香港ポップス界のスター歌手デニス・ホーを追ったドキュメンタリー映画『デニス・ホー ビカミング・ザ・ソング』(原題:DENISE HO: BECOMING THE SONG)が6月より渋谷のシアター・イメージフォーラムにて緊急公開される。
本作は香港での公開は不可能であり、アメリカではバーチャルでの公開となった為、日本での公開が世界初のロードショー公開となる。
日本ではジョニー・トー監督の『奪命金』(11)への出演で知られるデニス・ホーの挫折と再起が描かれた予告編。
同じく香港の大スターであるアニタ・ムイに憧れ音楽界へと進んだデニスは、人気絶頂の最中、2012年に香港の女性芸能人で初めて同性愛者であることを公表し、2014年には香港の「雨傘運動」で逮捕されるなど、苦難の道のりを歩んできた。
そのような経緯で中国のブラックリストに入ってしまった彼女が再起をかけて、香港の自由のために立ち上がる姿が映し出されている。
作品概要
2014年に香港で起きた「雨傘運動」。警官隊の催涙弾に対抗して雨傘を持った若者たちが街を占拠したこの運動に、一人のスーパースターの姿があった。彼女の名前はデニス・ホー。同性愛を公表する香港のスター歌手である彼女は、この雨傘運動でキャリアの岐路に立たされていた。彼女は、中心街を占拠した学生たちを支持したことで逮捕され、中国のブラックリストに入ってしまう。次第にスポンサーが離れていき、公演を開催することが出来なくなった彼女は、自らのキャリアを再構築しようと、第二の故郷モントリオールへと向かうのであった。
スー・ウィリアムズ監督による長期密着取材によって浮かび上がるのは、香港ポップスのアイコンであった彼女が、香港市民のアイデンティティと自由を守るために声を上げる一人のアーティスト、そして民主活動家へと変貌していく様である。その物語は、歪な関係にある香港と中国、過去30年間の情勢を見事に反映している。
そして、2019年6月。香港で逃亡犯条例改正に反対するデモが起き、彼女は再び岐路に立たされた。数百万のデモ参加者が街頭に繰り出した時、彼女は催涙ガスと放水砲が飛び交う通りに立ち続け、デモ参加者を守ろうとする。そして、国連やアメリカ議会で香港の危機的状況について訴え、自由と民主主義を守ろうとする人々の姿を世界に発信していくのだった。自由を求める香港の人々の声が、デニス・ホーという存在に重なり、その願いが一つの歌となって響き渡る。
映画の幕は閉じるが、香港の闘いはまだ終わっていない…!
監督・脚本・制作:スー・ウィリアムズ 製作総指揮:ヘレン・シウ
共同製作:ジュディス・ヴェッキオーネ 共同制作:ヌシャ・ベイラン
オリジナル音楽:チャールズ・ニューマン 編集:エマ・モリス 撮影:ジェリー・リシウス
字幕:西村美須寿 字幕監修:Miss D 協力:TOKYO FILMeX、市山尚三 資料監修:江口洋子
配給・宣伝:太秦 【2020/アメリカ/ドキュメンタリー/DCP/83分】 ©Aquarian Works, LLC
公式サイト:deniseho-movie2021.com Twitter:@deniseho_movie