ブルース・スプリングスティーンは未発表曲“Faithless”の音源が公開されている。
“Faithless”は完全未発表フル・アルバム7作を収録したボックスセット『トラックスII:ザ・ロスト・アルバムズ』に収録される。6月27日に発売となる『トラックスII:ザ・ロスト・アルバムズ』には全83曲(82曲の未発表トラック+アルバム未収録ヴァージョン1曲)が収められ、「キャリアの年表に豊かな章を書き入れ、今まで知られていなかった側面や、ジャンルを超えた多才ぶりも魅せつける」ものになるという。
“Faithless”の音源はこちらから。
“Faithless”は「スピリチュアルな西部劇」映画のためのサウンドトラック盤として制作されたものの、映画の製作が途中で中止となったため未発表となっていた。ブルース・スプリングスティーンは次のように語っている。「“Faithless”は、2004年頃に製作準備中だったスピリチュアルな西部劇映画のために(依頼を受けて)作った作品だ。 ハリウッドでは『企画開発』に長い期間をかけるうちに、作品の行方が見えなくなることもある……この機会に発表して、この興味深いプロジェクトの成果を聴いてもらおうと思ったんだ」
“Faithless”の主なレコーディングは2005年後半の「デヴィルズ&ダスト」ツアー終了から、2006年4月の『ウィ・シャル・オーヴァーカム:ザ・シーガー・セッションズ』発表までの間に行われ、後者のルーツ的なスピリットを共有しているという。「フロリダで2週間かけて全曲を書いた。細部や登場人物の1人や2人は認識できるかもしれないが、大半の部分は、僕がふさわしいと思った雰囲気を醸しだす音楽を書いただけなんだ」
レコーディングは主にブルース・スプリングスティーンが一人で演奏しており、プロデューサーのロン・アニエッロ、Eストリート・バンドのツアー・メンバーであるスージー・タイレル、リサ・ローウェル、カーティス・キング・ジュニア、ミシェル・ムーア、そして妻のパティ・スキャルファと息子のエヴァン・スプリングスティーンとサム・スプリングスティーンが参加している。
ブルース・スプリングスティーンは未発表だった7作について次のように語っている。「『トラックスII:ザ・ロスト・アルバムズ』はそれぞれがフル・アルバムだ。中にはミキシングの段階までいっていたのにリリースされなかったものもある。もう何年も自分で聴いてきて、親しい友だちだけに聴かせていた音楽なんだ。ようやくみんなにも聴いてもらう機会ができて喜んでいる。楽しんでくれることを願っているよ」
7枚の内容は、『ネブラスカ』と『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』を繋ぐ重要なリンクとしてローファイ・サウンドを探求した『LAガレージ・セッションズ’83』、グラミー賞、アカデミー賞を受賞、ドラム・ループやシンセサイザーのサウンドに挑戦した『ストリーツ・オブ・フィラデルフィア・セッションズ』、未完の映画のサウンドトラック作品『フェイスレス』、ペダル・スティールを擁する小編成のカントリー・バンド編成の『サムウェア・ノース・オブ・ナッシュヴィル』、国境の物語を豊かに織りなす『イニョー』、オーケストラ主導の20世紀半ばのフィルム・ノワールを彷彿させる『トワイライト・アワーズ』、アリーナにおあつらえ向きなEストリート・テイスト満載の『パーフェクト・ワールド』となっている。
また、未発表ボックス・セットから選りすぐりの20曲を収録したハイライト盤『ロスト・アンド・ファウンド:セレクションズ・フロム・ザ・ロスト・アルバムズ』も1CD(日本盤は高品質BSCD2)、2LP(輸入盤のみ)で同じく6月27日に発売となる。
『トラックスII:ザ・ロスト・アルバムズ』は、プロデューサーのジョン・ランダウ監修のもと、プロデューサーのロン・アニエッロとエンジニアのロブ・レブレーと共に、スプリングスティーンがニュージャージー州のスリル・ヒル・レコーディング(自宅スタジオ)にて編集されている。