J Birthday LIVE 2016 -Special 2 Nights-

真夏の灼熱が照りつける8月11日、[ J Birthday LIVE 2016 -Special 2 Nights- ]と題した公演を東京・赤坂BLITZでおこなった。
毎年恒例となったバースデイ・ライブのイヴに当たるこの日は、1997年のJ・ソロ活動スタートから2014年まで、サポート・ギタリストを務めた藤田タカシ率いるDOOMをゲストアクトに迎え、往年のファンにとってもJ自身にとっても、プレミアムな一夜となった。
妖しくグリーンに照らされたステージへ最初に登場したのは、藤田タカシ(Vo. /Gt.)、PAZZ(Dr.)、古平崇敏(Ba.)からなるDOOM。
2014年に14年振りの再始動をし、”今世紀版のDOOM”ともいうべき、3月にリリースした「Still Can’t The Dead」に収めた”All Your Fears”よりスタートする。
豪快なギターに鉄壁のリズムが交差する独特のグルーヴは、一気に会場をDOOM色へ染めるかのように、そのジャンルレスな音の渦に巻き込んでいく。
“Complicated Mind”、そして伝説の1stアルバムから”No More Pain”と、往年のファンだけにとどまらず、圧倒的な刺激を会場にもたらし、“Still Can’t The Dead”まで、息つく暇のないサウンドとプレイに、オーディエンスは釘付けとなった。

その唯一無二の存在感と緊張感が立ち込めたまま演奏が終了すると、大歓声で拍手が沸き起こり、Jへとバトンを繋いだ。
そしてオーディエンスからの「オイ・コール」で迎えられ、本日の主役であるJの登場だ。
「赤坂、飛ばしていくぞ!」の一声から”Verity”を発射。一気にシンガ・ロングに包まれ、約3ヶ月振りのライブとは思えないほどのパフォーマンスを乗っけから繰り広げる。
序盤から連射される”PYROMANIA”でフロアを炎で灯したかと思えば、J自身の初シングル曲”BURN OUT”と、惜しみもなくキラー・チューンを繰り出して行く。
その熱に応えるかのように、フロアではモッシュ・ダイヴが沸き起こり、約20年近く経った初期の楽曲であるにもかかわらず、ライブを重ねることで更にとてつもないパワーが宿っていることが伺える。
と同時に、その光景からはロックという音楽には”色褪せる”という言葉が皆無であると、改めて思い知らされる。

今夜のライブでも、最高傑作「eternal flames」からの楽曲が披露されたのだが、このアルバムが生まれた所以には、等身大のJがロックという刺激を求め続け、そのパワーをライブで放出し、また得続けてきた結晶であると言える。
それは”my answer”が示す通り、Jとオーディエンスで”ライブ”という”今”を更に超えていくような感覚になれるからだ。
序盤とは打って変わって、モッシュ・ダイヴとは無縁の”I Know”では、その熱が冷めることなく、逆に極上の刺激を与えてくれることは、そうやってJ自身が自ら手にした武器となっているし、事実Jから「みんなの熱気でチューニングが合わないね(笑)」と話すように、沸点が落ちることはない。
ツアーメンバーである溝口和紀:Gt. (ex.ヌンチャク) 、masasucks:Gt. (the HIATUS/FULLSCRATCH/RADIOTS) 、有松”MASUO”益男:Dr. (BACK DROP BOMB)から放たれるサウンドも然りだ。

ライブの後半で「いいか?今を全力で生きてるか?」とJから言い放たれると、”Die for you”へ突入。
途切れることのないステージ上での音のバトルは、疾走感とダイナミズムの両方を持ち合わせ、フロアの熱気さえ飲み込むかのような、アグレッシヴなライヴ・パフォーマンスを繰り広げる。
次々とロック・チューンを繰り出して行き、“go crazy””Gabriel”を投入し、灼熱のままステージとフロアが一体となったライブの本編が終了した。

惜しみのない”Jコール”が会場中に響き、本編を終えたメンバーが再び登場する。
来年、ソロ20周年を迎えるにあたり、DOOMとの共演が実現したことに感謝を伝え、”break”をドロップし、再び会場を沸かせた。
そんな中、Jからのメンバー紹介と共に、再びDOOMの藤田が呼び込まれると、大きな歓声が起こる。
まさに”競演”とも言える5人での”CRASH”は圧巻の一言で、10月より始まる「J 2016 LIVE 10 days of GLORY -10 Counts for Destruction-」のファイナルにあたる渋谷O-EAST公演に、DOOM、masasucksが在籍するRADIOTSの参戦が発表されると、割れるような歓声で埋め尽くされた。
ラストの”Feel Your Blaze”まで、その冷めることのない熱をはらんだステージは大盛況の中終了し、来年に迫るJソロデビュー20周年の前哨戦となるであろう「10 Days of GLORY -10 Counts for Destruction-」、このJの飽くなき刺激に満ちたツアーを全てのロックファンに目撃して欲しい。
そして、来年のソロデビュー20周年を記念して、ファンのリクエストを反映したベストアルバムを2017年春にリリースされることが決定している。
尚、リクエスト投票は10月1日より J 20th BEST ALBUM 特設サイトでスタートする。
http://avex.jp/j/20thbest/



取材:2016.08.11
テキスト:Atsushi Tsuji(辻 敦志) @classic0330
photo by:Rina Asahi


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