中盤にはクリーントーンのギターが引きたつ「フィールズ・オブ・ゴールド」の美メロと芳醇さにあらためて酔いしれる。スリリングな展開で大きな歓声が上がっていた「ネヴァー・カミング・ホーム」。一方で、「マッド・アバウト・ユー」「アラウンド・ユア・フィンガー」といったミディアムからスローテンポの曲ではゆったりと浸らせる。
その後、ライブは終盤に向かって再び熱を帯びた楽曲が繰り出されていく。スティング流のプロテストソング「世界は悲しすぎる」はイントロから畳み掛けるようなギターが速弾きで奏でられ、ドラムのビートが加速。“driven to tears”のリフレーンが熱く胸に刺さり、ここでも大喝采となる。「キャント・スタンド・ルージング・ユー」ではオーディエンスのクラップが高まり、コール&レスポンスで熱気を高めたかと思うと、イントロから歓声が上がる抒情的な「シェイプ・オブ・マイ・ハート」へとつなげたシームレスな流れはまさに白眉であった。そして、本編ラスト2曲は「キング・オブ・ペイン」と「見つめていたい」でしっとりかつエモーショナルに締めくくられた。
鳴り止まないい拍手に応えて、アンコールでは「ロクサーヌ」を赤いライトの下で熱く煽るように歌い、会場全体のボルテージは再び最高潮に。ラストは非暴力へのメッセージが込められた名曲「フラジャイル」。スティングが繊細に爪弾くガットギターの音色が心に沁みこみ、思慮深い余韻を残して幕を閉じた。
今回のステージはステージセットや演出面も洗練されたミニマリズムの美学が貫かれていた。その上でエネルギッシュかつ緻密に、アドリブ的な要素も織り交ぜて魅了した新生トリオでのパフォーマンス。これまで数多くスティングのライブを体験してきたファンやリスナーにとってもきっと新鮮な聴き心地を覚えるのではないだろうか。この後も、東京、名古屋、福岡で開催されるジャパンツアーで伝説を刻み続けるスティングの至高のステージをぜひとも体験してほしい。
文:エイミー野中
Photo by ハヤシマコ
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