デビュー32周年記念日に行われた、 Charaのツアーアンコール公演は大盛況のうちに終了! サプライズで小林武史が登場

Chara

 ここで、音楽プロデューサーでYEN TOWN BANDのメンバーでもある小林武史が花束を持って登場。Charaにも秘密にしていた正真正銘のサプライズゲストで、Charaは驚きながらもハグを交わすと、小林は「32周年おめでとうございます」とお祝いの言葉を述べ、「昨日、デビュー曲『Heaven』のMVを見てきたけど、今、あんなに才能の塊のような人はなかなかいないですよね。32年間、こうやってやれていることもすごいし」と賛辞を送ると、Charaは「褒められた……マジで泣きそうなくらい嬉しいです。厳しい方なので」と顔をほころばせた。そして、1996年に公開された岩井俊二監督の映画『スワロウテイル』の主題歌として大ヒットした「Swallowtail Butterfly 〜あいのうた〜」を小林がキーボーディストとして加わったバンドで披露。Charaのライブでは初めて演奏するという小林は「新人プレイヤーのつもりで弾きます」と意気込み、Charaは想定外の事態に歌詞を間違えてしまう場面もあったが、観客は貴重なコラボレーションを一瞬も見逃すまいと集中するなかで、ノスタルジックながらもクールな音色と甘く切ない歌声が美しく響き渡り、会場からはこの日、いちばんの大きい拍手が送られた。また、二人のMCでも触れていたが、10月21日に千葉県のKURKKU FIELDS(クルック・フィールズ)で行われる「円都LIVE」にYEN TOWN BANDの参加が決定している。

Chara

小林を見送ったCharaは、「あ〜楽しかった。サプライズありがとうございます。せっかく来てくれたのに歌詞を間違えちゃったけど、スペシャルな人をみんなと過ごせて楽しかったです。これからもマイペースで続けていくので、まぁまぁついてきてください」と未来に対する思いを口にし、ラストナンバー「A・O・U」へ。Charaはマイクを外してフェイクやシャウト、ハイトーンやファルセットと多彩な声色を響かせながら、 “今、この瞬間”のエモーションを観客の胸に刻んでいく。やがて、竹本の導きによる<We Love Chara>という観客からのコールを全身で受け取ったCharaは、「完全にみんなの愛を身籠ったわ」と幸せそうな笑顔を浮かべ、観客が高く掲げた手を左右に振るなか、軽く会釈をして、「あら、まぁ!?」というようなコケティッシュで悪戯っぽい表情を浮かべ、走ってステージを後にした。

Chara

 鳴り止まないアンコールの拍手に応えて再びステージに上がったCharaが大名盤のタイトル曲「Junior Sweet」を歌い始めると、観客はステージに向かって手を掲げ、当然のようにフロア全体にシンガロングが広がっていく。<愛を浴びて>というフレーズのコール&レスポンスを繰り返すことで、まるでゴスペル教会のような神々しさと祝福に会場全体が包まれた。さらに、「デビュー曲、歌っちゃうぜ!」と茶目っ気たっぷりに声を上げ、32年前の曲ながらもトレンドが1周して最新のブギーファンクにも聴こえる「Heaven」でフロアをディスコに変貌。それぞれが自由に感じるままに歌い、踊り、クラップを打ち鳴らし、音楽の楽しさと開放感に包まれる中で、最後はEND SEとして「It’s a small world」の日本語バージョンが流れた。Charaとバンドメンバーは<世界は1つ>という音楽に導かれるように人形となって袖にはけていき、Charaの32年間の道のりを辿った音楽の旅は大団円を迎えた。この日で33年目へと突入したが、アニバーサリーライブをフィジカルとしては最新となる昨年11月にリリースしたシングルのカップリング「面影」ではじめ、表題曲「A・O・U」で本編を締めくくった彼女の次なる新曲が楽しみでならない。

取材・文:永堀アツオ
撮影:岩澤高雄

<セットリスト>
Chara Simple City Tour+ 2023 “Heaven”
01 面影
02 やさしい気持ち
03 Sweet
04しましまのバンビ
05 タイムマシーン
06 ミルク
07 hug
08 Break These Chain
09 無人島に私をもって行って
10 あたしなんで抱きしめたいんだろう?
11 DUCA
12 大切をきずくもの
13 ohhh!
14 Swallowtail Butterfly 〜あいのうた〜
15 A・O・U
<ENCORE>
En.01 Junior Sweet
En.02 Heaven

1

2