偉大なるカルト作家デヴィッド・リンチが、愛すること、許すことをシンプルに描き、≪リンチ史上 唯一無二の感動作≫とされる『ストレイト・ストーリー』。リンチ自身が監修した『ストレイト・ストーリー 4Kリマスター版』が、監督の1周忌を迎えるにあたり、2026年1月9日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町他全国ロードショーが決定、本映画はもちろん、多くのリンチの劇映画の音楽を手掛けているアンジェロ・バダラメンディの命日である本日、デヴィッド・リンチとの関係性を改めて紹介する。
アンジェロ・バダラメンディ
「ツイン・ピークス」のテーマ曲でグラミー賞を受賞し、エミー賞に3度ノミネートされた音楽家・アンジェロ・バダラメンディが3年前の12月11日に亡くなった。
デヴィッド・リンチ監督作に欠くことのできない存在だったアンジェロ・バダラメンティとは?
デヴィッド・リンチ監督との出会い
バダラメンティとリンチとの最初の出会いは、『ブルーベルベット』(1986)の制作時、イザベラ・ロッセリーニのボイス・トレーナーの担当としてバダラメンティが現れたときである。その際リンチはバダラメンティの音楽的才能と人柄に興味を持ち、ジャズ・ピアニスト役で映画に出演もさせ、そのまま作品の音楽も担当させた。
「リンチ映画にバタラメンディ・サウンドあり」2人の奇跡のコラボレーション
その後二人のタッグは90年代の始まりとともに『ワイルド・アット・ハート』(1990)と『ツイン・ピークス』という二大問題作に取り組み、絶大な支持を受けるとともに、また二人の間に絶対的な解も得る。
「Twin Peaks Theme(ツイン・ピークスのテーマ)」でグラミー賞の最優秀ポップ・インストゥルメンタル・パフォーマンス賞を受賞。
若き頃からクルト・ヴァイル風の習作に打ち込んでいたバダラメンティのデカダンスな楽曲群は、リンチによるバイオレンスな性癖と静寂なサディズム双方を、逐一見事に表現していく。
『ワイルド・アット・ハート』の「Cool Cat Walk」や「Dark Spanish Symphony」といった、儚くも異様極まりない名曲たちは、『ツイン・ピークス』のあのテーマ・トラックへと見事に昇華し、「リンチ映画にバダラメンティ・サウンドあり」と評された。
軌道に乗ったリンチとバダラメンティはその後さらにアンテナを拡張させ、様々な同志=アーティストたちと作品内にてコラボレートしていく。
次作『ロスト・ハイウェイ』(1997)では、デヴィッド・ボウイ、ナイン・インチ・ネイルズ(トレント・レズナーのソロも)、ルー・リード、スマッシング・パンプキンズ、マリリン・マンソンなどがサウンドトラックに参加。
そして、1999年『ストレイト・ストーリー』が誕生する。
当時の批評は大半が絶賛で、「意外な新作」「リンチの新境地」といったワードが押し並べて目立ったが、本作はこの機に生まれるべくして堕とされた、二人にとってのこれまでの流れを経たからこその着地点。
本作で第57回ゴールデングローブ賞最優秀作曲賞にノミネートされ、『マルホランド・ドライブ』で再び第59回ゴールデングローブ賞の最優秀作曲賞のノミネートへと繋がり、二人の奇跡のコラボレーションは頂点を迎える。
アンジェロ・バダラメンティ プロフィール
1937年3月22日、ニューヨーク生まれ。最初に手掛けたサウンドトラックは73年の『ゴードンの戦い』。
86年に『ブルーベルベット』の音楽で成功を収め、その後、『デューン/砂の惑星』(84)『インランド・エンパイア』(06)を除く、すべてのリンチの劇映画の音楽を手掛けている。
2022年12月11日に85歳で亡くなった。
ストレイト・ストーリー 4Kリマスター版
監督:デヴィッド・リンチ
製作:アラン・サルド、メアリー・スウィーニー、ニール・エデルスタイン
脚本:ジョン・ローチ、メアリー・スウィーニー
撮影:フレディ・フランシス
音楽:アンジェロ・バダラメンティ
出演:リチャード・ファーンズワース シシー・スペイセク ハリー・ディーン・スタントン
(1999年/アメリカ/カラー/111分/スコープサイズ/原題:The Straight Story/G)
配給:鈴正、weber CINEMA CLUB 字幕翻訳:関 美冬
© 1999 – STUDIOCANAL / PICTURE FACTORY – Tous Droits Réservés
公式HP:straightstory.jp






























