこと連打されるタムに乗せて、KENTAがマイクを持ってステージの端から端へと練り歩く。メロディと歌詞に合わせていろいろに揺れ動く観客の手がまるで歌っているようだ。

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感染防止策を講じつつ客席のファンとKENTAが直接コミュニケーションを取るというめちゃくちゃ特別な展開となった恒例のリクエストコーナー(演奏されたのは「1CHANCE」)を経て、レーザーライトが会場中を貫いた「Japanese Pride」へ。ヘヴィなサウンドがいっそうテンションを上げる中KENTAが「やっぱ、みんなおってよかった!と素直な気持ちを叫ぶ。そしてイントロを引っ張って再びこんな時だからこその形でコールアンドレスポンスを決めると「いいから」を披露する。観客とのコミュニケーションがキモのこの曲、客席からの歌声はないが、手拍子と振り上げた腕がそれ以上にもり立て、一気に一体感は加速した。

と、ここで鳴り響く鈴の音。この季節にあまりにもぴったりすぎてイントロだけで泣きそうな「SNOW」だ。客席では誰からともなくスマホのライトがいくつも灯って振られる。切なく歌い上げるKENTAの声、KO-SHINの繊細なギターがひときわ大きな感情の波を生み出して、客席を覆っていく。続けてそのままの雰囲気でしっとりと入った「Milk」。一気にギアを上げると、開放的で力強いサウンドが広がっていく。「Milk」はこの2020年、まさにコロナ禍のなかで生まれたWANIMAとファンの約束の曲だ。これをようやく生で聞けた喜びが、胸の奥から込み上げてくる。アッパーなビートとメロディが、深い哀しみを乗り越えていく強さを描き出していく。

さあ、次の歌は? というKENTAの声から始まったのは待ってましたの「オドルヨル」。細かく刻まれるリズムと言葉がどこまでも客席を踊らせる。「飛び跳ねて!」。KENTAに言われるまでもなく、みんなのテンションは上がりっぱなしだ。テンポチェンジや転調を繰り返すたびにどんどん熱くなっていくのだ。

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