SHANK OF THE MORNING TOUR@渋谷クラブクアトロ

シンガロングが沸き起こる「Wake me up when night falls again」、松崎 兵太(Guitar/Chorus) のソリッドなギターフレーズから一変し、スカ・カッティングへ変調していく「620」など、メロディックパンクの枠には収まりきらない楽曲の数々は、SHNAKが常に新しいサウンドを追求し、自らを更新し続けてきた姿勢がうかがえる。
渋谷クラブクアトロには、後方に大きな柱がフロアに剥き出しになっているのだが、庵原から「柱の後ろまで届けます!」と激しい楽曲が続き、オーディエンスも拳を突き上げ、会場を揺らし応える。
アンストッパブルな激しいドラミングを池本 雄季(Drums/Chorus) が鳴らす「Good Night Darling」では、会場中の熱気を更に上昇させ、汗まみれのオーディエンスからは笑顔が溢れていた。

そんな中、松崎からクールダウンをさせるかのようにオカリナを持ち出し披露すると、笑いが起こり、この【SHANK OF THE MORNING TOUR】中に、彼の子供が産まれたという幸せな報告に、会場中で温かい拍手が向けられる。
その子に贈られたスティーヴィー・ワンダーのカバー曲「Isn’t She Lovely」は、シャッフルビートにアレンジされ、SHANKからの”幸せ”がフロアに溢れていた。
「It’s not a game」では大合唱に包まれ、庵原からスペシャル・ゲストとして、本日共演していたKEMURIからコバヤシケン(Sax)、河村光博(Trumpet)、須賀裕之(Trombone)の面々がステージ中央に加わり、”Loving our small days”に収録された「Grimy Window」を披露する。管楽器を加えたこの楽曲をライブで体感出来ることは非常にレアで、メンバー自身も「スゲェ楽しかった」と話し、リハなしに披露してしまうKEMURIの面々も圧巻である。

毎年8月に長崎県の稲佐山公園野外ステージで開催されている野外ロックフェスティバル「Sky Jamboree」でKEMURIを観て、バンドを決意したという庵原は、この共演に感謝を込めて「Set the fire」を披露し、駆け抜けるように「Long for the Blue moon」をドロップ。壮大なOiコールを巻き起こしながらステージを後にした。
アンコールで迎えられ、庵原から「渋谷にぴったりな曲を送ります、踊ってください」と「CHOICE」を奏でると、歓声と共にクラウド・サーフが次々と沸き起こる。 ラストの「Knockin’ on the Door」まで、一瞬たりとも熱が冷めないステージとフロアは、SHNAKがライブを常に求めているからこそであり、沸き起こる”コール・アンド・レスポンス”は、オーディエンスもそのライブを求めている、相思相愛とも言うべき空間を作り上げることで生まれる”熱”だった。

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