セックス・ピストルズのドラマーであるポール・クックはセックス・ピストルズの再結成の可能性を否定して、「実現する可能性はまったくもってない」と語っている。
「どんな形であれやりたくない。特に去年あったセックス・ピストルズの裁判の後ではね。あれはめちゃくちゃだった。高等裁判所なんて最もいたくない場所だよ。かつらを被った人物に質問責めにされるんだ」とポール・クックは『NME』に語っている。「あれはひどい体験だった」
「パブで2〜3杯やりながら解決するほうがいいわけでさ。とにかく僕らの年齢では“Anarchy In The UK”を歌うには年寄りすぎるよ。似合わないと思うね」
ポール・クック、ギタリストのスティーヴ・ジョーンズはダニー・ボイルが手掛けた伝記映像作品『ピストル』に音楽が使用することをジョン・ライドンに拒否されたために訴訟となっていた。裁判はポール・クックとスティーヴ・ジョーンズが勝利し、ジョン・ライドンは経済的困窮に陥ったと語っている。
ポール・クックは今年5月に配信され、ジェイコブ・スレーターがポール・クックを演じた伝記映像作品『ピストル』を最近になってようやく観られるようになったとも語っている。
「時間をとって馴染ませる必要があった。裁判があって生々しいものだったから、観られなかったんだ。ようやく何話か観られるようになったけど、監督のダニー・ボイルはいい仕事をしてくれたよ。創作ならではの部分があって、みんな理解してないけど、あれはドキュメンタリーじゃなくて、ドラマなんだ」
ポール・クックは1996年に実現した不運なセックス・ピストルズの再結成についても振り返っている。「最初はよかったんだ。タイミングもよかったし、そんなに混乱もなく、ライヴをやるにはいい機会だったんだ」
「でも、途中でバンドメンバー間の古い恨みつらみが出てきてね。1年をかけて徐々に悪化していった。最後のほうは楽しくなかったよ。全員、ユーモアのセンスがあるだけに、ぎこちないことになってしまった。すべてが終わった時は嬉しかったね」
セックス・ピストルズとしての活動に終止符を打ったことに後悔はないかと訊かれて、ポール・クックは次のように語っている。「大きな後悔の一つはセックス・ピストルズでセカンド・アルバムをやらなかったことだね。もう1枚、素晴らしいアルバムを作れたと思う。グレン・マトロックが抜けたけど、バンドにはシドがいたわけだからね」
「96年に再結成した時も挑戦するべきだったんだ。いくつかアイディアは出始めていたんだけど、ジョン・ライドンは乗り気じゃなかったから、まとまらなかった。残念だよ」
先日、ジョン・ライドンはセックス・ピストルズと距離を置いており、エリザベス女王の死を「利用している」として批判していた。
「ジョン・ライドンの見方としては、特に“God Save The Queen”との繋がりで商業的な利益を求めようとすることは現時点でエリザベス女王と彼女の家族にとって失礼であり、悪趣味です」