Superfly、全公演SOLD OUTの自身最大規模アリーナツアーのファイナルを福岡で開催

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「今日はアリーナだけど、フェスの会場みたいな雰囲気もあるから、今日はこの会場をライブハウスにしてやるぞ!」。そう言って、アリーナ! スタンド! 立ち見!と、順番にコール&レスポンスをする志帆。そして1月15日に発売されるニューアルバム『0』のタイトルについて、このように説明した。「私、今回のこのツアーは3年半ぶりなんですね。そのなかの1年間はお休みさせてもらって。その時間が、好きなものを見つける時間になればいいなと思ったんです。お友達と旅行に行ってバカ騒ぎすることがこんなに楽しいんだなと思ったし、本を読むことも好きになりました。そんなふうにして過ごしていたら、それまでザワザワしていた心がフラットに戻っていく感じがしたのね。ゼロに戻っていく感覚。それがすごく心地よくて、そのなかで“曲を書いてみたいな”と思ったり、いろんな閃きが湧いてきたりしたんです」。だから、『0』。それは「何もない」のではなく、「ゼロという状態がある」ということであり、そこに志帆は無限の可能性を感じたわけなのだ。

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「休んでいる間は、ジャズをよく聴いていたんです」という志帆。そんな話から、新たにジャズにアレンジされた「恋する瞳は美しい」と、もともとジャズを意識して書いたという「Fall」を続けて歌い、空や雲や山や波や草や向日葵の花といった美しい自然の映像に重なるインストゥルメンタル「Theme of Zero Ⅱ」へ。続いてコンテンポラリー・ダンサーの渡邊綾華が舞う前で「My Best Of My Life」をじっくりと深みを感じさせながら歌った。それはまさに人生という名の旅を思わせた。

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アリーナ中央のサブステージでダンサー4人がパントマイムのように踊る演出が素晴らしい「氷に閉じこめて」のあとは、今回のライブの最大のハイライトと言っていい「I Remember」だ。バンド演奏はなく、志帆ひとりが全編アカペラで歌い通す。静まり返った会場に志帆の歌だけが響く。ほかの曲ももちろんそうだが、この曲は特に1回1回の公演でその日だけの歌となる。それは魂の熱唱と言っていいものだ。約1万人を前に、こんなふうに歌えるシンガーが日本にほかにいるだろうか。

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バンマスでギタリストの八橋義幸と志帆が共同でアレンジを手掛けた新曲(『0』収録の1曲)「Lilyの祈り」をエモーショナルに歌うと、これも今回のツアーのために用意されたインストゥルメンタル「Theme of Zero Ⅲ」をバンドだけで熱くセッション。続いては映画『プロメア』のテーマ曲で、映画を観たひとたちがこの曲をライブで聴くことを待ち望んでいたヘヴィな「覚醒」を歌い、ここからロックモードに突入した。

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