リンプ・ビズキットのギタリストであるウェス・ボーランドは米『ローリング・ストーン』誌が入手した法定資料によれば、元妻のキャリー・カラウェイを名誉毀損で訴えている。
ウェス・ボーランドはクイーン・クォンことキャリー・カラウェイがインタヴューで彼について語ることで利益を得ようとしていると述べており、その内容はアルバム・レヴューでも使われていると主張している。
米『ローリング・ストーン』誌によれば、訴状ではキャリー・カラウェイが2022年の『バンドキャンプ・デイリー』で答えたインタヴューが指摘されており、結婚生活が破綻した際にデトロイトの自宅から3匹の保護猫と共に転居するのに3日しか与えられなかったと語っていたという。
2022年にキャリー・カラウェイがリリースしたアルバム『カップルズ・オンリー』に収録された“The Mourning Song”は障害を抱えた猫のデイジーを偲んだもので、「彼が面倒を看られる唯一の人間だったのに彼が去ったことで1週間後になくなった」という発言が引用されたこともあったとされている。
ウェス・ボーランドは『フラッド・マガジン』のレヴューも参照しており、インタヴュアーと同じライターは“Emdr Atm”という曲について「ウェス・ボーランドから受けた嫌がらせ」を詳述したものだと述べている。
判事は1月17日にウェス・ボーランドの申し立てについて聴聞を行っており、ウェス・ボーランドはキャリー・カラウェイに「離婚判決に従わないのに侮辱罪に問われない理由を提示する」ように求めていた。
2020年に署名された離婚合意書には次のように記されている。「どちらの当事者も相手の当事者を抽象するような発言を公の場やインタヴューではしない」
法定書類によれば、そうした媒体での発言が「明確に禁止されたことを意図的に行う」ものとなっていると主張している。
「ウェス・ボーランドが20年以上のキャリアで築いてきた評判やパブリック・イメージに悪影響を与えるもので、ウェス・ボーランドが苦労して得た並外れたプロフェッショナルとしての評判を破壊しようとしています」
キャリー・カラウェイは米『ローリング・ストーン』誌に「事実として名誉毀損ではない」という声明を発表している。
「こうした行動は私をいじめ、脅迫して、黙らせるための戦術でしかありません。キャリアを傷つけようという、あけすけな意図でもって、経済的に破滅させ、身体の健康を疲弊させ、私の信頼を否定しようとするものです。これは言論やアーティスト表現の自由への全面的な攻撃です。最近はツアーもできない私のようなインディ・ミュージシャンにとって、これにより分別のない訴訟で闘う心配をしなくてはなりません。既に自分の物語を語ることを恐れている女性にとって、これはどんな意味を持つでしょうか? 口をふさがれようとしている女性に対してプラットフォームを与えようとしているジャーナリストにとってどんな意味を持つでしょうか?」
ウェス・ボーランドの弁護士であるアンドリュー・リフキンは米『ローリング・ストーン』誌に次のように述べている。「ウェス・ボーランドによる判決後の申し立ては、2019年の離婚裁判で最終的に合意した以上のことを言っているわけではありません。離婚判決は相手の当事者を抽象するような発言を公の場やインタヴューではしないことをウェス・ボーランドにもキャリー・カラウェイにも求めています。ウェス・ボーランドはその規定を完全に遵守しており、家庭裁判所にはキャリー・カラウェイにも同様の遵守義務があることを明確にするよう求めています」
「ウェス・ボーランドはキャリー・カラウェイのキャリアがうまくいくことを願っています。彼女のアーティストとしての表現を制限したいとは思っていません。しかし、離婚の合意の中で、離婚に対する見解をプライベートなままとして、相手に対してネガティヴな発言を公の場でしないことに合意しているのです」
ウェス・ボーランドは「弁護士費用」などの名目で5000ドル(約65万円)を求めている。