YUKIが7月7日名古屋国際会議場センチュリーホールにて「YUKI concert tour “trance/forme” 2019」のファイナルを迎えた。本ツアーは、「YUKI concert tour “Dope Out” ’15」以来約4年ぶり、全24公演が行われた待望の全国ホールツアーだ。2019年2月にリリースした9枚目のオリジナルアルバム『forme』の収録曲を中心に、ライブに欠かせない代表曲や人気曲を交えながら、全23曲を披露した。
『forme』は、YUKIがセルフプロデュースを行い、全曲の作詞、ほぼ全ての楽曲の編曲に参加。自身が敬愛・尊敬するミュージシャンたちに作曲を依頼し、YUKIが“2度目のソロデビュー”を迎えたような新鮮な気持ちで作り上げたアルバムだ。ライブは、爪弾かれるアコースティックギターと口笛の音色、YUKIの滔滔とした歌から始まる『美しいわ』からスタート。『forme』の中で唯一YUKIが作詞・作曲を手がけ、アルバム最後に収録された一曲だ。逆光の中でシルエットのみが確認できたYUKIの姿は、「あさイチ」(NHK総合)テーマソングとしてもおなじみの『チャイム』で全貌が明らかに。ピンクのボリューミーなミニ丈ドレスに身を包んだYUKIは大きな歓声に迎えられ、続く『ランデヴー』では躍動感あるパフォーマンスで観客のボルテージをあげた。
YUKIは会場に集まったファンに向けて感謝の思いを伝えると、『ただいま』(堀込泰行作曲)、『転校生になれたら』(川本真琴作曲・STUTS編曲)とアルバム『forme』の楽曲を続けて披露。『転校生になれたら』はジャズ風のアレンジが施され、ミュージカルさながらの表情豊かな歌声で観客を魅了した。『惑星に乗れ』でパワフルにステージを駆け回った後、ピアノ伴奏のみで始まった『口実にして』(前野健太作曲)は、楽曲の中に宿るストーリーを朗読するかのように歌い上げる。細野晴臣が作曲・編曲・楽曲プロデュースを手がけた『Sunday Girl』は先日、アナログEP盤もリリースされた特別なナンバー。『しのびこみたい』(NONA REEVES・西寺郷太作曲)は原曲よりもさらに濃密なR&Bアレンジで届けられた。
コンテンポラリーな音楽と映像によるブリッジムービーを挟み、再びステージに現れたYUKIは、ロングヘアに純白のパンツスタイルで登場。『トロイメライ』『歓びの種』で歌に合わせて身体を動かすと、衣装にあしらわれた大きなフリルが様々なYUKIのフォルムを形作る。その後も『プリズム』や『ひみつ』など、YUKIのレパートリーの中でも繊細で華麗な楽曲群が続けて披露され、しなやかな身体の動きとYUKIの美しい歌声がリンクする幻想的なひとときとなった。そして、クリープハイプ・尾崎世界観との制作エピソードも語られた『百日紅』は、曲後半にドラムをプレイしながら情感たっぷりに歌唱。続く『24hours』(Chara作曲)でも、エモーショナルな歌声を響かせた。
ツアーバンド“ザ・トランスフォーマー”がグルーヴィーなセッションで会場を温める中、黒のミニドレス、ストレートボブに再びスタイルチェンジしたYUKIがステージへと舞い戻る。セッションにドラムで参加しソロパートもバッチリ決めると、いよいよライブは終盤へ。『魔法はまだ』(吉澤嘉代子作曲)、『風来坊』(赤い公園・津野米咲作曲/トオミヨウ編曲)と緩急つけたダンサブルなナンバーで勢いをつけると、そのまま『鳴いてる怪獣』や『ワンダーライン』で会場を一体に。ドラマ「スキャンダル専門弁護士 QUEEN」主題歌『やたらとシンクロニシティ』を軽快に歌い上げた後は、YUKIの代名詞でもある『JOY』、ライブアンセム『はみだせ ラインダンスから』で盛り上がりは最高潮へ。ラストは、力強く高らかに歌われる〈戦うのは自分よ〉というメッセージが心に残る『フラッグを立てろ』で幕を閉じた。
多彩なライブアレンジを取り入れながら、新旧楽曲を“今のYUKIの歌”として自由に歌い奏でた「YUKI concert tour “trance/forme” 2019」。本ツアーから6月16日に開催された東京国際フォーラム ホールAでの公演の模様が、フジテレビTWO ドラマ・アニメにて10日27日(日)に放送されることが発表された。また11月には2017年開催の「YUKI concert tour“Blink Blink”2017」、12月には2015年に開催された「YUKI concert tour“Dope Out”’15」も同局にて放送されることがそれぞれ決定しているので、この機会にテレビでもYUKIのライブをチェックしてみよう。