the pillows REBROADCAST TOUR Zepp Tokyo

アルバム『REBROADCAST』がリリースされたのが2018年9月19日。1989年9月16日に結成されたthe pillowsがまさに30周年イヤーに突入する時期だ。2018年11月23日(金)長野からスタートしたツアーは全27公演、2019年3月17日(日)のZepp Tokyoでファイナルを迎えた。チケットは当日券も発売されない完全ソールドアウト。BUSTERS(=the pillowsファンの名称)のこのステージに賭ける熱気と想いは、場内に満ち溢れていた。
the pillows
オープニングの3曲で、オーバーヒートが心配になるほどの熱狂ぶりでthe pillowsの登場を出迎えるBUSTERS。最初のMCで「東京、久しぶりじゃないか! 来たな、ニンゲンドモ! 今夜オレたちは孤独じゃない、仲良くしよう!」と煽る山中。セットリストは『REBROADCAST』収録曲全てに加えて、アニメ「フリクリ」2作品に書き下ろされ、2018年7月に開催された7年ぶりのアメリカ・ツアーが全会場完売と絶大な人気で迎えられる起爆剤となった「Spiky Seeds」、「Star overhead」の2曲も披露された。30周年記念で制作される劇場用映画のタイトルにもなる「王様になれ」も演奏された。幸いこのツアー3回目の参戦だったが、曲順や曲もツアー前半、中盤のメニューとは異なる編成で楽しめた。真鍋吉明(g)、佐藤シンイチロウ(ds)、サポートの有江嘉典(b)のアンサンブルもツアーを重ねることで抜群のグルーヴを醸し出し、詰め掛けた観客の歓声と揺れを導き出していく。インスト曲「MARCH OF THE GOD」ではミラーボールが華やかに煌めき、自由と王国を手に入れた王様の孤独を描いた曲「プライベートキングダム」の終盤では山中の絶叫が胸を締め付ける。アルバムでも最後に収録の「Before going to bed」では、山中がギターを置きハンドマイクで、英語詞ながら出会ってきた人たちへの感謝を紡ぐパフォーマンス。“Thank you very much, I like you BUSTERS~!”とシャウトして本編を締めた。


アンコールを始めるにあたり山中は「今日はライブ全てが終了したらアニバーサリー映画のライブシーンの撮影に突入するので、興味あるヤツは残ってくれよ!」とスペシャルな呼びかけ。続いて「『REBROADCAST』は、リアクションという意味ではとても強いアルバムだった。皆の望むthe pillowsはこういうサウンドを演って欲しいんだとか、山中さわおにはこういう歌詞の世界を歌って欲しいっていうのが一致したアルバムだったのかなって思った」と総括。「だがしかし!」。ここからが山中の真骨頂だ。「次もそういうアルバム作ったら皆が喜ぶだろうと、オレがやる訳ないだろう! オレは自分勝手にやっていくよ」と宣言。自分たちのやり方を貫いて辿り着いた地平に誇りを持っていることを示した。そして冒頭に紹介したMCに繋げたのだ。“意味がある”ことを確認し合えたツアー、たまらなく感動と充実感が会場内に満ちていた。10月17日(木)開催の横浜アリーナ公演をはじめ、まだまだ続く30周年のお祝いを一緒に味わっていきたいと強く思った。最高だった。
the pillows

2019年3月17日(日)REBROADCAST TOUR Zepp Tokyo

01. Rebroadcast
02. I think I can
03. Freebee Honey
04. Spiky Seeds
05. Binary Star
06. Skim Heaven
07. 王様になれ
08. ニンゲンドモ
09. ぼくのともだち
10. 箱庭のアクト
11. Starry fandango
12. 眩しい闇のメロディー
13. MARCH OF THE GOD
14. WALKIN’ON THE SPIBAL
15. プライベートキングダム
16. About A Rock’n’Roll Band
17. BOON BOON ROCK
18. No Surrendder
19. Before going to bed
EN.1
1. Bye Bye Me
2. Star overhead
EN.2
1. Locomotion, more!more!

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