セックス・ピストルズのジョン・ライドンはダニー・ボイル監督による伝記映像作品『ピストル』での音楽使用を拒否したことで、2人の元バンドメンバーから訴えられている。
『ピストル』の原作となる2016年発表の回想録『ロンリー・ボーイ:テイルズ・フロム・ア・セックス・ピストル』を書いたスティーヴ・ジョーンズと元ドラマーのポール・クックはジョン・ライドンが拒否したことに法的手段に出ており、彼らの弁護士であるエドマンド・カレンは高等裁判所を訪れている。
AP通信にエドマンド・カレンは1998年に交わしたバンドメンバーによる合意で、音楽使用に対する話し合いは「多数決」で決めることができるという条項があると語っている。
オリジナル・ベーシストのグレン・マトロックと亡くなったシド・ヴィシャスの遺産管理団体はダニー・ボイル監督による『ピストル』で音楽が使用されることに合意している。しかし、ジョン・ライドンはライセンスが彼の同意なく許可されたものだと述べていた。
ジョン・ライドンの弁護士であるマーク・カニンガムはスティーヴ・ジョーンズの回想録についてジョン・ライドンが「敵対的に悪意を持って彼のことを描いている」と感じているとして、「常にこれ以上を求める顔立ちだけいい苛立たしい若者」という一節に言及している。
訴訟は来週に入っても続くと見られている。
『ピストル』は全6話で、メイジー・ウィリアムズがパンク・アイコンのジョーダンを、『ベイビーティース』への出演で知られるトビー・ウォレスがスティーヴ・ジョーンズを、アンソン・ブーンがジョン・ライドンを、ルイ・パートリッジがシド・ヴィシャスを演じる。
本作はディズニー傘下のFXチャンネルで放送される予定となっている。
今年4月、ジョン・ライドンは『ピストル』について「これまででも耐えなければいけなかった最大の冒涜」と評している。ジョン・ライドンは映画製作サイドを訴える法的アドバイスを求めているとして、彼の同意や参加を求められることはなかったと主張していた。
5月にジョーダン・ムーニーはジョン・ライドンが「仕事をするのが難しい」という理由で声がかかることはなかったと語っている。
「彼は妨害する側になっていたと思う。そんなに役に立っていたとは思わないわ」とジョーダン・ムーニーは『ザ・サン』紙に語っている。「ジョンは文句を言うために文句を言っている人だから。彼は難しい人で、そうした部分はまったく変わってないわけだから」