ちゃんみな 自身初となる東名阪ワンマンライブ『THE PRINCES PROJECT 5』完走! 今年10月には自身初となる日本武道館ワンマンも決定

ちゃんみなが6月15日、大阪オリックス劇場で有観客ライブを行い、5月から始まった全国ツアー『THE PRINCES PROJECT 5』のファイナルを迎えた。
本公演は昼の部と夜の部にわかれており、ストーリー仕立てで構成されたもの。本稿では、5月25日に中野サンプラザで行われた東京公演の模様をレポートする。

昼公演

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定刻になり、客電が落ちると、陽気な男性の声が案内役としてホールに響き渡る。それによると、どうやらこのライブは日本一のサーカス団によるショーで、ちゃんみなはその看板娘、という設定らしい。ホールに『Angel』のフレーズがサンプリングされたファンファーレが流れ、幕が開くと、2段構成のステージに男女4人ずつのダンサーと4人のバンドメンバーがスタンバイ。客席から大きな拍手が起き、ちゃんみなは天井から吊るされたエアリアルフープで下降しながら登場。そのまま『Angel』でライブはスタートした。

ちゃんみなのライブは音源に大幅なアレンジが加えられることが多いが、今回もその方向性は継続されていた。2曲目『FXXKER』では、サーカスの曲としてよく知られるフチークの『剣闘士の入場』がサンプリングされるなど大胆にアレンジされ、非日常感を演出。ステージからはレーザーも放たれ、いきなりの迫力ある演出にオーディエンスはピンクのペンライトを振って応える。曲の冒頭では女性ダンサーがちゃんみなにステッキとハットを手渡すシーンがあったが、これはおそらく、ちゃんみながこのサーカス団のリーダーであることを示していたのだろう。このように、小さな動作や小道具のひとつひとつによってストーリー展開が示されていて、まったく目を離すことができないライブになった。

続いて『Light It Up』ではシーンが変わり、衣装ラックと女優ライト付きの鏡台が用意される。椅子に座っているのはちゃんみなだけで、ダンサーたちは彼女に衣装を合わせようとしたり、クマのぬいぐるみを渡そうとしたりする。だが彼女はそれらの衣装を跳ね除け、ぬいぐるみは投げ返してしまう。どうやらこのサーカス団の看板娘は、仲間を顎で使う横柄な人物であるようだ。しかし、花束を持った男性が登場すると彼女の態度は一変。曲は『note-book』に変わり、花束の男性に対して夢見るような視線を投げかける。

またもやシーンは変わり、今度は2人がけソファとベッドが用意され、ちゃんみなとさっきの男性ふたりきりのシチュエーションに。楽曲は『Mornig mood』。ここまで来れば、舞台がステージ→楽屋→自宅へと移動していたことがわかるだろう。ステージ後に恋人が楽屋を訪ねてきて、そのまま自宅へ2人で帰った、というストーリーなわけだ。

一方その頃、楽屋には新たな女性が登場。どうやらサーカス団に入団したニューカマーのようだが、団員たちは彼女のきらびやかな美しさに魅了される。堂々と振舞う彼女は当然のようにハットとステッキを手に取る。恋人との甘いひと時を過ごしたちゃんみなが楽屋に戻ると、ハットとステッキを身につけた新しいライバルと対面し、『Very Nice To Meet You』を歌いながら、闘うように踊り合う。

場面が転換し、再び楽屋のシーンへ。曲は『ボイスメモNo. 5』。鏡台の前でメイクをしながら、ダンサーたちに衣装をあてられ、楽屋を訪ねた恋人から花束を受け取る。彼女を中心に回る楽屋を祝福するように、2段ステージの2階ではコーラス隊が歌う。ところがこのコーラス隊、なぜかあまり覇気がないのだ。みすぼらしい鼠色の衣装からわかるのは、明らかに下働きさせられているキャラクターだということ。

そしてこのコーラス隊の端に、ちゃんみなが紛れ込んでいたのだった。では、ステージの中央にいるのは? ちゃんみなではなく、新たに入団したライバルだ。ちゃんみなは主役の座をライバルに奪われてしまい、恋人までも奪われてしまったのだった。

失意の中、ひとりで『Call』を歌うちゃんみなに、仲間たちが声をかけにやって来る。曲は『GIRLS』。だがその仲間たちも、ひとり、またひとりとライバルになびいていき、ちゃんみなはひとりぼっちになってしまう。彼女の地位は、サーカス団の清掃員にも無視されるほどまでに落ちてしまった。

みじめさは怒りに変わり、その身を蝕む。『GREEN LIGHT』を荒々しく歌い、『ルーシー』へ繋ぐと、4人のピエロがちゃんみなにしのびよる。ピエロたちは彼女に甘い言葉を囁き、宝箱を渡す。中には緑の薬が入っている。この薬を飲めば楽になるとでもいうように、ちゃんみなはそれを一気に飲み干す。

舞台が暗転し、音が消えたあと、ちゃんみなの激しい吐息と心臓の音だけが静かなホールに響く。

やがて『Needy』がはじまる。ステージには薬によるトリップを思わせる幻想的な映像が映される。ちゃんみなは横たわったままオーディエンスに向けて脚を広げ、淫靡で扇情的に歌う。そんな彼女の身体をいくつもの手が囲み、彼女の身体はまどろみの中に沈んでいく。長い、夢見るような『Needy』のアウトロ。その中に不協和音が混じり、不協和音は次第に無視できないほど大きくなり、やがてそれが空間を支配する。

『Rainy Friday』『I cannot go back to you』が始まる頃、本公演の雰囲気は前半とはまったく異なっている。ステージにはバーカウンターと黒服の男たち。ちゃんみなはカウンターで飲み潰れている。女たちとストリップをしながら男にチップをもらい、淫らに絡み合うが、曲が終わる頃には男たちに捨てられている。転落し孤独になったちゃんみなが過去の栄光にすがるように歌う『Princess』は切なく、『美人』は地獄からの叫びのようだ。そしてラスト、天井から降りてきたフープでエアリアルをしながら『ダリア』を歌い、逆さ吊りにされたまま幕が閉じて、本編は終わった。

あっという間の本編に、声も出せないオーディエンスは何が起こったかわからないといった様子。ただ空調の音だけが静かに鳴り続ける奇妙な暗闇が数分続いたあと、明かりがつき、幕の中からちゃんみなが再登場。客席から大きな拍手が起きる。

「みんなのことを毎日考えていました。人が来ないことを覚悟していたので、こんなにも多くのお顔を見れて幸せです。ライブがいくつも中止や延期になって、みなさんにはたくさん寂しい思いをさせてしまったけれど、そのぶんすごく気合を入れてライブをつくりました。ルールを守って最後まで見てくれてありがとう」

この日初めてのMCらしいMCに何度も拍手が起きる。

「最後はみんなと楽しみたい。心の中で一緒に歌ってください」とオーディエンスを立たせ、アンコールは『Never Grow Up』と『CHOCOLATE』。さっきまでじっとステージに見入っていたオーディエンスはペンライトを振ったり、その場で踊ったりして、この2曲のあいだだけは、いつものライブと同じような雰囲気が流れていた。

そうしてちゃんみなは「みんなまた会う日まで。愛してます、心から。ありがとう」と言葉を残して退出。こうして昼公演は終わった。

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