10月2日、DADARAYが東京国際フォーラム ホールCでワンマンライブ『時雨になるのよ』を開催した。9月にセカンドアルバム『ガーラ』を発表したDADARAYにとって、この日は約2年ぶりの有観客ライブ。じっくり作り上げた新曲たちを直接届け、オーディエンスと同じ空間を共有する喜びに溢れた一夜となった。
スパンコールを模したようなキラキラと輝くステージにメンバーが登場すると、休日課長のレシピ本『ホメられるとまた作りたくなる!妄想ごはん』を原案としたドラマの主題歌“Ordinary Days”からライブはスタート。ポップな曲調から一転、課長の「妄想」を表現した中盤のパートではREISが英詞でラップを披露し、早速新たな表情を見せる。“GALS”では会場が手拍子で包まれる中、REISは両手を自由にヒラヒラと動かして歌い、課長のベースソロを挟んで、アウトロではえつこと熱いフェイク合戦を繰り広げた。
フレンチポップ風の“場末”に続いて、課長の歪んだベースから始まるロックナンバー“ダダックス”では、REISがキーボードから離れてステージ前方で軽快にステップを踏みながら歌い、えつこはショルダーキーボードを抱え、ソロを披露して盛り上げる。さらに、パンキッシュな“蛮勇”でREISが初めてエレキギターを持ち、えつこと向き合いながら歌う様子は実に新鮮。アウトロではサポートのギター・木下哲とドラム・佐藤丞も含め、全員が楽器を鳴らして混沌とした空間を作り上げたりと、ライブ序盤からテンション全開だ。
課長が「こんばんは、DADARAYです」と挨拶をするも、「あれ?いつもこんな声だったっけ?」と戸惑いを見せると、REISが「有観客ライブ2年ぶりですからね。声も忘れちゃうよね」と笑い、会場からは「待ってたよ」と言わんばかりの大きな拍手が起こる。えつこがテクニカルなピアノソロで魅せる“流光”のあとは少し落ち着き、ミドルテンポの“恋してばかり”に続いて披露された“誰かがキスをした”では、REISのシンガーとしての表現力が改めて際立つ。“パリ帰りのレインボー”では課長がウッドベースを弾き、生楽器と電子ドラムを組み合わせたり、“URARAKA”ではえつこがアナログシンセでドリーミーな曲調を表現したりと、バラエティ豊かな新曲たちがステージで見事に再現されていく。
ニューアルバムについて「長く聴いてもらえたら嬉しい」と語ったあとは、REISが「えつこ、カモン!」と振って、えつこのキーボードから“fake radio”が始まり、課長がクールなループフレーズで存在感を発揮。ライブ後半ではお馴染みの楽曲を続けて、客席から自然と拍手が起こった“美しい仕打ち”から、ダンスミュージック風の4つ打ちナンバー“僕らのマイノリティ”に繋げると、オルガンをフィーチャーした間奏でREISが振り付けをオーディエンスとともに踊り、会場全体で一体感が生まれていく。