SHAG ブルーノート東京へ凱旋! キングギドラとのコラボで時代を表現

身も心もリラックスしたところで、今回のスペシャル・ゲスト、キングギドラの登場。「SHAGとキングギドラがブルーノートで同じステージに立っているということ自体が“平和”そのものだと思わない?」という SUGIZOの言葉に拍手が起こる。昨年リリースされたキングギドラの復活シングル「Raising Hell」ではSUGIZOの吠えるギターをフィーチャーし、生演奏をバックにK Dub ShineとZeebra が混沌とした世界に辛辣なリリックでメッセージを放つ。DJ Oasisがスクラッチで空間を埋め、ドラムは松浦の生演奏に置き換えられていた。

続いてはキングギドラの代表曲のひとつで 2002年にリリースされている「UNSTOPPABLE」。場内ヒップホップ一色に変化した空気を切り裂くように類家がソロを取る。ジャズ・トランペットとヒップホップのコントラストが見事にハマッた瞬間だ。エンディングでは別所の才覚光るピアノが花を添えた。そしてコラボの3曲目は即興ジャムセッション。初日1stセットはモチーフにウェイン・ショーター作曲の「Beauty and the Beast」。2 日目の1stセットは全くフリーのセッション。 両日ともに2ndセットは惜しくも先月にその天命を全うした坂本龍一作曲「Behind the Mask」がモチーフに使われた。イントロのメロディをSUGIZO がギターで弾き始めると歓声が沸いた。

Zeebra によってリフレインされる「ギドラとSHAG / フリースタイルジャム / 最高の演奏に / 最高のラップ」のフレーズが演者と観客の一体感をつくる。全員のソロ回しでは松浦、よしうらのリズム・ソロとバトルするようにDJ Oasisが強烈なスクラッチ・ソロを放った。ジャム終盤にK Dub Shineがコール&レスポンスで観客 を煽ると興奮は最高潮に。

Zeebraがステージで言った「20年前に、誰がSUGIZOとキングギドラが同じステージ に立っていると予想できた?」という言葉が今回のライヴを象徴していた。国、人種、ジャンルは障壁ではない。今こそ全てを超越してひとつになるべき。ジャズ、ロック、ファンク、 ヒップホップ、テクノポップがひとつになることを K Dub Shineは「ユニティ」と表現した。サウンドとリリックで平和へのメッセージを放ち、体現しながら結束する2つのグルー プ。観客の心に熱い余韻を残す極上のライヴ・パフォーマンスであった。

Text by 松永誠一郎
Photo by Keiko Tanabe

SUGIZO 公式サイト https://sugizo.com/
キングギドラ公式サイト https://www.sonymusic.co.jp/artist/KG/

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