INORAN(LUNA SEA)が再録アルバム『ニライカナイ-Rerecorded-』を携えたリヴァイヴ・ツアー完走。「『ニライカナイ』は終わらない」宣言が示す、旅の続き

MCで何度か登場した「元気玉を届ける」という言葉の背景には、アルバムリリースと時を同じくして、LUNA SEAの真矢(Dr)が闘病中であることを発表した経緯がある。「君たちと元気玉をつくれることが、僕はとてもとても幸せ。それは、大好きな人の背中を押す力であり、愛であると思います」との言葉から届けたのは、ファンの間で特に根強い人気を誇っているピュアなミディアムナンバー「時の色」。想いが手に取るように伝わってくる熱唱とバンドアンサンブル。INORANが台に乗ってファンに歌を委ね、返って来る大合唱を受け止める姿には胸が熱くなった。<I love you>と歌い終えてロングトーンを響かせると、温かな拍手が場内に鳴り響いた。

ラストスパートに差し掛かり、「Unstoppable」はスマートフォンでの写真撮影とSNSでの投稿OKと自らアナウンス。曲中で姿が見えなくなったと思ったら、なんと、INORANはステージから降りてファンを騒然とさせていた。再びステージに戻って最後に♪ラララをシンガロングする場面では、ステージ上もフロアも晴れやかな笑顔。「もっと美しい景色を見ようぜ!」と煽って始まった「Beautiful Now」以降、「Rise Again」「Thank you」と、2010年代以降にリリースした名曲群を連打、幸福感はいっそう増していった。

「尊い時間なんです、こうやってライヴをする、好きな人と一緒にいられるっていうのは」と噛み締めるように語り、「君らのことがほんと大好きです、ありがとう!」と感謝を述べると、INORANは「また絶対会おうな!」と再会を誓った。「音楽を通じて繋がるのは、俺の今生のカルマだと思うし、笑顔にしたいし。元気玉を空想の袋に入れて持って帰って、君たちの大切な人に渡してほしい」とも語り掛けた。

最後の曲「All We Are」のイントロでINORANが奏でた艶やかなギターフレーズからは、語られた言葉のすべてを上回る、深く多彩な想いを感じ取ることができた。これこそ“音楽を通じて繋がる”ということなのだろう。ファンと幾度もコール&レスポンスを繰り返し、INORANはMurataと、続いてu:zoと向き合って生き生きとプレイして、最後はRyoの前に3人が集まり揃ってパワフルに音を打ち鳴らした。メンバーを一人一人紹介した後、INORANは「業務連絡! 『ニライカナイ』はこれで終わりません」と発表。詳細はまだ先になるが、2026年にツアーの続編があると予告するとファンは喜びの声を挙げ、ファイナルの寂しさが霧散したようだった。「またこのメンバーとスタッフで皆の前に帰って来るので。お前ら最高だよ! 本当にどうもありがとうございました」とINORANはマイクを通さずに大声で挨拶。4人は肩を組み深々と礼をした。

「あと何回ライヴできるんだろう?と、今ふと思いました」とライヴ中INORANは呟き、「悲しいことではなくて」と、ネガティヴな意味合いをすぐに打ち消した。一回一回のライヴがいかに尊いかを知り尽くしているからこそ、鳴らす一音一音には魂が宿り、それに触れた者の心を震わすのだろう。LUNA SEA主催のロックフェス「LUNATIC FEST. 2025」(11月8日・9日)と並行したハードスケジュールの中、中国2公演を含めると全13公演を成し遂げたINORAN。パワフルでダイナミックなバンドサウンドと、過去、現在、未来を行き来する心象風景を繊細に描き出すアーティスティックな表現と、双方を味わえる稀有なロックライヴだった。この世界観は続編でどのように進化・深化していくのだろうか? INORANの旅は続いていく。

取材・文=大前 多恵
撮影=Yoshifumi Shimizu

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