『ボーグマン』(2013)など、静かに狂った唯一無二の作品を発表しているオランダの鬼才アレックス・ファン・ヴァーメルダム監督最新作『No.10』(読み:ナンバーテン)が4/12(金)より新宿シネマカリテ、シネ・リーブル梅田、アップリンク京都ほか全国順次公開、アレックス・ファン・ヴァーメルダム監督よりコメントが到着。
物語を書き始めるときは、これまでに行ったことのない場所に到着するように、シーンを次々と構築して配置するだけだ。
(『No.10』を観る最善の方法は、事前にそれに関する宣伝をすべて避けることだ。これを強調するために、ヴァーメルダムは、かつて映画館に行ったものの、見たい映画が売り切れていたと説明する。そこで彼は、すでに反対側のスクリーンで上映が始まっていた映画のチケットを購入、観始めたときはその奇妙に見えるナチスをテーマにした作品に、彼は深刻な疑念を抱いていた。
だがヒトラーのそっくりさんがスクリーンに現れて「助けて」と言ったとき、彼は自分がユダヤ人移民のエルンスト・ルビッチ監督による古典的なブラックコメディ『生きるべきか死ぬべきか』(42)を観ていることに気づいた。彼は初め、何の映画を観ているか何も知らないときは、何を期待すべきか全く分からなかったが、その後、自分自身がそれに完全に魅了されていることに気づいた。)
何も知らないというのは素晴らしいことだ。実際のところ、何も知らないのが一番良い。
(ヴァーメルダムは、とあるアメリカ人宣教師がアマゾンの熱帯雨林のなかで、数字や過去や未来という概念が完全に欠如した言語を操る先住民族を発見した物語に出くわした。)
彼ら先住民族は神を信じなかったので、司祭は司祭である意味を失った。なぜか?それは、これらの人々が幸せで、彼らが楽園に住んでいるからだ。そして司祭は彼らに、彼らは楽園に住んでいるわけではなく、彼らが死んだ後により良い楽園があり、そこに到達するにはこれまでとは違う人生を送らなければならないということを説く必要があった。それが私にインスピレーションを与えたのだ。
(編集について)
私と編集のヨープ・テル・ブルフはお互いの存在がお互いをより強くする関係だ。私たちにはエゴはなく、争ったり、フラストレーションを感じることはない。何を加え、何を省くか。私たちはストーリーをどう伝えるかだけを考えている。そして編集が進むにつれ、ますます満足感が増していく、編集によって驚異的な何かが発生し、奇跡が起きる。何かを省けば、繋がる 2 つのシーンが連動する。太陽が輝きはじめ、状況は 100%良くなる。どうしてそんなことが可能なのか?映画自体が語りはじめ、それはそれまで想像していたものとはまったく異なるものに成長する。それは自分を幸せにしてくれる。とてもエキサイティングなことだ。
No.10
監督:アレックス・ファン・ヴァーメルダム
製作:マルク・ファン・ヴァーメルダム 撮影:トム・エリスマン 美術:ゲルト・パレディス 編集:ヨープ・テル・ブルフ
音楽:アレックス・ファン・ヴァーメルダム 音響デザイン:ヤン・シャーマー 衣装デザイン:カトリーヌ・ファン・ブリー
出演:トム・デュイスペレール、フリーダ・バーンハード、ハンス・ケスティング、アニエック・フェイファー、ダーク・ベーリング、マンデラ・ウィーウィー、リチャード・ゴンラーグ、ジーン・ベルヴォーツ、ピエール・ボクマ
2021年|オランダ=ベルギー合作|101分|カラー|ビスタ|G|原題:Nr.10
© 2021 GRANIET FILM CZAR FILM BNNVARA
提供:キングレコード 配給:フリークスムービー
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