圭、最新ライブレポート到着!二刀流のライブスタイルで進化し続ける圭から目が離せない!

圭が自身の誕生日でもある8月12日(木)、東京・渋谷ストリームホールにて<THE ELEGY-夜明けの明星->と題して、1st STAGEは<TRANSPARENT UTOPIA.>、2nd STAGEは<WITH LOTS OF LOVE.>とコンセプトの異なるステージを1日2公演で開催した。
圭がBAROQUE無期限活動休止を受け、ステージの中央に立ち、本格的なソロ活動へと踏み出したのが今年4月。そこから約4カ月。この日に行なった<THE ELEGY-夜明けの明星->において、1st STAGEではギタリストとしてインストメインのアクトに挑み、2nd STAGEではギターやピアノを弾きながら、ボーカリストとして自身のソロ曲やBAROQUE曲を歌った圭。ギターインストでも歌ものでも、ソングライターとして美メロ至上主義をつらぬく圭にとっては、この二刀流のステージが自分をトータルで表現するにはまさにぴったりだった。本格的なソロに踏み出して以降、驚くようなスピードで成長を遂げ、表現者としてギタリストだろうが、ボーカリストだろうが、どちらも温度差なく、その両方で変わらない気高さと、キラキラとしたスターオーラを放ちながら華のあるスタイリッシュなパフォーマンスを魅せられるようになったからこそ、実現できた今回のステージ。圭というアーティストが放つ音楽、そのスタンダードとなりうる独自のライブのあり方が見えた2公演となった。

1st STAGEの<TRANSPARENT UTOPIA.>。まずはDr.の山口大吾(People In The Box),Ba.の高松浩史(THE NOVEMBERS),Key&Mani.のhicoといういつものサポートメンバーが白シャツにネクタイ、黒いパンツで統一した衣装で姿を表したあと、スペーシーなSEに波の音が重なり、圭がギタリストとしてオンステージ。
ライブは新曲「spirit in heaven.」で幕を開けた。オープニングから、まるで1st STAGEのアートワークをトレースしたようなメロディーがギターから立ち昇っていったところはあまりにも美しく、その完璧すぎるギターワークに心から感動。ライティングと合間って、夜明け前、うっすらと空が白んでいく時間帯を幻視しているような気分にどんどん浸らせ、そこからさらに新曲を立て続けにアクト。新曲はどれも『4deus.』で見せられた脳内宇宙でダークエナジーが激しく渦巻いているような風景とは別世界にあるものばかり。果てしなく広がる白い静かな空間を、一人ぼっちでずっと浮遊していくような景色が、曲を重ねるごとに現れては消えていく。そんな景色を音で表現しながらも、目の前では圭がいまや彼のライブセットでは定番となりつつある“花道”を使って、スタイリッシュで華麗なパフォーマンスを次々ときめていく。そんな圭に見惚れるファンに向かって「歌わねぇじゃん! 金返せとかいわないでよ」と語りかけフロアをリラックスさせた彼は「その代わりこっちはギターで歌うんで。インストで音楽の深いところまでいって全身で音を浴びて下さい」と言葉を続け、1st STAGEの趣旨を伝えた。

このあと中盤では「my fanny valentine」をまろやかなジャズギターサウンドでカバーしたり、about tessのギタリスト、takutoをゲストに迎えてヒリヒリするようなジャムセッションを繰り広げたり、親友でもあるDURANとは彼の「Echo(Electric Gospel)」を楽しそうにカバーして、普段あまり見られないようがギタープレイも存分にアピール。そのあと、ライブは再び新曲を交えて白い静かな世界へと没入。本編ラストの「in the light.」では文字通り、恐ろしいほど澄みきったギターのメロディーで、夜が明けて光あふれていく世界を観客に染み込ませていった。圭のギター・スタイルはコードのカッティングで世界観を表現したり、テクニカルな速弾きやエフェクターワークで実験的な音を出して長々とソロを弾いたりするようなものではない。
圭のなかで最強なのはインストでも歌ものでも、やはり“メロディー”なのだ。インストでは歌の代わりに思う存分ギターが美しいメロディーを奏でてくれる。だからこそ、ファンは彼が作る歌ものと変わらない感覚で音楽に触れ、ギターインストライブも楽しめる。そんな特異性を知らしめた1st STAGEだった。

1

2