『ブライアン・ウィルソン/約束の旅路』監督オフィシャルインタビュー

『ブライアン・ウィルソン/約束の旅路』監督オフィシャルインタビュー

元ビーチ・ボーイズのブライアンに密着した初めてのドキュメンタリー『ブライアン・ウィルソン/約束の旅路』が、全国にて公開中です。この度、本作の監督を務めたブレント・ウィルソンのオフィシャルインタビューを解禁します。

ブライアン・ウィルソンのドキュメンタリーを撮ろうと思ったきっかけ

長い間、ブライアン・ウィルソン、ビーチ・ボーイズファンではあったんです。たくさんのドキュメンタリーも観て、本もたくさん読んできました。それでもブライアン・ウィルソンがどういう人間かは分からなかったんです。それで自分がそれをやるべき人間だと思いました。そこから本物のブライアン・ウィルソンをどういうふうに見つけていくかっていう道をたどることになったわけです。まず、「スピリチュアルハーモニー」というドキュメンタリーを作りました。ブライアン・ウィルソンも出演してくれています。1950年代のドゥーワップのミュージックについてのものです。その映画を作る過程において、ブライアンにインタビューすることができました。そして次のプロジェクトを考えた時に、次はブライアン・ウィルソンはどうだろうとなったわけです。すでに彼とのつながりがあったから、アイディアを持ってアプローチをかけました。そして素晴らしいことにブライアンは“イエス”と言ってくれたわけです。そして自分の音楽のヒーローの映画を作ることになりました

はじめは通常のインタビューで構成しようと考えていたと伺いましたが、ブライアンとジェイソン・ファインのドライブ形式での撮影に切り替えた理由を教えてください。

最初は今の状態とは全く違う方法で撮ろうとしました。まあ必然というか流れでドライブ形式になりました。私一人でインタビューを3度試みましが、それは全部散々たるものでした。それで私は失敗した、キャリアも終わった、もう二度と映画を作れないんじゃないかと思いました。でもローリングストーンの編集者のジェイソン・ファインに連絡したらどうかとブライアンのマネージャーから私に提案してくれました。ジェイソンは何度もインタビューをしてきているし、大事な友人でもある。ブライアンをインタビューするにあたってジェイソンにそのプロセスについて聞いたら、ブライアンをそのまま車に乗せてLA中をドライブしながらその間に質問をするというものでした。それを聞いて素晴らしい映画になりそうだと予感しました。自分自身が観たいような映画になるんじゃないかと思ったんです。ブライアンが音楽界の王子で、LAの世界に生きている、まして友達と一緒に音楽を聴きながら車でドライブをするというものですよね。ジェイソンにカメラに映る側はどうだろうと相談したらイエスと言ってくれた。そういういきさつがありました。

今回の撮影で大変だったことは?

私が望んだのはすぐカメラの存在を忘れてくれるということでした。小さいカメラが車の中に色々仕掛けられているんですけど、車が走り出したら、時間を忘れてカメラの存在も忘れてくれることも願ってましたし、それを期待していました。ただ二人のバディが街を走っているって感じですね。運がいいことにそういうことになりました。その車の後ろを走っている車に僕は乗っていました。彼らが何を話しているかは僕は聞こえている状態です。後ろからついて行って会話を聞きながら、たまにジェイソンにテキストを送って質問を投げたりしていました。ジェイソンはとても大変な作業が待っていて、とても大切な荷物を運びながら、私のテキストにも応えて、さらに音楽を選びながらかけて、そして運転をしているというタスクが山盛りだったんです。なのでジェイソンは事故を起こしてしまうんじゃないかと本気で怖がっていました。幸運なことに彼は上手くやってくれましたね。ブライアンもすごくわかりにくい曲をリクエストしたりして、ジェイソンはとても大変だったと思います。

今回、撮影には3年間、編集に9か月かかったと伺いました。
映画に映し出されていないブライアン・ウィルソンはどのような様子だったのでしょうか?

十代のころに家族とよく行っていたメキシカンのレストランがあってブライアンもいいね!って言ってくれてたので、そこに行こうとブライアンを迎えに行ったらやっぱり行かないってなって、、その店5回くらい予約しました。毎日のようにそういうことが起きるわけです。全く予想がつかないタイプの人間でした。良いことでもあるし、悪いことでもあるけれど、良い意味で裏切ってくれるということでもある。弟のソロアルバムを作るというシーンがあるかと思うのですが、デニスがレコーディングした「パシフィックオーシャンブルー」ですが、ブライアンは一度も聞いたことが無かった。彼が聞きたいと言ってくれたことに僕とジェイソンはとても驚きました。このように良い意味でのサプライズが多かったです。

ビーチ・ボーイズやブライアン・ウィルソンの個人的な写真やホームビデオなども多数登場しておりましたが、これは本人から提供されたものなのでしょうか?

 ブライアンの写真とかプライベートなところまでアクセスする権利を貰えて、すごく光栄でした。結婚式の映像を見せてくれないか?という質問に対してイエスと言ってくれて、ブライアンの妻のミランダも了承してくれました。誓いを立てるところで失敗をする、言いよどんでしまうというのを見つけました。その辺は本当に普通の男性だと思いました。そういった部分も映画の中に入れることができて本当に嬉しいです。それはブライアンと家族から信頼を得た結果で、とてもありがたく思います。

撮影を通して、改めてブライアン・ウィルソンという人物はどのような人だと思いますか?

ブライアンの人間らしい面とレジェンドの面を両方発見できました。彼がどれだけユーモアのセンスがあり、仲間たちと一緒にいるとき、バンドメンバーやクルーと一緒にいるときなどはとても楽しかったし、その一面を見れたことはとても嬉しかったです。
アスリートとしても素晴らしいというのも驚きました。オタクっぽい感じでレコードばっかり聞いてるような高校時代を過ごしているっていうイメージがあったのですが、フットボールチームのクウォーターバックでもあったし、野球のチームではセンターを守っていたし、たくさん友達もいて、本当に普通のティーンエージャーで、野球をやりたいという夢があった。どれだけ普通だったかということが発見でした。

見所や、ファンへメッセージをください

人間としての本当のブライアンをどう捉えているかっていうところ。そしてブライアン・ウィルソンが人としてどれだけ強いかも観てもらいたいです。

ブライアン・ウィルソン/約束の旅路

監督:ブレント・ウィルソン 製作:ティム・ヘディントン、テリサ・スティール・ペイジ、ブレント・ウィルソン
製作総指揮:ブライアン・ウィルソン、メリンダ・ウィルソン、ジェイソン・ファイン 共同プロデューサー:ジャン・ジーフェルス
出演:ブライアン・ウィルソン、ジェイソン・ファイン、ブルース・スプリングスティーン、エルトン・ジョン、ニック・ジョナス、リンダ・ペリー、
ドン・ウォズ、ジェイコブ・ディラン、テイラー・ホーキンス、グスターヴォ・ドゥダメル、アル・ジャーディン、ジム・ジェームズ、ボブ・ゴーディオ
2021年/アメリカ/英語/93分/原題:Brian Wilson: Long Promised Road/字幕監修:萩原健太
配給:パルコ ユニバーサル映画 宣伝:ポイント・セット Ⓒ2021TEXAS PET SOUNDS PRODUCTIONS, LLC
universalpictures.jp 公式サイト:https://www.universalpictures.jp/micro/brian-wilson

関連NEWS

  1. 355

    ジェシカ・チャステイン、ペネロペ・クルス、ルピタ・ニョンゴ、ダイアン・クルーガー、ファン・ビンビンなどの実力者が集結し、世界を救うミッションに挑む、スパイ・アクション大作、“355”日本公開が2022年2月4日(金)に決定

  2. クリエイション・ストーリーズ

    『クリエイション・ストーリーズ』特典映像満載のDVD、配信リリース決定

  3. マーベラス

    『ジョン・ウィック』製作スタジオ ×『007/カジノ・ロワイヤル』監督が描く超一流たちの殺しの美学『マーベラス』公開&邦題決定

  4. グロリア 永遠の青春

    『グロリア 永遠の青春』予告編と場面写真が解禁

  5. Kanye West

    Kanye West、最新作と同時公開された映画『ジーザス・イズ・キング』の日本公開が決定

  6. サウダーヂ

    『サウダーヂ』10周年記念 デジタルリマスター版が劇場公開決定

  7. ワン・プラス・ワン

    ジャン=リュック・ゴダール × ザ・ローリング・ストーンズ 『ワン・プラス・ワン』 高橋幸宏さんら寄稿、豪華レコードデザインのパンフレット発売決定

  8. LETO -レト-

    『LETO -レト-』パンクロックの名曲「サイコ・キラー」に彩られた本編映像を解禁。

  9. All the Streets Are Silent

    『All the Streets Are Silent:ニューヨーク(1987-1997)ヒップホップとスケートボードの融合』本編より、貴重動画解禁

  10. ベネディクト・カンバーバッチ主演『ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ』ポスタービジュアル2種一挙解禁

    映画『ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ』ベネディクト・カンバーバッチ特別映像解禁

  11. ファイナル アカウント 最後の証言

    『ファイナル アカウント 最後の証言』公開決定

  12. べロゴリア戦記

    ディズニー・ロシアが贈る史上空前のアクション・アドベンチャー超大作!『べロゴリア戦記』 2作連続公開

  13. キノフィルムズ10周年 & キノシネマ3周年記念フェスティバル開催決定

  14. ベルイマン島にて

    ミア・ハンセン=ラブ監督の最新作『BERGMAN ISLAND』、邦題『ベルイマン島にて』として日本公開

  15. すべてうまくいきますように

    フランソワ・オゾン監督新作『すべてうまくいきますように』主演コメント、ビジュアル、場面写真が解禁

  1. 竹内まりや

    竹内まりや、11年ぶりの全国アリーナツアーが決定

    2024.09.19

  2. 渋谷すばる

    渋谷すばる、犬と遊び、戯れる「君らしくね」のMV公開

    2024.09.18

  3. LUNA SEA × GLAY 伝説の夜再び!25年の時を越え東京ドームで競演! 2025年2月22日(土) 「The Millennium Eve 2025」開催決定

    LUNA SEA × GLAY 伝説の夜再び!25年の時を越え東京ドームで競演! …

    2024.09.18

  4. Mercury Prize

    2024年のMercury Prizeの受賞作品が明らかに

    2024.09.18

  5. Fontaines D.C.

    Fontaines D.C.、Chet Bakerで知られる「Let’s Get Lost」をカヴァ…

    2024.09.18

  6. Syd Barrett、2023年に海外で公開され、日本でも今年劇場公開された…

    2024.09.18

  7. Pink Floyd

    David Gilmour、Pink Floydのカタログ音源の売却は「夢だった」と語…

    2024.09.18

  8. Fat Dog

    Fat Dog、BBCで収録された「Running」のスタジオ・ライヴ映像が公開

    2024.09.18

  9. The Jesus and Mary Chain、ニュー・シングル「Pop Seeds」の音源が…

    2024.09.18

  10. Aphex Twin

    Aphex Twin、「th1 [evnslower]」の音源が各種ストリーミング・サー…

    2024.09.18

  1. 朝霧JAM

    朝霧JAM’24、タイムテーブルを発表

    2024.09.13

  2. 朝霧JAM

    朝霧JAM’24、出演日別ラインナップ発表

    2024.08.30

  3. 山人音楽祭2024、タイムテーブル発表

    2024.08.30

  4. オハラ☆ブレイク

    オハラ☆ブレイク’24 愛でぬりつぶせ、タイムテーブル&追加出演アー…

    2024.08.23

  5. Slow LIVE

    Slow LIVE’24 in 金沢公演 土岐麻子の出演が決定

    2024.07.19

  6. THE DROP FESTIVAL 2024 in MIYAZAKI

    『THE DROP FESTIVAL 2024 in MIYAZAKI』期間限定再結成を発表したA…

    2024.07.19