のん、無観客ライブ「おうちで観るライブ」第6弾を開催し生配信!ゲストに柴田隆浩(忘れらんねえよ) 参加!

オープニング曲を歌い終えると、のんが『ここで、この日のゲストを紹介します!』と告げ、画面がステージ左手に切り替わると、グレッチ製のテネシアン・ギターを抱えた、柴田隆浩(忘れらんねえよ)がスタンバイしている。ステージに3人が揃ったところで、忘れらんねえよのファースト・アルバム(2012)に収められた「忘れらんねえよ(←曲名です)」を演奏。初顔合わせながら3人の息のあったプレイに『うわ~カッコいい!』と、のんも思わず唸る。

忘れらんねえよの柴田隆浩は、2019年11月14日に配信リリースされた「わたしは部屋充」の作者。元々はのんが歌うCMソング用に15秒サイズで書かれたが、柴田の中で言いたいことが溢れフルバージョンを勝手に作ってしまう。その時点ではまだ会った事もなかったが『のんさん、絶対好きなんじゃないかな』とフル版の楽曲をプレゼント。しばらくすると『あの曲をレコーディングしたい!』と連絡があり、柴田は『やっぱり!』と喜んだ。のんも、自身に向けて”当て書き”してくれたのかと思ったほど。歌詞に描かれた「ひとりで自分の部屋での生活を充実させる」は、コロナ禍の中で自粛生活を強いられた「お一人様」の間で共感を呼び、MVの再生回数は100万回を超えた。のんと柴田は、この曲のレコーディングを行ったスタジオで初めて会うことに。柴田は元気で活発な子という印象で接したが、会ってみると控えめで礼儀正しい。なのにスタジオのブースに入ると、歌に向き合う気持ちが誠実で、作品に対しての情熱や熱量に驚いたという。一方、のんの柴田の第一印象は『わー!身長大っきいんだな』。さらに記念撮影した際のピース・ポーズに『こんなに感情こもったピースってあるんだ!』とびっくりしたそう。これには柴田も『そこっすか!』と突っ込む。

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「おうちで観るライブ」はこのように、ゲストとのトーク・タイムも充実させている。イベント全体の構成はトーク半分、ライブ半分といった感じで、そのトーク・タイムの大半を占めるのがエピソード・トーク・バトル・コーナー。この日のテーマは東京国際映画祭で観客賞を受賞したのん主演の映画「私をくいとめて」にちなみ、”わたし”繋がりで「わたしは部屋充、どっちがお一人様」バトル。部屋充=お一人さまに関するエピソードを、それぞれが披露し、どっちが面白かったかを生配信のコメント欄を見て勝敗を決めるというもの。次に演奏する曲をテーマに、各人がエピソードを披露していく。柴田は学生時代に付き合っては別れるを繰り返した元カノ「おがっち」との恋バナを面白おかしく話すと、視聴者のタイムラインでは「おがっち」人気が急上昇。のんは自粛期間の間、身体を部屋の様々な場所にぶつけてしまう危機察知能力が低下を話す。そのせいであちこちに怪我をしたが保冷剤をつければアザにならないことが判明。部屋充でお一人様だったからこそ、対応能力が向上したとトークテーマにつなげて締めた。ひぐちけいは 311の震災時に都内で帰宅難民状態に。自宅で猫がお腹を空かせてないかと心配しながら7時間かけて徒歩で帰宅すると、なんとエサ箱が揺れて床に落下。猫はそのエサをお腹いっぱい食べて、しっかり「部屋充」していたと動物ネタで参戦。勝負の結果は、アーカイブ配信で確認されたし。

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この日、演奏されたのはのんの4曲と、忘れらんねえよの3曲の計7曲。1曲めの「ナマイキにスカート」を除き、全て柴田、のん、ひぐちけいの3人で演奏した。ボーカル・パートも1番、2番とのん、柴田で歌い分け、サビを一緒にというスタイルだ。前回のvol.4ではGO!GO!7188/チリヌルヲワカのユウがゲスト参加したが、のんは他ミュージシャンとコラボすることによって、ギターのプレイもさることながら、ボーカル力が明らかに向上している。M04の「そんなに大きな声で泣いてなんだか僕も悲しいじゃないか」では、柴田とのユニゾンの美しさを見せつけ、秋の夜に歌詞がじわりじわりと染み入ってくる。M05の「やまないガール」では高音パートを柴田が受持ち、力強いユニゾンを聴かせる。柴田も『デュエット感がいいですね!』と絶賛。M06の「この高鳴りをなんと呼ぶ」は3人の息がぴたりと揃った圧巻のパフォーマンスを披露。これには柴田も『バンド感出てる!』と手放しで喜んだ。コロナ禍で無観客での音楽ライブ開催が続いているが、リズム隊を加えたフルバンド編成のリアルライブを観たい!と思わせる素晴らしさであった。また、のんの楽曲である「へーんなのっ」や「やまないガール」は柴田の声との相性の良さもあるだろうが、男性ボーカルでも申し分のないカッコよさ。これは新しい発見だ。前回ゲストのユウや、今回の柴田らと共に観客のいるライブハウスでの開催が実現してほしい。

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