Billboard Live YOKOHAMAは、2022年にソロデビュー25周年を記念してリリースしたアルバム『IN MY OASIS Billboard Session』のレコーディング及びシューティングを行なった、INORANにとって縁の深い会場である。その場所でこの日にライヴをする巡り合わせにも、きっと何か意味があるのだろう。葉山、Yui、島津はお馴染みのメンバーだが、今回は荒井、河村を迎えたストリングス・カルテット編成にスケールアップし、ギターの菰口も加わった。葉山が年末から手掛け始めたというアレンジは、驚きと新鮮さに満ち、『ニライカナイ』の曲たちが秘めていた魅力を存分に引き出していく。
18時30分から始まった2ndステージは、少し落ち着いてリラックスした雰囲気で繰り広げられた。INORANの歌唱表現は、より自由でバリエーション豊かになった印象も受ける。1曲披露し終えるごとにグラスのお酒を飲み、ステージを歩き回ってマイクを通さずに歌ったり、観客と目を合わせたり、メンバーの演奏を讃えて笑顔でサムズアップしたり。より伸びやかにライヴの空気を味わっているように見えた。
「僕、来年ソロデビュー30周年なんです。すごくないですか? みんなよく付き合っていただいて、ありがとうございます」とファンに感謝を述べると、辿り着いた今の“歌”について想いを巡らせる。「歌というのは、上手ければ伝わるわけでもないし、パッションで伝わるもあるし。どっちなんだろう?って。1stも2ndも歌い方が違うしね。でも、そういうことじゃなかった」と考えを打ち消して、「今日君たちと一緒に、この空間にいることが全てだと思う。こうやって心が動いたのは、君らの“せい”だと言いたいし、仲間だから」と語り掛けた。
「存在のカケラ」では、赤い照明の世界の中、葉山のピアノの後方からミラーボールが輝きを放ち、神秘的な光景を立ち上げた。INORANのライヴはいつもそうだが、今回も美しい光の演出に心を奪われることだろう。両手でマイクを握り締め、渾身の歌を届け終えると、「皆さん、オリンピック(ミラノ・コルティナ冬季五輪)観てました? アスリートと同じで、ミュージシャンもいわゆるゾーンに入るんですよ」と語り始めたINORAN。共通項がある一方で、点差で勝敗が決まるからこそ生まれるスポーツの感動に「ジェラシーを覚える」とも明かし、「『1点』とか『逆転』っていう曲つくろうかな?って」と笑った。表現に対しては常に真剣だが、シリアスなムードになり過ぎないよう、笑いを絶妙に織り込んでいく。















