FLOW 10年ぶりの日本武道館、みんなと一緒に作り上げた熱い世界

会場を埋め尽くす赤いTシャツ。その背には白く「FLOW」の文字。
開演を待つ日本武道館に充満する期待という名のざわめきが、フロアの暗転によって大歓声へと変化する。
そして始まった10年ぶりのFLOW、武道館ライブはアグレッシヴに音を轟かせる「Break it down」から幕を開けた。

1曲目からフロアにはサイリウムの光。赤い輝きに染まった客席を見遣りながら歌声を放つKOHSHIとKEIGOへ向けて拳もつきあげられ、幕開けから大合唱。ライブとは、FLOWのメンバーとスタッフだけが作り上げるものではない。
ここに集う全ての人で作り上げるものなのだ、と感じさせるも、冷静になる余裕もないほどに畳み掛ける序盤のセットリスト。
慟哭のラウドロック「JOY TO THE WORLD」から「7th Heaven」に繋がれば、赤一色だった会場の光はオーディエンス一人ひとりの、思い思いの色へと変わっていく。カラフルになった武道館。もちろん、サイリウムを握らず、拳を突き上げ続けるファンも。
10年前にはなかった景色である。生粋のロックファンとアニメファンが混在する稀有な場所ならではの色彩感は、彼らがこの10年を掛けて繋いできたものだ。

ロックとアニメソングのボーダーも、国境も超越してきた彼らだから見せられる景色は、IWASAKIとGOT’Sが紡ぐビートでさらに熱をあげていく。そんな光は続いて響きだした「Steppin’ Out」ではタオルによる旋風を巻き起こし、「Oi!!!Oi!!!」のチャントが天井を突き破らん勢いでこだましていく。
お立ち台に乗り、天井近くまで埋まる客席に向けてタオルを振り回すKEIGO。そして高らかに声をあげるKOHSHI。
「この中に、10年ぶりに来たよって人もいると思うし、初めてFLOWのライブに来たよっていう人もいると思うんだよ。でも今日、この1月30日のFLOWのライブは、みんなでしか作れないんだからなー!ひとりでも欠けたらダメなんだぞー!」とKEIGOの声と共に感情を解放するヘビィでラウドな「赤いサイレン」、メロディックなKOHSHIのボーカルとKEIGOのキレあるラップが武道館のテンションをヒートアップさせる「Red Hot Riot」と情熱の歌の後には、会場を青く染めた「ブレイブルー」、さらに運命を彩る光の歌「COLORS」とアニメソングの金字塔曲が響く。大合唱が迎え続けるライブは変わらず光と拳とが揺れている。

今、ここに垣根なんてない。あるのは、ライブを、音楽を、楽しみ尽す心ひとつ。
今回のライブのタイトルの“神祭り”。武道館の客席の位置がそれぞれ「神エリア」と名付けられている。
ステージ前は「Fighting Dreamers 神エリア」ほかにも「東の神エリア」「西の神エリア」、さらには「天の神エリア」など。
“神祭り”はFLOWや彼らの楽曲が神なのではなく、ここに集った一人ひとりが“神”なのだ、と語るKEIGOとKOHSHI。

「みなさんを招くからこそ神祭りなんですからね」とKEIGOが告げると会場は拍手に包まれる。「今日は元祖FLOW流応援歌を持ってきました!!」とTAKEの声で掻き鳴らされたイントロに歓喜の声があがる。「メロス」だ。
この曲はFLOWのインディーズでのラストシングルだった。それこそデビュー前に歌ってきたナンバーを、15年以上の時を経て日本国旗はためく武道館のステージで響かせる。高らかに共に声をあげるオーディエンスと共に、最高の瞬間を味わうステージ上の5人。続けて「常夏エンドレス」。
10年前の武道館のときには彼らの元に生まれていなかったナンバーを会場一体で歌う。続いたのはピアノと都会的なサウンドが叙情感たっぷりの歌詞と共に響く「音色」。
揺れるサイリウムの光が楽曲の哀愁の音を視覚的にも彩っていく。ここでKOHSHIもギターを手に取り、音層厚く聴かせていく。
「Answer」ではエレクトロとラウドロックをメロディックに融合させた音で会場を席捲すれば、オールドスクール的なロックンロール「Shakys」ではメンバー全員が軽快にコーラスを重ねる。オーディエンスのクラップのビートが楽し気に響いて、そんなサウンドをさらにカラフルにしていった。

KEIGOが口を開き、10年前の想いを語りだす。前回の武道館公演は、ファンのみんなに連れて来てもらった武道館だった、と言う。
また必ず自分たちの力でやりたい、という想いを抱きながら10年間。再びこの武道館のステージへ。
デビュー5年目で立った10年前の武道館のステージでは、FLOWがどんなバンドなのか自分たちでも言葉に出来ないままにがむしゃらにライブでオーディエンスと繋がりたくてもがいていた彼ら。デビューから15年以上の時を重ね、全国のファンとライブを積み重ねてきた今、はっきりと言えることがある、とマイクをグッと握ったKEIGO。
「FLOWはみんなでライブを作り続けているバンドです。それは学生だろうが、社会人だろうが、男だろうが、女だろうが、日本なのか、海外なのか、アニメかロックか、そんなものは本当にどうでも良くて。来てくれるみんなとその日しか出来ないライブをずっと作り続けていきたい」
そして響いたのは「ONENESS」。この日本武道館のために作られたテーマソング。曲を作って、ライブで観客とFLOWとがひとつになった瞬間にその楽曲が完成する。この日の武道館で完成させるために作った曲を、日本武道館にいる全員で歌う。
大きくこだまする「Who oh oh」の声。高い天井をものともせずに、隅の隅まで響く大きな歌声と共にFLOWの5人も歌う。この瞬間、オーディエンスの想いを宿す歌声によって「ONENESS」が完成した。

ビジョンに映像がインサート。超豪華共演で話題をさらったあのユニットが登場だ。再び武道館に立つことになったときからどうしても一緒に音を放ちたかった、とメンバーが言葉にし続けて来たFLOWの盟友であり戦友でもあるGRANRODEOを招きいれてのFLOW×GRANRODEOのライブへ。
アニメ「七つの大罪」の楽曲のために結成された7人組スペシャルバンドが「Howling」を響かせる。

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高くあげられる拳と煌めくサイリウムの光が揺れる。パワーアップした熱気が武道館を駆け巡る。
「GRANRODEO的にも今年最初のライブがソウルメイトとでも言いましょうか、FLOWのライブに呼んで頂いてありがとうございますっ!」(KISHOW)「TAKEちゃんもGRANRODEO呼びたかったって言ってくれて本当に嬉しい」(e-ZUKA)と言葉を掛けると、彼らの結成のきっかけになった「まさに7つのパワー!みたいな曲」(KISHOW)である「7-seven-」を武道館に響かせる。
互いを煽りながら全身全霊でコラボレーションを楽しみつつ全力で音を放つ7人、そして全力の熱で返す客席が大きな熱気を生み出した。

終盤に突入すると神祭りは“祭り”の様相を強める。軽快なイントロと共にGinyuforcE&RAB(リアルアキバボーイズ)がステージに駆け込み、見事なヲタ芸ブレイクダンスで魅せての「愛愛愛に撃たれてバイバイバイ」、神の歌声と共に神龍へと熱気を届けるようなに響く「HERO~希望の歌~」に続き、彼らと共に歩み続けるアニメ「NARUTO」とのコラボの一曲である「Sign」。
青く染まった会場をKOHSHIの想い滲む歌声にオーディエンスの声が重なる。そして「風ノ唄」では、ここまでこだましてきた大合唱は、より大きな声の塊に。

「Wow oh」と地を揺らすように響く声。フロアの光は青、そして緑。歌声と共に鳴り出したクラップ音に、彼らが想いを傾けたアニメ「テイルス オブ ゼスティリア ザ クロス」での、天族と人とが手を取り合うような一体感が生まれる。
この日、集まったオーディエンスと共にジャンプをして武道館を“今日イチ”揺らしたのはやはりこの曲。「GO!!!」だ。
極彩色に染められたフロアの歓声に煽られるように花道を駆けまわるKOHSHI、KEIGO、TAKE。恒例のウェーヴも決まると、コール&レスポンスで会場中の歌声をステージへと集める。これぞFLOWの真骨頂。共に作るライブなのだ、と感じさせた。

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