デビュー15周年イヤーを駆け抜けるflumpool、約3年ぶりの全国ツアー開幕! 代表曲満載のベストライブにファン歓喜


アンコールでは、「初日、皆さんのお陰で、『これだ、これだ!』という瞬間がいくつもありました。準備してきた僕たちの想像を遥かに超えた素晴らしいライブ、一緒に作ってくれてありがとう」と山村が感謝を伝えると、惜しみない拍手が送られた。15年を振り返り、辛い時に頑張れたのは「こうやって待っていてくれる皆がいるから」とコメント。そのお礼としてflumpoolができるのは、ファンの悲喜こもごもに寄り添い、一つ一つの感情を音楽という形にして届けること。今後の活動への意欲を述べ、「今日はこの日のために、新曲をつくってきました」と発表、うれしいサプライズにファンは歓喜の悲鳴を上げた。「君に恋したあの日から」とのタイトルコールから披露した新曲は、flumpoolの王道ど真ん中を行くラブソング。メロディアスで力強いミディアムナンバーを歌い奏でると、会場は温かな多幸感に包み込まれていった。同曲は4月3日(水)にデジタルリリースされることが決定している。

「このツアー、これで“進めるな”と、間違いなく胸を張って全国にお届けできるツアーだな、と今日確信しました。ありがとう!」と山村は代表して挨拶。「残り14公演。集大成のライブという意味もありますので、日替わり(で披露する曲)などなど、いろいろとやっていこうと思っています。今日楽しかったらまた是非、遊びに来てください」とも呼び掛け、ファンによる撮影OKタイムを設けて初日公演は幕を下ろした。

幅広いファン層を満足させるであろう、キャッチーで贅沢なセットリスト。そんな中、久しぶりの披露となるレア曲も織り込み、コアファンを興奮させる場面もしっかりと用意されていた。ヒット曲連打ではあったが、振り返ると「そういえば、あの曲が披露されなかったな」と気付く。これは15年のキャリアが豊潤だったことの証でもある。日替わり曲も準備しているようなので、複数公演に足を運ぶチャンスがあれば、一層楽しめるツアーになるのは間違いない。初日公演を観届けて、何よりも素晴らしいと感じたのは、初期の代表曲群と近年生み出された楽曲たちが、ごく自然に混ざり合っていたこと。それは、flumpoolがもともと持っている魅力、ファンに愛されてきた根幹の部分を大切にしたまま、バンドが進化発展を遂げてきた証だからである。15周年記念ツアーは彼らにとって到達点ではなく、20周年に向けたキックオフを告げるものなのだ、と感じた。全国各地で待っていたファンに逢いに行き、ライブを重ねていくことで、flumpoolは更なる成熟を遂げていくことだろう。
(取材・文/大前多恵)

1

2