ノラ・ジョーンズはデビュー・アルバム『ノラ・ジョーンズ(原題:Come Away with Me)』の20周年を記念したスーパー・デラックス・エディションより“Spring Can Really Hang You Up The Most”のデモ音源が公開されている。
CD3枚組となる本作はノラ・ジョーンズ本人と、デビューから彼女を手掛けてきたブルーノートのイーライ・ウルフによる監修で、最新リマスター音源と22曲の未発表音源が収録される。
このデモ音源はノラ・ジョーンズが通っていた高校の音楽室にてピアノの弾き語りで録音し、デモ音源としてブルーノートに送ったというキャリア最初期の超貴重音源で、今回が世界初公開となる。
デモ音源はこちらから。
ディスク1には当時マスタリングを手掛けたテッド・ジェンセンによるオリジナル・アルバムの最新リマスターが収録され、ディスク2には最初期に制作され、ブルーノートとの契約のきっかけになった完全未発表の最初期デモ音源11曲、そしてデビュー当初にプロモーション用として制作されたレアEP『ファースト・セッションズ』が収録される。
ディスク3にはブルーノートとの契約後にクレイグ・ストリートのプロデュースでレコーディングされたものの、当時のブルーノートの社長だったブルース・ランドヴァルの意向によりアルバム収録が見送られた音源が収録される。
ニューヨークのオールエアー・スタジオでレコーディングされたため「オールエアー・セッションズ」と呼ばれるこれらの音源は“Seven Years”、“Feelin’ the Same Way”、“The Long Day Is Over”の3曲が追加の録音とミックスを経てアルバムに収録された以外はお蔵入りとなった幻のもので、全13曲中11曲が完全未発表となっている。
今回ライナーノーツもノラ・ジョーンズ自身が執筆しており、その中で次のように述べている。「このアルバムは信じられないほど誇らしく、一緒に作ってくれたみんなにとても感謝しているわ。最初の試みとしては良かったと思うし、その時の私を音楽的に本当に捉えていると感じたから、最高に誇らしく、望んでいたことを全て実現出来たプロダクションだった。アルバムとしてリリースする前に、いくつかの異なる道を探ることができたことにも今はとても感謝しているわ。レーベルも含め、誰もこのアルバムがこれほどの成功を収めるとは思っていなかった。ブルース(・ランドヴァル)とブルーノートの特別なチームには、自分のサウンドを見つけるチャンスを与えてくれたこと、そして私の思うような作品を作らせてくれたことに一生感謝したい」
彼女は次のように続けている。「未発表だった音源を聴き返して、誰も聴いたことのないアルバムの別世界にタイムスリップしたような気分になったわ。クレイグ(・ストリート)に今回のリリースについて話をしたら、彼はエンジニアのトニー・マセラティに録音のバランス調整を依頼したらどうかと提案してきたの。これで私のボーカルがより前に出てきて、当時22歳だった小さな自分が新しいことに挑戦し、周りの音楽にうまく溶け込んでいたのをようやく聴きとることが出来たわ。過去20年間に1度しか聴いたことのないこのセッションを再び振り返ったとき、素敵な驚きがあった。クレイグと再会し、当時のセッションを今回仕上げることができて凄くうれしい。私は彼から多くのことを学んだの。私はオールエアー・スタジオで過ごしたあの時間を夢のようなファンタジーのように考えていて、これらの録音を聴くと今でもそのような気持ちになるのよ」