後半は、ライヴ定番の名曲たちを披露。「盛り上がって行きましょう。参加型でお願いします」とINORANは呼び掛け、ファンはクラップして身体を揺らしながらコーラス。ひとりひとりの表情が少しずつ晴れたことで、開演当初よりも、客席から放たれるムードは明るくなっていた。
INORANは、「今日来る時暖かかったでしょ? この後またもう一回寒さが来たり、気候もそうだし、人生も上がったり下がったりして、そんな時も“しょうがねえな”って笑いながら仲間と話せる、過ごせることが貴重だと思う」と語った。自身のファンクラブNO NAME?の仲間はもちろん、ライヴという場もそうである、との想いを明かした。メールなど文字を通したやり取りだけではなく、直接集まることの大切さにも改めて触れた。「ロックバンドの“キャー!”というのもいいけど、こういう穏やかな場所も必要。そうじゃないと、人には性格があるから、躊躇っちゃうやつもいる。今日集まったみんなは仲間だと思うし、僕はそういう場をこれからも作り続けていきたい」と決意表明。「本当に今日はみんなどうもありがとう!」と感謝を述べ、最後の曲を届けた。曲間でメンバー紹介と共に披露される迫真のソロ演奏が素晴らしく、INORANも「ブラボー!」と喝采を送っていた。
メンバーを拍手で送り出すと、ひとり最後に残ったINORANは、「今日はこんな状況の中、僕のわがままに付き合ってくれて、本当にどうもありがとう。真ちゃんの残してくれたレガシー…情熱や愛を持って、僕はこれからも、LUNA SEAもソロも、全力で続けていくつもりなので、これからもINORANを、そしてLUNA SEAをよろしくお願いします。今日は本当に……来てくれてどうもありがとうございました」と挨拶し、深くお辞儀をした。INORANがこれほどまでに長いお辞儀をするのを見たのは、初めてのことだった。
1stも2ndも、終演後のINORANは笑顔だった。このような状況でステージに立ったことを労っても、ネガティブな言葉は出てこない。「俺が真ちゃんのお笑い担当を継がなきゃいけないから」との使命感もあるようで、早速その発言で一同を笑わせてくれた。取材を終えて会場の外に出ると、泣きながら身を寄せ合う観客たちの姿があった。INORANがこの日ライヴを中止や延期しても、何も不思議はなかった。それでも予定通り開催したことは、やり場のない悲しみを抱えた人たちにとって、想いを分かち合える居場所をもたらした。先陣を切って勇気ある決断をしたINORANに、尊敬の想いが募る一日だった。
「CLASSICAL ニライカナイ」は3月8日(日)Billboard Live OSAKA、3月13日(金)はBillboard Live TOKYOにて、いずれも二部制で行なわれる。
取材・文:大前 多恵
撮影:石井 麻木
















