トム・ペティは1982年発表の『ロング・アフター・ダーク』が発表から40年以上の歳月を経て、同アルバムのデラックス・エディションが10月18日にリリースされることが決定している。
デラックス・エディションには“You Got Lucky”や“Change of Heart”を収め、80年代という時代を決定づけた傑作『ロング・アフター・ダーク』に、トム・ペティがオリジナル・アルバムに収録したいと考えていた7曲の未発表トラックを含む12の秘蔵トラックが追加収録されている。
デラックス・エディションのリリース発表に合わせて、フランスのテレビ向けに撮影された“Straight Into Darkness”の未公開映像が公開されている。アラン・ビビーの監督の下、レコード・プラント・スタジオで同曲を演奏するバンドの姿が収録されている。
“Straight Into Darkness”のミュージック・ビデオはこちらから。
プロデューサーであるジミー・アイオヴィンはトム・ペティとの3作目にして最後のコラボレーションとなった同作について次のように振り返っている。「『ロング・アフター・ダーク』に関して俺たちは、納得のいくものができたと感じていた。ボブ・ディランの“Positively 4th Street”みたいなサウンドの作品を作ることができたと思っていたんだ。ちなみに、俺はいまでもそう思っているよ!」
『ロング・アフター・ダーク』のデラックス・エディションにはアルバムの方向性について議論する中で収録を見送られた楽曲も併録されている。なかでも注目すべきは、作曲者のトム・ペティ自身が歌う“Never Be You”(ロザンヌ・キャッシュのヴァージョンがカントリー・チャートの首位を獲得するヒットとなった一曲)や、変則的なポップ・ナンバーの“Don’t Make Me Walk The Line”、コロラド州デンヴァーのアップルウッド・スタジオでレコーディングされた“Ways To Be Wicked”(以前にローン・ジャスティスがカヴァーしている)のアップテンポなヴァージョンなどの発掘音源が挙げられる。
そのほかの追加トラックの多くは、上述したフランスのテレビ向けのセッションで収録されたものとなっている。
トム・ペティはポール・ゾロによるインタビューを纏めた本『カンヴァセーションズ・ウィズ・トム・ペティ』の中で『ロング・アフター・ダーク』について「あれは素朴で質の良いロックンロール・アルバム」だったと語っている。「難しいアルバムでもあった。それは、楽曲に関して正しい選択ができているかという点について、俺が自信を持てていなかったからだよ」
「『ロング・アフター・ダーク』に向けて録音したけれども、結局は収録しなかったっていう楽曲がいくつかある。そういう曲を入れていれば、もっと良いアルバムになったんじゃないかと思うんだ」
「アルバムから外した中で、かなり気に入っていた曲が4曲ある。それに、作曲しただけでレコーディングさえしなかった曲もあと何曲かあったはずだ」
『ロング・アフター・ダーク』のデラックス・エディションは様々な形態でリリースされる予定で、2CD+Blu-rayのほか、180グラム重量盤ブラック・ヴァイナル仕様の2LP、180グラム重量盤レッド・ウィズ・ブラック・スプラッター・カラー・ヴァイナル仕様の限定版2LP、アルバム本編のみを収録した180グラム重量盤ターコイズ・カラー・ヴァイナル仕様の限定版1LPがリリースされ、ストリーミング、ダウンロード、HDオーディオ・ダウンロードの各種提携サイトでも配信される。