あと、僕らの中で普通のフェスと違うことをやりたいという思いがありました。その1つはベテランと若い人たちが同じ場所で、同じ音楽を聴いてほしいというものです。2005年、2006年時、それが如実に表れたのは、細野くんと当時まだ無名だったSAKEROCKの出演です。ベテランと若い人たちが互いの音楽を媒介として、互いに影響しあってほしい、それが僕らの一つの思いでした。2023年もそれはやりますし、僕らとしてはそこから大きくなってくれたら嬉しいです。そして、もう1つはトリビュート・コーナーです。過去には、高田渡や西岡恭蔵のトリビュートコーナーをやって、亡くなった方の歌をみんなで歌う、特に若い人に歌ってもらいたいし、歌い継がれていくことを目指していました。今回は、小坂忠のトリビュート、そして加藤和彦のトリビュートを、1日ずつ行う予定です」続いて、事務局の推薦枠で出演するいーはとーゔから戸谷大輔(Vo/G)、菊地芳将(Ba/Ch)、本フェス初出演となる民謡クルセイダーズの田中克海(G)が登場。麻田とも会話を交えながら、それぞれがこの「ハイドパーク・ミュージック・フェスティバル」出演への思いを寄せた。
菊地「僕は〈ハイドパーク〉の第一回が開催された2005年は11歳でした。リアルタイムで存じ上げていたわけではないのですが、もともとアメリカのルーツ・ミュージックが好きで、高校生のときに僕が特にリスペクトしていたミュージシャンが、このフェスにも出演したことのあるマーク・ベノだったんです。マーク・ベノを調べていくうちに、日本で〈ハイドパーク〉に出演していたことにたどり着いたのですが、当時の僕は何も考えてない子どもだったので、マーク・ベノに『もう一度日本に来てくれないか』とメールを送ったんです。すると、『麻田浩さんに言ってください』と言われまして、その時に麻田さんを知りました(笑)。この〈ハイドパーク〉は、個人的に僕がルーツとして愛聴してきた方々が軒並み出演されているので、本当に光栄です」
戸谷「自分が音楽に興味を持ち始めた中学、高校ぐらいの時に、さまざまな音楽を探求していくなかで、このフェスの存在を知りました。2005年の細野さんの印象的なステージなどは、例えば60年代とか70年代とかに行われた象徴的なフェスのようなものとして、自分のなかに存在しています。今回、歴史のあるイベントに呼んでいただけて、大変光栄です。自分も、エリック・アンダーソンとか、ウッドストックのミュージシャンを好んで聴いてきた中で、彼らが日本のミュージシャンたちと親交があったことを本やネットの記事で知り、このフェスの存在の大きさや、日本のミュージシャンと海外の伝説的なミュージシャンたちが交差する場所であることにすごく感銘を受けました。それもあって、ちょっと自分でも信じられない気持ちです」
麻田「マーク・ベノやエリック・アンダーソンは、一人で来日して、日本のバンドをバッグに演奏してくれました。珍しいと言ってしまえばそうですが、それぞれのアーティストをリスペクトしている人たちが演奏をする、音楽外交というと偉そうですが、普段なかなかそういうチャンスはありません。海外のアーティストにとっても、日本のミュージシャンと一緒に演奏をすることは、非常に珍しいことです。反対に日本のミュージシャンが海外のアーティストと一緒にやることも少し珍しいことではあるので、そういった取り組みは今回も本当はやりたいのですが、いまこういうご時勢なので難しいかなと思いつつ、可能性を追求したいと思ってます」
田中「僕は20年前に、福生の米軍ハウスが借りられることを聞いて、友達と住み始めました。そのころ、細野さんやはっぴいえんどが大好きで、いろんなルーツ音楽、ラテン・ミュージック、古い音楽を掘りながら好んで聴いていたときに、震災がありまして。それで、当時やっていたデザインの仕事も含めて、自分がやっていることが世の中のためになってるのかな?とか、いろいろ思うところがあって、楽しくやっていた音楽についても、地元や日本の大事なものを考え始めたときに、日本のルーツ音楽どうなってるんだろうと。そういったところから民謡に入ったものですから、久保田(麻琴)さんとか、細野さんとか、沖縄のルーツ音楽やライ・クーダーと一緒に掘ったりして、そういう感覚で民謡とか行けるんじゃないかな?っていうのが、民謡を聴くきっかけだったりするんです。そういう意味でも今回お声がけ頂けて恐縮し過ぎています」
麻田「そう本当に福生は大瀧(詠一)くんが住んでいて、何回かオファーしてたんですけど、結局実現しなかったので、福生からやっと…」
田中「代わりにはなりようがないので逆に恥ずかしいですけど(笑)、頑張ります。民クルは器用なバンドではないので、特別なことはできませんが、いつもやってるようなことをみんなで楽しくやるってことぐらいなのでみんなで楽しめればと思います」
「ハイドパーク・ミュージック・フェスティバル2023」では、今後クラウド・ファンディングなども実施予定。詳細は随時、オフィシャルサイトで発表されるので、続報をまとう。
ハイドパーク・ミュージック・フェスティバル2023
【日時】2023年4月29日(土)、30日(日) 両日 開場 9:00/開演 11:00
【会場】埼玉県狭山市『埼玉県営 狭山稲荷山公園 特設会場』
(埼玉県狭山市稲荷山1丁目23−1)
【出演予定】ムーンライダーズ、きたやまおさむ、松山猛、田島貴男(オリジナル・ラブ)、佐野史郎、サニーデイ・サービス、久保田麻琴、民謡クルセイダーズ、トクマルシューゴ、関口スグヤ(ex:KEEPON)、いーはとーゔ and more…
※出演アーティストのキャンセル・変更がある可能性がございます。あらかじめご了承ください。
【チケット料金】1日券:前売券 12,000円/当日券 15,000円
2日通し券:20,000円(前売のみ)
【大学・専門学校生以下】1日券:前売券 6,000円/当日券 7,000円
2日通し券:前売券 10,000円(前売のみ)
※年齢制限:小学生以下入場無料(チケットを持った保護者1人につき小学生以下1人までの同伴に限る)
【チケット受付】ぴあ最速先行
2022年11月19日(土)12:00~2022年12月11日(日)23:59
https://w.pia.jp/t/hmf/
【主催・制作】株式会社ASADA、トムス・キャビン
【協力】株式会社ムラヤマ、うぶごえ株式会社
【チケット運営】サンライズプロモーション東京
【お問合せ】サンライズプロモーション東京 0570-00-3337 (平日12:00-15:00)
【公演HP】 https://hydeparkmusic.jp/
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